表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/50

第2章09 ん〜なんか、先生になった気分(1)

結局、何もなくS+の魔術検定をもらい

浮かれ気分の私

「ふんふ〜ん」

あれから6日が経ち、ティニアはと言うと

「はぁ・・・明日かぁ」

そう、明日はティニアの試験日なのだ

あの後、私もなぜか試験場へ来るよう通達が在った

まぁ、話によると試験官になれという通知らしい

S+級の魔術師なんてめったにいない

この世界できっと両手にいるかどうかだろう


持っていた洗濯物をパンパンと伸ばし、物干し竿に干していく

ん〜朝は気持ちいい〜

「どうしたのさぁ〜ティニア。もしかして、緊張してるの?」

洗濯物を干し終わり、洗濯籠を持ってリビングに上がる

「そうですよ・・・はぁ、気が重い」

ぐったりとうな垂れる

「大丈夫よ、私の講義を聞いているんですもの。それに・・・」

「それに?」

「うぅん?なんでもない。ほら、最後のスパートがんばって!」

ポンポンと背中を後押しする私

「何事も、後悔先に立たず。全力を押し切って・・・あれ?

違うな」

「・・・出し切ってですか?」

ポンと、手を叩くと

「そうそう、出し切ってやって見なさい」

「あはは、何か母上様みたいなこと言うんですね」

「は・・・ははうぇ?!・・・」

驚いて声を上げてしまう私

「聞かなかったことにしてください」

「はぁ?!・・・」


結局その後も、私は書斎で本を読み漁っていた

ここに在る本も3分の2はもう読みきった

こんなにも勉強家だったのかなぁと思うほどである

もちろん、立場も正反対になってしまったティニアも

私によく聞きに来る

何だかんだと言って・・・


翌日


「もう、1週間経ったのね・・・なんだか、昨日のように思える」

「そうですね・・・あ、僕最初筆記ですので。ここで遊んでいてください」

そう、実は驚かすためティニアには言っていないのだ

試験監督官になる事を

「解った、がんばってね」

にこっと笑って手を振り見送る

その背中が見えなくなると

ふぅ

ため息をひとつ付いて、受付へ足を踏み入れた

「あの、セレネ・アキータですが」

「え?あっ!セレネ様ですか!お待ちしておりました!!」

そういうと、1枚の紙を渡される

「これは?」

「試験官用の服装になっていただきます。え〜と・・・失礼なんですが・・・」

「えぇ、いいですよ。ここに書けばいいんですか?」

「はい、ご記入お願いいたします」

そう言っている間に、手に持っていた物を見つつ

赤い1筋の光が文字を刻んで行く

「はい。これでお願いします」

ペンを渡そうとしていた受付の人

同時に紙を渡そうとする私

「え?あ?あれ??あ、はいこれで結構です。控え室は先ほどの用紙に書いて在ります」

「ふふ、サイズあるかなぁ?」

楽しそうにしながら、受付を後にした

私の背中を呆然と見ている受付嬢が居たことも気づかずに


「はぁ・・・緊張する」

大学教室の様な大きな場所

そこには、約60名の人が座っていた

「気を引き締めていかなきゃな」

一人の女性が入ってくる

試験官の服装でそして見た事のある黒い髪・・・

「セ・・・セレネ?!」


試験官用の服に着替えた私は、答案用紙を持ち

教室の中に入った

そして壇上の上に付くと

「ここは、魔術検定A−の試験会場です!間違えてきた方はすぐに

外に居る係員に行って正しい会場へ行ってください」

淡々と棒読みする私

「え〜と、自己紹介をします。S+級のセレネ・アキータです

特別に、このA−試験監督官として召還されました」

ざわざわと、驚きの声を上げる受験生たち

じっと、私を見る

「では、説明します・・・と、言っても知って居ると思いますので省きます

試験時間は、予定通り50マイナ(ここの世界でいう分に近い単位記号)

で行います。20マイナまで退出は出来ません。20マイナの後

終わった方はその場所に試験問題を右側に、解答用紙を左側に置き

退出してください、問題に付いての質問は出来ません

カンニング・・・不正行為が在った場合、その場で転移魔術により

退出していただきます。と、言いたいのですが、あえて言いません」

会場がざわつく

「次の実技で、私の相手になってもらいます。そのときは、死を覚悟してください。もちろん、勝てる相手ではない事は判っているでしょうから、

勝てば、合格させてあげます。でも負ければ受験資格を剥奪します

そういう勇気が在れば、挑んでもかまいませんが・・・

無謀なことは、しないほうが身のためですよ。

以上です、質問は?・・・・では、始めてください」


(うそだろ・・・なんで、セレネが?!試験監督官?!)

問題を読みながら、そんな事を思っていると

問題用紙にスゥと青い光が文字を書いた

『ティニア、ガンバ』

ふっと笑うそして、顔を上げると

セレネがこっちを見て小さくうなずいた

(はぁ・・・やるっきゃないか)


「はい!終了!!そのまま退室して結構よ!」

そういうと、受験生たちは全員退室した

私は、そぅと手を上げると部屋の中で強い風が起きた

助教で来ていた人達が目を隠す

風がやんだ頃には、私の手に答案用紙と問題用紙を握っていた

「はい、これよろしくね」

そう言って、助教に渡して部屋を後にした

もう、昼食の時間

実技は午後からになった

「あ、ティニア〜」

試験監督官用の服装でティニアを呼ぶ

その服は、黒くところどころに銀の装飾が施して在った

ティニアは、パスタの様なものを食していた

「セレネ・・・なんで・・・」

「まぁまぁ。深い事情がないわけでもない・・・うぅん・・・

頼まれたから断れなかったのよねぇ」

「ですが!何で私に一言言ってくださらなかったんですか!」

「まぁ、驚かそうと思って」

テヘと笑う私

にらみつけるティニア

あはは・・・

冷や汗物だ・・・

「驚きましたよ。そりゃ・・・でも。おかげで・・・」

「ん?おかげで?」

「何でも在りません!実技なんて出来るのですか?

あれ以来、稽古つけていないでしょ」

「うぅん・・・大丈夫だと思うよ。うん」

「どうなんでしょう・・・お手並み拝見としたいですが・・・

不正行為したもの居たんですか?」

「居た居た!3名居たよv やる気満々だったけどね」

「大丈夫なんですか?!本当に!!」

「うん。たぶんね」

(だ・・・大丈夫だよね??任しちゃっていいよね)

――全く問題ありませんわ

(あはは・・・よろしく)


その後、食事を済ませ試験の時間になった


そのときは、もう香苗ではなくシエラになっていたのは

言うまでもない・・・


special thanks

yuu 様

akane 様

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ