表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/27

草原

冒険の始まり

「目が覚めたら草原の上に居ました、はい。そんな夢を見た記憶が皆にもあるでしょう?」


そんな訳も分からない一人言を呟いてみる。


「うーん?」


風が頬を撫でるように吹いていく。

草葉の……いや、森の匂いも鼻腔をくすぐる。


「それに……」


トントン──。

と、足を地面に叩いてみると確かな感触が返ってくる。


「うーん……これはマーベラス!」


突っ込む人も居ないので、悲しいかな、これではダダ滑りだろう。


「これは夢……じゃなさそうだな」


そう、ポツンと草原の上に1人──僕が居た。


遠くには鬱蒼と生い茂る森林が見える。

反対側の方にはどこまでも遠くまで見える草原──と、あれ?


「街?」


何かポツンと見えるような気がする。


「あれは街なのかな……?」


そんな疑問を思うとピコン! っと、音は出てはいないがまるでそんな風に景色にこれと無く……そう強調しない位で存在感を出すように街を指し示すように何かが現れた。


「いや、現れたっと言うよりはゲームか? こういうの何て言うんだっけ……えーと、えーと?」


ガイダンス? 旅のお役立ち情報? ヒント? なんか、そういうのだ。

VRの進んだ仮想ゲームだとお馴染みのあれだ。

っと、いうとこれはゲームか?


「んな、はずはないよなぁ……。どう見てもリアル過ぎる」


いくら進んだとはいえ、五感をくすぐるようなシステムは、そんな味わいのある仕上がりは遠ぶん先だとゲーム情報紙にも書かれていたしな。


「なら、リアルか」


でも、はてさて、そうなるとこのヒント? みたいなテキスチャはなんだ?


「冒険者の街ルソーレ──か」


そう、テキスチャには出ている。

もう少し詳細を……と思うと人口やら、施設やらのより詳細な情報が羅列されていく。


「へぇ……これは便利だっ……て、ギルドとかあるのか! って、これゲームなのか? そうなると……ステータスオープン!」


──。


──。


ん? 何も出てこない?

んー?

自分の事を知りたいんだけれどもなぁ……。


「お?」


そう思ったら自分のステータスが出てきた。


天神アマガミ マコト

年齢 8

レベル 1

extraskill 全知全能Lv1

skill 無し


「へぇー……」


とりあえず、意味もない声が出る。

まぁ、人間のさがだ。


「ん? 体力とかは? 無いのか? ゲームの定番じゃ?」


体力 10

魔力 10


おお、これこれ──こういうの……って、低くないか?

いや、一般的な数値が分からないから何とも言えないが。


「それに年齢が8才? いや、僕……いや、俺の年齢は──? あれ? 幾つだ?」


なんだか、ごっそり記憶が抜け落ちたような感じだ。

いや、記憶はあるのだけれども、ある特定の記憶がごっそり抜け落ちたような……。


「……うーん、いや無理だ。出てこない──それになんだ? 全知全能? 全知全能……って、あれ? どっかで聞いたような……あれー? どこだったか……」


首を捻っても閃く訳でないが、これも仕方ない。

人間のさがだ。


──あぁ! いや、思い出した。


「夢の中でだ! って、いや待て待て……、今の現状を見るにあれは……夢じゃなかった?」


そう、気付くと途端に冷静に……いや、ゾワッと背中に冷や汗が浮かんでくる。


「あれ? って、事はここはなんだ? え? いやいや、まさかまさか……まだゲーム内っていう方が……いや、ん? 種族?」


種族──半神

※受肉し地上へ降りた神、その魂は死期は神界へと戻る


「へぇー……半神か、半神……? 誰が? って、まっさかー?」


いや、自分ですわ。

まごう事なき自分ですわ。


とりあえず、2度見しても変わらなかった。


落ち着いてきたら、色々と突っ込みどころが満載なステータスだった。


年齢は8歳と出ていて、そして改めて自身を確認してみたら──うん、ショタですわ。

まごう事なき……男の子ですわ。


なんだか、服も最低限着ていた。

どのくらいの品質なのか疑問に思ったら平民で一般的な品質とテキスチャがご提案に出てきた。


「へぇー……一般的ねぇ。 んー、やっぱりこれあれだよね? 全知全能さんかな?」


extraskill 全知全能Lv1

※すべてのことを知り尽くし、行える完全無欠のスキル。

※尚、スキルレベルによりその範囲は広がります。

※尚、魔力量により行使できてる能力が限られます。


「ははーん……これは最強ということか。 ん? 魔力量?」


……10。


おぅ……ジーザス!

いや、自分が神ですわ……。


「10って、何も出来なくないか? いや、待て……それにスキルレベル1って、どこまで分かるんだ?」


スキルレベル1

※自分の目で見える範囲


あぁ……なるほど。

なるほどねぇ……。

後はそこから意識してみると詳細が分かると。


「なるほ……あれ……」


クラっとして、たたらを踏んでしまう。


「何が……」


そう思ってしまうと魔力の数値部分が強調される。


「1/10……? あ? 魔力切──」


────。


少しだけ意識が飛んでたみたいだ。

もしかすると、いや……もしかしなくてもだ。

全知全能を常に使っているから……魔力が消費されている?


体力 11

魔力 11


「あれ? 増えてる?」


※生きてくほど、使うほど増えていきます。


「へぇー……って、全知全能さん?! 優秀じゃありません?!」


そんなことを思っていると、また魔力部分が強調されて魔力が消費されているのを伝えようとしてるかのように表示される。


「って、こんな草原で倒れるのはまずい……!」


遠くには冒険者の街ルソーレが見える。

8歳の身体でどこまで行けるかは分からないが自分は……僕は気付いたら駆け出していた。

※応援頂けましたら励みになりますペコッ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ