最後のド根性
「うおおおおおお!負けてたまるかァアアアア!!」
吹きすさぶ嵐の中、彼は叫んだ。
「!!?おい、無茶するなよ!」
「あァ!?今無茶しないで一体いつやるんだよ!?」
「しかしよ。お前さんのそんな小さな身体では・・無理があるぜ。」
「だがッ!ここでふんばらねえと!あの子がッ!!」
必死で食らいつく小さな相棒に、男はふっと微笑む。
「後の事はこの俺にまかせとけ。」
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「具合はもういいの?」「ええ!もうすっかり。」
心配そうにたずねるスーにジョンジーは明るい声で答えた。・・しかし、その次の瞬間に彼女は目を伏せてこう、つぶやいた。
その声のトーンは下がっていた。
「・・ベアマンさんのおかげでね。」
「・・・・・・。」それを聞いたとたん、スーも黙ってうつむいてしまった。
あれから2日が経っていた。
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2日前。
激しい雨風に打たれながらも、自身の最高にして、最期の傑作を描き終えた『老画家・ベアマン』氏は、"世界で一番小さな相棒"と共に満足げな表情で地面に横たわっていた。
完




