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第3章01 香苗、王都にいく〜(1)の巻

陽に当たり輝く砂時計

その砂が無くなり、光り輝いた

独りでにカーテンが開き、窓も開く

太陽の光が香苗に降り注ぐ

香苗が作った自作の目覚まし時計

「うぅ〜ん・・・」

眩しそうに目を覆う

そして、ムックリと起き上がり

眠たそうに目をこする

「・・・ふぁ〜〜〜っ」

背伸びをした後、首をクイクイ回すと骨が鳴る

「ん〜いい天気だ〜」

いつもの朝の日課

ティニアのために朝ごはんを作る

まぁ、ここに来る前も趣味は料理だったし

朝も、起床6時だったからあまり億劫になっていない

「今日は、無難に昨日取った魚にしますか〜♪」

着替えて終わり台所で調理を始める

魚を焼くと結構煙くなるので、風の魔術を使って

一気に上空約20m付近まで煙を出していた

小さな結界を張りつつ、台所を汚すのは最小限にとどめていた

「ふんふ〜んふんふん〜♪〜」

焼き終わった、魚にご飯の様な穀物を炊いたもの

後、最近見つけた岩塩で漬けた浅漬け

こんなもんだろう〜

「よし!ティニア〜ご飯だよ〜♪」

ダダダと、2階に駆け上がり

勢い良くドアを開く

案の定、布団に包まって寝ているティニアを発見!

「こら〜朝だよ!おきろ〜」

「ふにゅぅ・・・」

ティニアの寝顔、かわいいからいつも起こしに来ちゃうんだよね〜

「ほら〜おきて〜」

――ぬふっ。私じゃないと置きないわよ〜ちょっと失礼!

(うぁっ!)

『ほら〜ティニア〜おきなさい、起きないと〜セレネお姉さん襲っちゃうぞ〜』

バッとティニアを抱き付こうとするが

「うわぁ〜〜っ」

驚きふためくそして、ベッドから落ちる

「ッて〜・・・セレネさん!毎日、悪い冗談止してください!!」

『あら〜、だって香苗だといつも起きないじゃない〜だから、私がいつも起こして上げてるんじゃない〜♪』

「やめてください!!」

『そう〜もう朝ごはん出来てるから、着替えて降りていらっしゃい』

手を振りティニアの部屋から出る

そして、意識も切り替わった

「も〜、そういうやり方・・・やめてよね〜」

香苗とシエラとの意識の切り替えも慣れた

ほぼ0秒に近い意識の交換が出来る

魔術・弓は香苗、剣術・近接戦闘はシエラと言う風に分担する事にしたのだ

まぁ、ある程度シエラも魔術を使えるらしいけど

魔力が少ないと言う理由であまり使わない

完全に開放するには、私とのシンクロが重要らしい


そうそう、弓は元々射撃の腕が在ったためか

一回やってみた。それが楽しくて、今じゃ自分専用の弓さえある

それは、まるでアーチェリーの弓になってしまった

アーチェリーを見るために、弓手がたまに見に来るのだ

「フェンリル!ご飯だよ!」

そういうと、私の斜め後ろに現れる

「ご飯だよ」

振り向いて言った

「はい。」

そう、フェンリルもいつまでも豹の姿も良くないと思い

ティニアに事情を話したらすぐに、了承してもらえた


「はい、ご飯」

おわんによそって、渡す

「ありがと」

片手に新聞(この世界にも新聞と言うものが在る。と言っても、テレビがないから情報源はこれだけなのだ)を持ちながらもらう

「ほら!食事中は新聞読まない!」

「はぁぃ・・・」

【まるで夫婦だ・・・】

ご飯を口に運びながら、何か言い忘れてた物を探した

「食事中申し訳ございません。朝手紙が来てました。王宮の印が在ったから

お父様からじゃないかと」

フェンリルは、ティニアに手紙を渡す

「ふぅ〜ん、見して」

フェンリルは、その手紙を手渡す

ビリビリと、印を破り紙を取り出した

読んでいると段々表情が険しくなる

と、その瞬間簡易的な火の魔法を手にもって来たのが判った

私も相対魔法を使って、燃えそうだった手紙に打ち当てた

「―っ」

「こらっ!何証拠隠滅しようとしてるの!見せなさい!!」

それを奪い取る!

「あっ!」

そして、その内容を読む

――――――――――――――

我が息子ティニア、元気にしているか?

魔術検定合格おめでとう、ようやくこっちに帰ってこれるな

お前を待ち遠しく思っているぞ

そう、風のうわさで女性と同居しているらしいじゃないか

親に無断でか?いい度胸をしている!

すぐに帰って来い!猶予は与えん!すぐに迎えの者もやる!

それと!彼女も連れて来い!

以上だ!


ティニア・ディスティーニ・アルディスト 宛


ダルタニア・ディスティーニ・アルディスト 王より

――――――――――――――


「ふぅ〜ん・・・王都かぁ〜一度行って見たかったんだよね〜」

うふっと笑う

「だ・・・ダメです!絶対ダメです!」

「なんで?どうして??」

「え?だって、貴女は光の民ですよ!ばれたら、軟禁されてしまいます!」

なーんだ、そんなこと考えてたんだ

「ねぇ、ティニア。もし、ティニアを人質にされても助けると思う?」

「・・・・思いません・・・」

「よろしい〜だから、大丈夫だよ。振りきれる自身あるから」

頭を抱えるティニア

こうなると、誰にも止められない・・・

「ほら、うわさをすれば」

そのとき、ドアをノックする音が聞こえた

「3名です、王の近衛騎士のようです」

会えて、思念で言う

(通して上げて、危害はないわ。きっと、お迎えね)

(『御意』)

「お迎えさんですよ」

と、パタパタとドアを開ける

「失礼!ディスニー王国近衛騎士である、バルタであります。

第2王位継承者である、ティニア王子とその御同居している女性をお連れに参りました」

「はい、お疲れ様です。ティニアは、そこに―――」

シュッと、抜刀し私の首めがけて剣が飛んできた

キィン

首ギリギリで、受け止める

もう意識は、シエラになっていた

『失礼でなくて?急に剣を立てるとは』

そう言って、剣をはじき返した

そういうと、その場に彼女の姿はなかった

「ど!どこ――」

刹那 首に冷たい違和感があった

『動かないほうがいいわ・・・死にたいなら動きなさい』

そういうシエラ

彼の視界からはずれ神業のように背後に付いたのだ

石と鉄が当たる音がする、彼が剣を捨てたのだ

「俺の負けだ・・・先ほどの、ご無礼申し訳ない」

『あら?命乞い?近衛騎士が珍しいわね』

そう言って、剣をしまう

「近衛騎士でも、命は惜しい・・・ですが、先ほどのティニア様に対する

発言は許しがたいものでした、ですので反射的に」

『殺そうと思ったと?あら、怖いわ〜』

半身になって、顔を隠す

「申し訳ない・・・」

『いいですわ、そのぐらいでは私に勝てませんもの〜♪ティニア〜、お客さん!』

反射的に動く彼

私は、殺気を放ちそれを止めた

『それ以上、やると・・・容赦しないわよ。それが、近衛騎士であっても』

その声は、そこにいる3人の素肌を切り裂くような殺気だった声

「セ!セレネ!どうしたんだ?」

すごい殺気を放っている、セレネを見て驚いたティニア

「ん?あ、ティニア。も〜この3人、ありえないんだよ!いきなり、切りかかってきて!防いだんだけど、まだやりそうだったから」

「お前たち!」

「ハッ!ティニア様!お迎えに参りました!」

膝を付き礼をする3人

「この馬鹿たれ!この方は、私の師匠に当たる方だ!無礼な行為をして

しかも、生きていたなんて幸運の幸いだぞ!まったく・・・」

「も・・・申し訳ございません・・・」

「セレネさん本当にすみませんでした」

頭を下げる、ティニアをみて

その肩を叩き

「気にしない、気にしない」

にこっと笑った

「あははは・・・」

苦笑するティニア

「あぁ、私はいいけど、もう一人のほうが後で、しごくって」

「ゲッ・・・」

――それもいいね。

(『私も、お手伝いしますよ』)

(まったく、面白がって・・・)


その後、王都に行くために準備をして終わったのが1時間ほど後だった

「忘れ物ないですか?」

「大丈夫、在ったら会ったで・・・・ね」

「そ・・・そうでしたね・・・」

「じゃーいこ〜」

馬に乗る私、といっても動かすのはシエラのほうだ

私は乗ったことないから判らないのだもん


そうして、王都に向かい出発するのだった


気配を消し潜んでいた黒い影

〈あれがそうか・・・第2王位継承者・・・ティニア・ディスティーニ・・・しかし・・・あの、女は・・・〉




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