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第2章07 はぁ・・・私・・・呪われたのかな・・・

地球に帰る事ができない、出来たとしても数百年も後の事

でも、めげない・・・負けない!絶対に

そう決めたんだもん



武器屋から出た私の腰には先ほどのシエラの事、神聖なる剣『シルフィード』が帯びていた

彼女、シエラ曰く「私か付けた名前じゃないから勝手に言ってればいいのよ」と言っている

まぁ確かに勝手に付けた名前だから勝手に言わせて置けばいい話だろうけど

歩いている途中で、シエラの経歴を聞いた

西暦1980年の九州にある種子島から召還され

世界が生み出した魔王を永眠させ、世界の魔力の器を大きくし

そして、ある程度補強をした後地球へ帰ったらしい

もしものために、この剣に思念を植え付け

何も知らない召還者(光の民)に対して、道しるべを与えるべく残したらしいが

イレギュラーである私が、以外だったらしく・・・元々の予定が狂ったらしい

そんな事私に言っても知らないよ、と人事のように言う

そんなやり取りをしているとティニアの足が止まった

「ここです。僕の唯一おいしいと思うお店です」

ボケーと歩いていた私が見上げると

木造の建物で、西部劇に出てくる飲食店のように思えた

まさか・・・中から出てこないよね・・・カウボーイハットのお兄ちゃんが

そんな事を思っていると中から出てきたのは・・・

防具を付けたただの兄ちゃんだった

予想が外れてちょっと苦笑する私

中に入るのは私とティニア、フェンリルは入った後人間に化けて1人で食べるらしい

「らっしゃぃ!お!ティニアじゃねえか!」

「おやっさん、元気にしてるみたいだね」

「おう!おかげさまでな!まぁ、入ってくんな!ミリア!客だ!」

遠くから、かわいい声で”はぁぃ”と聞こえると

エプロン姿の女性が走ってくる

緑色の髪に髪留めを付けて丸く纏め上げている女性は

少し耳がとがっているのかなと思う。もしかして

エルフとか言う分類なのかな?と思ってしまった

「お客様2名さまです・・・かぁ?!ティニアじゃないの??」

最初私を見た後に、後ろにいたティニアを見つけると驚いた声を上げた

「や・・・やぁ、ミリア元気?」

すごい消極的になり、なおかつ私を盾にしている・・・

なに?何?

服をつかみ見られないように隠れるが、伸長差と体格でばればれ

「なに?私を差し置いて、その子と、デートでもしてるの?」

「ちょっと、服伸びちゃう・・・って?はぁ?」

いきなり言われる、彼女疑惑・・・

ティ・・・ティニア!伸びる!早く何とかして!

「ち・・・違うって、この子は、お客様。ね、今この街を案内してるの」

「ふぅ〜ん・・・」

そして、私のほうを見る・・・

しかし、先ほどの嫌悪のオーラがだんだんと収まってきた

「何か、あなたを見てると・・・まぁいいわ。今回はお客様だし

どうぞ、こちらです」

そうして、案内された丸いテーブルに椅子

なんか、こういうのって映画で良くあるこれを盾にして

銃撃戦とかあるんだよね〜

と昔懐かしむ私

ダーティーハ○ーとか、そういう映画に良く出てきたよね・・・

突然、ドアが・・・

バンッと、リアルで扉が開いた

「おぃ、ジジィ!貰うもんもらいに来たぞ」

良く言うヤクザチックな、チンピラが約6名入ってきた・・・

いや、7名・・・

「お前らにやる金はねぇ!帰ってくれ!」

おやっさんは、テーブル越しに言うと

「あぁ?何だって?聞こえねぇーなぁ」

近くに在った椅子を蹴り飛ばし壊した

私・・・こういうの許せないんだよね・・・

ガッと立ち上がる・・・

しかし、ティニアは私の腕をつかんで首を横に振る

(だめだ!今は・・・)

(で・・・でも!)

悔しがる私

派手に壊し回る男

やだ・・・こんなの・・・絶対に!!

――私が、お手伝いしてあげます。

え?

「あっ!」

突然、私の体が硬直し体がプルプル震える、そのまま瞼がすぅと閉じた

そうして、あけた時瞳の色は銀色になっていた

ティニアの腕を振り解き

暴れていた男の前に立ち、そのまま鞘の入った剣をしたから振り上げた

空気が切れる音

男の喉下で寸止めされる

動きが止まる男

「な・・・何だ貴様・・・」

『誰でもいいだろう・・・店の中で暴れるのは止せ』

声と、表情は、香苗の物ではなかった

香苗の声に似つかない低い声

そして、触ったら切れてしまう刃物のような表情

「や・・・やんのか?あぁ?」

その表情と空気で脅えてしまう男

ふっと鼻で笑い

『もう?負け犬の遠吠えか?笑わしてくれる・・・』

男の目の前で先ほどの女性の姿が消えた

香苗は、その場で勢い良く回転し体重を乗せた回し蹴りで男を突き飛ばした

サンドバッグを殴るような鈍い音

スローモーションのように『く』の字で宙に舞う男

そして、空中で繰り広げた香苗の足と男の背中が落ちるのは同時だった

膝を付いていた香苗は、そのまま立ち上がり

『まだやるのか?今度は、手加減はしない・・・死を覚悟するなら・・・』

目を細め、そして、一気に殺気を放つ

『来なさい・・・』

後ろのほうでバタバタと失神する人達

「か・・・適う相手じゃない!」

「やばいって!・・・こんなのいるなんて、聞いてねぇぞ!」

そんなこと言いながら、這い蹲り逃げていく

『ふぅ・・・』

そして、振り返ると3人ほど失神して店員が介護していた

私は、近寄ると

「ヒッ」と、恐れた表情の顔をあげる女性店員

『大丈夫、怖くないから。ね』

と、女神のような笑みと心温まる雰囲気をこの店全体に漂わせた

心の中で、唱えた心の治療呪文、恐怖や不安を取り除く聖霊魔法

香苗は知らないシエラだけが知っている物だった

失神していた人達は、知らない間に意識が戻っていた

『ごめんね、あまり暴れさせないよう努力したんだけど』

周りを見ると、男がいたところだけぼろぼろに壊され散らかっていた

ふぅ・・・と、ため息を付いてしまう

(あの・・・勝手に体を動かして・・・何も説明なしですか?)

この体の本人がこの体を使っている誰か・・・シエラだと思うけど

問いかけた

――あら、ごめんなさい。手っ取り早く終わらせようと思って

  少し、体借りたわ。すぐ返すからちょっと待ってね

(はぁ・・・)

『後は任せたわ、ティニア殿下』

ティニアの傍で、呟く

え?と驚く

『ちょっと、支えて。なれてないから・・・きっと倒れるわ』

「ど・・・うあ」

いきなり力が、抜け落ち抱きかかえられるようになる私の体

そして、体に力が入る

「はぁ・・・やっと戻った」

「やっとって?え?」

何がなんだか判らないティニア

しょうがないだろぅ・・・どう話せって言うんだいぃ!

とりあえず、ティニアに任せて

私は、片付けを手伝った

終わった頃には3時を過ぎていた

ご飯も奢りと言う事でいただいたが

正直言って・・・ウマすぎです!

どこかの豪華レストラン並みにおいしいですって!

驚きのあまり食べ過ぎそうになる私をティニアが止めに入り

ちょっと名残惜しい事をしたなぁと後悔していた


でも・・・勝手に動かす事の出来るシエラ・・・

呪われた剣を持ってしまった勇者って感じが

判る気がする香苗だった・・・




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