第2章10 ん〜なんか、先生になった気分(2)
『うふ。はぁ〜い、皆さん!こっちですよ〜』
(はぁ・・・私のイメージが・・・)
――いいじゃないの、後は任せて。
あ、魔術のほうはそっちがやってね
(はいはい・・・)
『では、最初に剣術からです。え〜と18番と22番、39番
あなた達は不正行為をしたでしょ。私の餌食になってもらうわ』
(え・・・餌食って・・・)
そう言って、持っていた練習用の木刀を片手に取り
18番の男に渡した
『はい、あ。そうだ。3人一緒でもいいけどどうする?』
戸惑っていたのだろうか、2人は置いてあった木刀を取る
不敵な笑みを浮かべて
『ふふ、いい顔してるじゃない。でも・・・お仕置きは・・・』
ニコニコしていた顔から、真剣な眼差しに変わった
『手加減しないわよ』
周りに居た受験生たちほとんどの肌に鳥肌が立った
「クッ・・・」
1人が剣を振りかざして着たが、ヒュッと目の前を通り過ぎ
全くあたらない
彼女は、剣さえもっていなかった
3人同時に攻撃しても、その剣が体に当たる事はなかった
5分ほどが過ぎ、3人は肩で息をしていた
『あら?もう終わり?まだ、早いわよ。終わるのは』
その光景を見ていて、驚いていた
避けるのに必死なのかと思っていたが
彼女が居た所から3歩以上離れて居ないのだ
しかも、体を捻ったりするだけで剣筋は彼女の体を避けるように
滑っていく
まさしく神業だ・・・
『それじゃ、終わりにしましょう――』
そう言って、手刀で首筋を叩いて行く
――ね。
うふっと、笑うときには白目を剥いた受験生たちが地面にキスをしていた
『さぁ〜て、序曲はおわり〜』
よっと、と言って落ちていた木刀を手に取った
『じゃー、実技試験を行います。そこに落ちてる木刀を取って、私とお相手してください。もちろん、この子達の様に無様になる事はないので安心して。ただ単に、どのぐらいの技量が在るかどうか基準が在ってね。文章で書かれてるんだけど・・・』
その紙を丸めてポイッと投げ捨てた
『私が見込み在るものは合格。満たして居ないなら不合格にするわ。それじゃ、1番から〜時間は一人10分まで。その間何してもいいわよ・・・あ!でも魔術を使ってはいけませんからね、強化ならいいです。自分の剣が折れた時点で失格、落としても失格ですから気を付けるように』
そう言って、1番から始まった
もちろん、誰もが彼女の哀れむ姿を想像したが・・・
『キャハ。そんなんじゃ、あたらないわよ。ほら〜腰がひけてる〜』
10分と言う時間をくれたのだが、30人・・・目でも
最大で3分と言う時間しか・・・相手になって居ない・・・
みんなが、強化していた武器を壊され、していない者は
剣と剣とのぶつかり合いで弾き飛ばされてしまっていた
そして、38人目・・・僕の番だ・・・
「よろしく・・・」
『よろしくv。ティニア君』
(ちょ・・・手加減してあげてよね!)
――それはどうかしら〜♪
すぅ〜と、剣をあげる
息遣い・・・隙も・・・まぁ、荒削りだけど良いセンスしてるわね
――ふぅ〜ん、いいじゃない・・・
そのとき、彼の足が地をけった
木刀同士がぶつかり合う音
普通ならそれで木刀を落としているが
『へぇ〜ティニア、やるじゃない』
「・・・あなた・・・だれですか!香苗様じゃない・・・」
ギリギリと音をしながら顔だけ近づいて小言で話す
『ご明察、私は香苗であって香苗じゃないわ。
剣術に慣れている香苗って言ってもいいわよ』
「じゃ・・・誰ですか!」
間合いを取って再び剣同士叩き会う
『聖剣の中に居た人物と言ってもいいかもしれないわね』
「ま・・・まさか!シエラ様?!」
『ふふ・・・ご想像に任せるわ。でも、今は共通の名前セレネよ』
バンと、大きな音がしたと思ったらティニアの手から剣がなくなっていた
「参りました・・・」
『はぁ〜い、お疲れ様。次の人〜』
そう言って、75人の受験生達
シエラ曰く、30人だけ合格にした
もちろん、ティニアも合格していた
さて・・・次は・・・私の番か
実技の最後の種目、魔術である