友達ん家にあーそーぼーって声かけたことって実際あまりない
今日は散歩がてらリコちゃんのところに行くことになりました!
え、まだ今日なのかって?何のことかな?ワタシワカリマセン。
といっても特に約束したわけではないので、まずはリコちゃんの家に行ってみることにする。
「「いってきまーす!」」
「いってらっしゃい」
セージ君と二人でゆっくり歩く。
なんかこういうまったりした時間は、久しぶりな気がした。
「「リコちゃーん、あーそーぼー!」」
「おはようございやす。朝から元気でやすね」
「ショーマさん、おはようございます」
「おはようございます!リコちゃんいますか?」
「リコなら「朝っぱらから叫ばないでよ!近所迷惑でしょ!」いやすぜ」
小さい子が友達の家に遊びに来たときにやりたいことランキング2位をしたら、リコちゃんに怒られた。だってやってみたかったんだもん。
因みに1位は「○○、野球しようぜ」です。
「リコちゃんも十分うるさいよ」
「うっさい!朝っぱら訪ねてくる方がおかしいのよ」
「でも、もう9時だよ?」
「お店が開き始める時間は、朝っぱらでいいのよ」
なんかこういうやりとりも久しぶりな気がする。
和むな~。
「で、何の用よ?」
「あ、リコちゃん、あーそぼ?」
「・・・今はちょっと忙しいのよ」
「「えー」」
「リコ、遊んできたらどうでさぁ?」
「パパ!?」
「最近、家にこもって本ばかりでやしょう?たまには外に出ないとダメでさあ」
「う・・・」
「「リコちゃん・・・」」
お、まさかのシューマさんからの援護射撃。もう一押し!
くらえ、セージ君との「遊んでくれないの?」攻撃!
「・・・わかったわよ。だから二人とも、その顔やめて」
渋々と言った感じで了承してくれた。
ふふん、勝った。
「二人ともお昼はあるんでさぁ?」
「はい、ロジーさんにお弁当作ってもらいました」
セージ君とほら、とお弁当袋を見せる。
今日は天気がいいから外で食べてもいいんじゃないかって、ロジーさんが持たせてくれたのだ。ホットサンドと少しとろみのついた野菜スープだ。因みにスープは保温魔法がかかった水筒に入っている。この世界にもスープジャーみたいなのがあることが驚きだ。
「ほう、じゃあリコもお弁当持っていきやすか?」
「え、でも時間かかるんじゃ・・・?」
「10分あればできらぁな。その間ちょっと店番、頼みまさぁ」
「ちょっパパ!?」
「いっちゃったね~」
行動が早いな~。
シューマさんが少し嬉しそうだったのは気のせいだろうか。
「もう、パパったら。ごめんね、もうちょっと待っててくれる?」
「いいよー、今日は1日フリーだから」
「今日はってことは、今まで忙しかったの?」
「魔法を使った鬼ごっこしてた」
「は?」
リコちゃんに今までやってた鬼ごっこのことを説明した。
なんか呆れたような、同情のような視線を向けられた。
「それ、魔法の修行じゃないの?」
「だよね~」
「それはぼくも思ってた。しかもかなり突貫だよね」
「そうなの!?」
「いや、いきなり実践形式って普通しないわよ」
凜さんがさも当然のように言ってるから、最初からこんなもんだと思ってた!
クロさんもやったことあるって言ってたから、普通だと思ってた!
あの二人の基準がおかしいだけだった!
「・・・・・・あんた、また危険なことしようとしてるんじゃないでしょうね?」
「うぇ!?そ、そんなことないよ!」
「・・・セージ君?」
「うーん、ぼくも詳細は知らないよ」
「セージ君!?」
その回答は肯定してるのと同じだよ!?
私がしゃべらないと思ったのか、リコちゃんはセージ君に話を振った。
う~、リコちゃんからの視線が痛い。でも、絶対心配されるからしゃべりたくない。
「あんたね「リコ、できやしたぜ」・・・パパ、タイミング・・・」
「・・・?」
「ほ、ほら!お弁当もできたし、お散歩行こ!お散歩!いってきまーす!」
「お、おう。いってらっしゃい」
「ちょっとぉ!あ、お弁当ありがとう、いってきます!」
た、助かった。
シューマさんが不思議そうな顔してたけど、無視して外に出た。リコちゃんもその後をついて出てきた。
「誘ったくせにいきなり出て行かないでよ!」
「ごめんごめん」
「もう!」
「まあまあ。今日はゆっくりお散歩するだけだから、時間はいっぱいあるよ?」
「・・・そうね」
セージ君がなんか含みのある言い方をしたけど、今は気にしない!
久々のゆっくりお散歩楽しむぞー!
最初メタイこと言ってますが、気にしないでください。今後もたまに言うかもしれません。