番外編:○○と○○シリーズ④
優維と凜が鬼ごっこしてる間、皆は何してたっていう話です。セージとロジーの会話は、優維が寝てからの会話ですね。
ロジーとセージ
「お母さん、何作ってるの?」
「ん~?あんたと優維の新しい羽織だよ」
「わ~い!でも大きくない?」
「あんたはすぐ大きくなるからね。心配ないさ、着ればちょうどいいサイズになる魔法はかけてあるからね」
「お~、魔法はシューマさんがかけてくれたの?」
「そうさ、いつもより強めにね」
「・・・ユイ姉、守ってくれる?」
「そうさね~、そう言う願いも呪い(まじない)も込めてあるよ。セージも一緒にやるかい?」
「っうん!」
二人分の願いを込めた羽織、どうか優維を守っておくれ。
スルク先生とヒミ
「スルク先生」
「あら、ヒミ。今日は優維ちゃんのとこじゃないの?」
「ん、今日はお休み」
「そうね~、お休みは大事ね~。優維ちゃんの調子はどう?」
「ん!上々(グッ)」
「身体のほうも問題なさそう?」
「・・・ん」
「何かあった?」
「魔法、暴発。でも、怪我、ない」
「そう」
「・・・ちょっと、怖かった」
「・・・そっか~、おいで」
「ん」
ヒミをふわりと抱きしめる。
失うのが怖いってくらい大事なお友達になったのね、嬉しいわ~。
二人とも危険なことはしないでほしいけど、そうも言ってられないのよね~、もどかしいわ~。
ヒミとスルク先生
「落ち着いたかしら?」
「ん、ありがと」
「どういたしまして」
「・・・スルク先生、も一個、相談」
「あら、何かしら~?」
「逃げ姫、分からない」
「称号の効果が何も分からないってこと?」
「ううん、仮説、当たり。でも、まだ、不明、多い」
「う~ん、それは仕方ないんじゃないかしら~?姫や王がつく称号自体希少だし、未だに分かってないことの方が多いのよ~」
「そう、なの?お師匠、も?」
「そうね~。師匠の称号もあれが全てだったとは思えないし、今でも謎ばかりよ~」
「む~ん・・・」
「・・・ふふっでも、その方が楽しいでしょ?」
「ん、楽しい」
未知のこと、知らないこと、調べること、知ること、全部、楽しい。
でも、大事な、友達、怪我、してほしくない。
スルク先生、も、大事な、師匠?・・・なんか、違う。
分からない、から、知りたい、今後、要検証。
カルヴァロとクロ
「火熊ァ!」
「クロ、もうちょっと強くできる?」
「わかったぁ!ぬおおお、火熊ァ!!」
「・・・あ・・・」
「うおっと!」
「大丈夫!?」
「ふう・・・大丈夫だ。何か分かったか?」
「うん、さっきちょっとだけ封印の結界にヒビが入ったよ。ただすぐに塞がっちゃった」
「そうか・・・」
「残念がらないで。クロ、これは進歩だよ」
「どういうことだ?」
「前は、攻撃しても傷一つつかなかったんだよ。なのに今はヒビが入った。これは封印の結界が以前より脆くなっている、もしくはボクらの力が強くなったかのどちらか、またはその両方か」
「・・・つまり、このまま続けてれば結界を壊せる?」
「その可能性はあるけど、その前にクロが倒れちゃうよ。ぜーったい、ダメだからね!」
「お、おう、すまん」
「もう、すぐ無茶しようとする。リーもクロもそういうとこ似てるよね」
「しないから、大丈夫だって」
「はぁ・・・」
どうしてボクの周りは、皆無茶しようとするんだろ?
まあ、ボクも似たようなものか。でも、それだけ必死なんだよ。もうちょっとだけ待っててね、王様。
クロとカルヴァロ
「ふむ、もう1回やってみるか?」
「いや、今日はもうやめよう。クロも疲れたでしょ?」
「まあ、少しな」
「じゃあ今日は帰ろ」
「おう」
「・・・今までは優維ちゃんが結界の要を壊すことでしか、無理だと思ってた。でも今回のことで考えが変わったよ」
「ほう」
「優維ちゃんが少しでも結界を揺らがせたり、要をずらすことができれば外から壊せる可能性がある」
「おう、結界が揺らいだところで、オレが最大級にかませばいいんだな」
「うん」
「その方が優維の負担も減るしな」
「そうだね~。優維ちゃんはやる気だけど、元はボクたちの問題だしね」
「おう」
あの子に頼りっきりなのは、オレがオレを許せない。オレは今の優維の父親だからな!