第1章01 あんた誰?
「で・・・ここ、どこよ?」
森林と言える場所にぽつんと、座っていた
つい、今さっきまで女占い師に占ってもらい
変な言葉を聞いていたら?・・・
その後の記憶がない・・・???
そして、気づいたら此処に居ると・・・
混乱しつつも、自衛官であるためなのかすぐに状況を把握するため行動を起こした
身体異状なし!
持ち物!ハンカチ、チリ紙、携帯電話、鍵、アーミーナイフ・・・・
「あ!カバン!!!」
自衛官になってから、1日は何とか生きて行くためにカバンの中に色々と詰め込んでいたのだ
でも、まわり見渡してもそのカバンは無かった
身の回りを確認し終わり、周りを見渡した
「森・・・よね・・・」
木や草などいろいろあるが、有ってもいいはずのものが無かった
それは・・・
「ゴミが無いわね・・・」
日本の土地には、100メートル歩くと必ず有るといわれるゴミ
プラスティック・紙・木の加工材など・・・必ず有ってもいいはずのものが無かった
そして、地面を触った
湿っている・・・2日以内に雨が降った証拠だ
今夏は、温暖化の所為で雨が降らなかったはず
それを知った私は、ある結果にたどり着いた
「ここは・・・日本じゃない・・・」
下手をすると、地球でもない・・・ファンタジーだけど
その時
草の葉が擦れあう音がした
だ・・・誰かが居る!!
すぐに、身を隠し気配を消した
「あたたた・・・着地失敗しちゃったよ・・・確か、この辺で気配があったんだけどな」
ん?この声は??
間違いない、あの女占い師!
確か、『ティニア』とか言ってたっけ・・・
あのやろ〜
「おっと・・・いけねぇ、声がそのままだ」
え?
そういうと、女性は喉元に手をかざしたとき
淡い光が喉を照らした
「うん、これでよし」
ビックリしてしまった・・・先ほどまで凛とした女性の声だったのに
今じゃ、男の声だった
ついでにフードを取った男?の姿を見たときに確信した
青髪に、緑の瞳・・・最初は、染めたのかなと思ったが
光が髪を通したとき、それは否定された
結論、此処は地球じゃない・・・異世界だ・・・
一番早いのはこいつに事情徴収するしかないな
ポケットに有ったアーミーナイフを取り出し、刃のついてない
鑢のほうを出した
誤っても、切ることは無い
そして、暗殺者のように背後に回り
「ぐっふっ!」
一気に無力化した
殺気を漂わせた低い声で
「動かないで、動いたら動脈が切れるわ」
「わ・・・わかった。落ち着け、話し合おう」
落ち着いているけど、とりあえず言葉に乗ってみるか
「落ち着いていられると思う?あなた、私に何をしたの?
言いなさい!言わないと!」
冷たいだろう、ナイフの腹側を首に押し付ける
人間、首の感覚は鈍感に出来ている
5〜7本程度の鉛筆を首に当てても
1本程度だと思ってしまうほど鈍感なのだ
「わーーーわかった!早まるな!言う!言うから!!」
「早くしなさい!」
「『ホールディン』」
なっ・・・体に何か冷たいものが走った
「まったく危ないじゃないか」
私はあせった、体が動かないのだ
そして、唯一の武器が奪い取られてしまった
「あれ?刃が無いのね?」
「わざとよ!無抵抗の人間に傷をつけるほどバカじゃないわ!」
バシッと、彼から奪い取る
「そうですか・・ってなんで動けるんだ!」
ふと、気づくと体の自由が利くようになっていた
「ほんとだ・・・なんだったの・・・さっきの」
にらみつける私
「えっと、貴女の世界で言う魔術っていうのかな」
愕然とした・・・やっぱり・・・
ここ、異世界なのね・・・