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第3章04 あなたに謝られても・・・

ティニアから別れた私はフェンリルを人間にして街を歩いていた

「うぁ、かわいい〜♪」

露店商の置いてあるアクセサリーを見ながら楽しんでいた

――あのねぇ、香苗・・・

(ん?気になるの?後ろの3人)

――気づいてたの?はぁ、その暢気・・・何とかならない?

(ならないよ。気になるなら任せるよ?)

――まったく・・・厄介ごとは私?

(まぁまぁ、私そういうの苦手だし・・・)

――よく言うわ、王にあんな事言ったくせに

楽しんでいた開いた目を細めた

(あぁ・・・あのアクセサリーほしかったのに・・・)

そう思いながら、シエラに体を託す

先ほどと違い、興味がないようにまっすぐ露店商のとおりを歩いていく

途中の細い路地に入り、近くにあった木箱に座った

――フェンリル、挟み撃ちして逃げられないようにしてね

(『御意』)

走って入ってくる男3人

驚いたように立ち止まる

『私に何か用かしら?』

一番前にいる男に聞く

――あら、いい男・・・

(ちょっと・・・色目使わないで!)

「いつから気づいてた!」

気になるのだろう、完璧な尾行だと思っていたのかな

『そうね、城を出たところぐらいかしら?』

後ろにいた男たちが剣を取ろうとしたとき

前にいたリーダ格の男が静止した

「待て!お前たちがかなう相手じゃない!ここは引くぞ!」

2人は後ろを振り向くと、色黒い女性が壁にもたれかかるように立っていた

フェンリル・・・かっこよすぎだよ・・・

『あら、尾行してきた理由話してくれるまで逃げられないわよ』

「――っ」

『その襟章、王都の諜報部員かしら?王が、私を消そうなんて考えてたのかしらぁ?と言っても一度狙われてるから2度目かしらね』

ちょっと裕福そうな高価な服装の襟元に金色の目立たないバッジがそれをあらわしていた

「ばれたからには・・・いの―――」

「うっ!」

「なっ!!」

後ろにいた、男2人の首筋にはフェンリルの得意とする

投げナイフが首元にかかっていた

前にいたはずのセレネは、今いたはずの場所にいない

リーダー格の背後に立っていた

『あら?何をしようとしてたのかしら?これ以上、金魚の糞のようについてくるなら』

シエラ、お得意の殺気

『斬り捨てるわよ』

その男は、完全に固まっていた

動いたら、殺される・・・

俺たちがかなう相手じゃない・・・

そう思ったのだろう

その男たちを縫うように、大通りへ歩いていく

「フェンリル、いくよ」

「はい・・・」

投げナイフを上手に回しながら懐へしまった

「な・・・なんてやつだ・・・ま・・・まるで・・・」

魔女だ・・・と思った


その夜、珍しいお客様が私の部屋にいた

まぁ、たぶんあの人だろうと思っていた

「こんばんは、ミリティ妃」

ディスニー国王妃ミリティだった

「どうさ――」

『れたんですか?』と言う寸前で

「申し訳ございません!!本当に・・・ごめんなさい・・・」

いきなり、謝られてしまい何がなんだかわからなくなっていた

そして、戸惑う私

「な?なに??どうしたの??そりゃ、王にはひどいことを言ったり、したりしたけど、私あなたには何もしてないわ。謝る理由なんてないはずよ

諜報部者のも、王の差し金でしょ。貴女が謝ることじゃないわ」

「ですが!神であるあなたを夫である王が冒涜しました・・・

そのことを、消し去るつもりで貴女様に・・・それは、揺ぎ無い事実・・・」

「そうでしたっけ?はて??なんのことやら??」

惚ける私

「この国を統する王の妃である私にも・・・王が行った罪は同じ用に償わなければなりません」

神を冒涜した王の責任は后であるミリティにも責任があると考えているのだろう

「いいわよ、気にしてないし。でも、なかったことにはしたくないしね・・・」

うぅん・・・と、考える私

ポンっと手を叩いて提案する

「ねぇ、ミリティ。離婚しちゃいなさい」

香苗はとんでもないことを言う

実際に、そんな簡単に離婚ということができるのかはわからないが

「えぇ!?」

いきなりの提案に驚くミリティ

そうよ、離婚しちゃえばあんなやつどうでもいいじゃない!

「そ・・・そんなこと・・・出来ません・・・」

「なぜ?ミリティがいないと国が成り立たないから?」

「それは・・・そうかもしれません・・・今の王は・・・故メリム妃が死んでから・・・変わり果ててしまいました・・・」

メリム・・・今の王位継承者である者たちを生んだ母

最後の子供であるティニアを最後に出産の時死んでしまったらしい

「そう・・・なら、今の王を退位するよう説得しなさい。ん〜、ティニアが

王になるって話出てるんでしょ?ならそうなさいって。あ、もし説得できないなら私がするわ」

「だ・・・だめです!ティニアにはまだ早すぎる!」

「そうかしら・・・私ティニアの事まだ1ヶ月しかいないけど・・・

いつも、国の事・・・考えていたわよ。検定が近いのに欠かさず

政治や王国学は欠かさなかったから」

私は見ぬ振りしていたが、必ずその勉強はしていた

なぜだろうと思っていたが、王位に2番目に近いといわれていたからだろう

1番目の兄は・・・実は、ここの国にいない

というより、今の王を毛嫌いして出て行ってしまったのだ

唯一の残ったティニアが一番王になりやすい立場だった

「そんな・・・知らなかった・・・」

うな垂れるミリティ

義理の母なのに・・・そこまで知らなかった自分を悔やんでいるのだろう

「いいじゃない、今知ったんだから。ね。どうせ、今の王と結婚したのも

政略結婚ってやつでしょ?」

「それはっ・・・」

その反応・・・図星か・・・なら話は早い

愛・恋がない結婚なんて進展しなけりゃ、ドツボにはまるだけだ

「そうね・・・」

「・・・」

「こうしましょう。交換条件!もし、ティニアが王位になったら

ティニアの近衛並びに教育係になってあげる」

どうせ、何百年と生きられる人生だ。そのぐらい人生のかけらぐらいにしかならないだろう・・・それも楽しそう・・・

「それは!本当なのですか!」

光の民である私がティニアの近衛になれば無敵だろう

この世に私より強い相手いないだろうから・・・

いれば、面白いんだけど・・・いるのかな?

「うん、本当。私、嘘付かないわ。でも、貴女も覚悟が必要よ?判るわね」

「はい・・・」

「うん、よろしい。そうね、1日しかいないつもりだったけど

話が進んじゃったから・・・うん、1ヶ月いるわ。その間に決めて

じゃないと、ここから出て言っちゃうから」

と、脅迫めいたような内容?を行ってしまう私

はぁ・・・どんどん、セレネに毒されているような気がする・・・

――失礼ね!勝手に毒されてるのあんたでしょ

(そうですよ・・・勝手に・・・はぁ・・・無意識って怖いわ・・・)

「判りました、早急に話を進めます・・・今日のご無礼申し訳ございませんでした」

「いいっていいって、結果期待してるよ。」

手を振って、送り出す私


さて・・・どうなるんだろう。


翌日、王が退位するという噂が国内に広まった

誤字修正しました

まりす 様

ありがとうございました。

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