番外編:○○と○○シリーズ③
凜と優維
「てへぺろ」
「うーん、まだ可愛い」
「てへぺりんこ!」
「あ、熊のままだとそれも可愛いです」
「人間の姿だと?」
「・・・・・・・なんかイラッとする!不思議だ!」
「じゃあ今度やってあげるね」
「なんで!?」
反応よくて面白いな~。絶対やってやろう、怒られるのイヤだけど。
ココロと優維
「ココ爺、おはようございます!」
「ホッホ、おはよう。朝から元気じゃのう」
「今日はお願いがあって来ました」
「なんじゃ?」
「この木がサクラの木だって聞いたので、春になったらここでお花見していいですか?」
「ホウホウ、ええぞ。わしもいいかの?」
「もちろんです!あと、私の家族と友達も誘おうと思ってます」
「ヴォッヴォッええのう、ええのう。楽しみじゃのう」
「はい!あ、許可ありがとうございます!」
「ホッホッホッ!」
花見なんぞ何年ぶりかの。やはり日本人はイベント好きのようじゃ。
リーンヴォックと子供3人組
「ほれ、焼き芋。熱いから気をつけろ」
「わーありがとうございます!」
「ぼく達もいいんですか?」
「いいに決まっている」
「「リーンヴォックさん(リーのおじさん)、ありがとう!」」
「む。また今度、飯屋に連れて行ってやる」
「あ~、お構いなく」
「己が構う」
「う~ん。あ、じゃあ今度お花見やるので、その時にお弁当いっぱい持ってきてください!」
「いいぞ」
「やったー!」
「リーのおじさん、何かやったの?」
「あー、うん、ちょっとね・・・」
「ふ~ん、リーのおじさんデリカシーなさそうだもんね」
「む、手厳しい」
花見弁当か、行きつけの店に頼んでみるか。クロには酒でも買ってってやろう。
肉屋の店主とクロ
「おう、親父」
「おう、クロ。今日は何を獲ってきた?」
「これだ」
「おお!これは立派な魔猪だな」
「明後日から狩りはちょっと休むからな」
「・・・ふむ、何か大事なことをするんだな」
「・・・おう」
「何も聞かんよ。頭と肉半分くれたら、もう半分は無料でベーコンとかハムにしてやるよ」
「助かる」
「な~に、お前の肉は質がいいって評判なんだ。これくらいお安いご用だ」
「ありがとう。あ、夕飯の分は今もらってもいいか?」
「あいよ!」
昔はボロボロで焦げた肉しか持ってこなかったくせに、今じゃうちの看板商品だ。これからも、うちに持ってきてほしいもんだ。
シューマとロジー
「お邪魔するよ、シューマ」
「いらっしゃい、ロジーの姐御。今日は何をお求めで?」
「破れにくい布はあるかい?」
「・・・普通の服の布も破れにくくはなってやすけど、それ以上のものをお求めで?」
「ええ。強く擦ったりしてもほつれなくて、火がつきにくいものをね」
「・・・そうなると布は難しいでさぁ。魔獣の素材ならそれに相応するものはありやすが、結構重さもああって、質感もよくないでさぁ」
「布に呪、書けるだろ?」
「・・・・・・今はやっておりゃあせん」
「・・・そうかい、できないなら仕方ないね。邪魔したね」
「待ちなせえ、できないとは言っておりゃあせんぜ?」
「そう言ってくれると思ってたよ。じゃあ、よろしくね」
「・・・は~わかりやした。クロの旦那へですかい?」
「いんや、今回は子供達へだよ」
「あ~、魔法の練習中ですかい?」
「そうさね~。ま、他にもあるけどあるに越したことはないだろ?」
「?・・・そうでさぁ、いつ頃までに納品で?」
「最低でも三日後、難しいかねぇ?」
「・・・あっしを舐めちゃいけやせんぜ。明日の午後、また来てくだせえ」
「さすがだね」
あっしの技術、舐めてもらっちゃ困りまさぁ。久々に腕がならぁな!
リコとスルク先生
「スルク先生、アタシに手当の仕方を教えてください」
「あら~、いいけど急にどうしたの?」
「アタシ、スルク先生みたいに皆の怪我を治したい」
「そうなのね~、じゃあまずはこの本を読んでみて。読んだらまた来てね~」
「医学書?」
「そんな感じね~」
「わかりました」
「・・・あの子、よく怪我するもんね~」
「ホント危なっかしいたらないわ!ってユイは関係ないわよ!?」
「あらあら、私は優維ちゃんだなんて一言も言ってないわよ~?」
「~~っ!!本、ありがとうございました!」
「うふふ、またね~」
べっ別にユイのためじゃないし!自分で怪我治せたらいいなって思っただけだし!
シューマは雑貨屋を営んでいますが、主に魔法加工専門です。袋やリュックに空間魔法と重力魔法とかかけてます。
因みに獣人族の服には身体の大きさが変わっても、それに合わせて伸び縮みする魔法がかかっています。形態変化だけでは、ビリビリイヤーンな展開にはならないのであしからず。