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プロローグ
ほのぼのSFを目指して。
僕は毎日一度,2つの星がある方を見る。
一つは後ろにある青い星。出発した頃からの習慣だけど,今では小さな点にしか見えない。
もう一つは,前にある今だに見えない星。白く輝く恒星のまわりを回る,とある惑星だ。まだ遠すぎて,どんな姿かはわからない。
はじめの頃はもっと大勢で観察をしていたけれど,今では僕一人だ。
青い星の名前は,地球。僕らの故郷。
今だに見えない星の名前は,セラフ。僕らの目的地。
ここは第12次恒星間移民船アリーナ。
200年かかる旅の途中,乗組員は全員冷凍睡眠中で眠っている。
そして僕は,移民船に搭載された人工知能。
名前をナツという。