表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/129

さすがに威力はセーブしてるよ!



 バシャアッ!



「うへー」

「そこまで!」

「う~ん、集中力切れてきたかな?ちょっと休憩しよう」



 あれから何回か鬼ごっこ(仮)をやっていたけど、なかなか目標の5分を達成できていない。おかげで全身びしょ濡れだ。

 小学生が投げるボールくらいの速度ならよけられるけど、それより速かったり、持続的なものは結界で防ぐようにしている。でも、その前に当たってしまうことが多い。ようは結界を張る前に当たってしまっているんだ。

 凜さんも凜さんで、単発の玉だったり、ホースで水を出しているみたいなのを変則的に使ってくる。1回1回パターンやリズムが違うから、瞬時に判断するのが難しい。




「”ドライ”」

「ありがとう、セージ君」

「どういたしまして。はい、タオルと飲み物」



 セージ君は今は、タイムキーパー兼マネージャーのような役割だ。

 最初から2人がかりでは厳しいだろうという凜さんの判断だ。いずれは鬼が二人になるのか、うへー。


 今は魔法で服を乾かしてもらっている。あとは身体や髪を拭く用のタオルと、飲み物もくれた。できるマネージャーだ。



「もうちょっと休んでて。今日は、あと1回やったら終わりにしよう」

「はーい」



 休んだあとに、また鬼ごっこ(仮)開始。

 水の玉よけて、放射型は結界で防ぐ。玉は速くなったり遅くなったりで、かなり必死だ。


 え、結果?完敗だよ。

 



 ――――――――――――――――


   


「「「ただいま」」」

「おかえり、夕飯できてるから手を洗ってきな」

「「「はーい」」」



 家に帰ったら手洗い、うがいは必須!

 一番簡単なことだけど、風邪予防には効果的なので皆さんもやりましょう!

 誰に向けて言ってるんだろうね?まあ、いいや。



「おう、おかえり」

「「「ただいま」」」

「今日は演習場に行ったんだって?」

「うん、凜さんと魔法の特訓しにいったんだ」

「特訓?」

「魔法使用可の鬼ごっこだよ」

「ああ~、オレも昔やったな~」

「え、クロさんもやってたんですか?」

「おう、魔法の訓練と同時に体力もつくからな。まあ、オレたちは遊び感覚でやってたがな。最終的にリーさんとオレが本気になるから、王とカロさんが大変そうだったな!」



 ウッハッハっと豪快に笑いながら話すクロさん。

 クロさんは純粋に楽しいからって感じだけど、リーンヴォックさんは遊びでもずっと本気でやってそう。うん、容易に想像できる。

 あれ?鬼ごっこってこんなド派手なものだったっけ?



「ちょっと~、楔梛をいじめてたんじゃないでしょうね~?」

「そ、そんなことは断じてしてません!」

「ほんと~?」

「精霊に誓って!」

「ならいいや。楔梛と仲良くしてくれてありがとうね」

「いいえ、こちらこそありがとうございます。王には、よくしてもらいましたから」



 凜さんは親のような優しい顔で、クロさんは悪戯っ子のようにニカッと笑った。



「さあ、ご飯だよ」

「おう」

「ありがとう」

「やった、今日はお肉のシチューだ!」

「大きい魔猪(まいの)が捕れたからな」

「「「いただきます!」」」



 シチューなのにお肉がでかい!ゴロゴロだ!

 ブラウンシチューの中にお肉が浮かんでいる感じではなく、お肉にシチューがかかってる感じだ。それくらいお肉がでかい。

 これはパンが止まらないやつ!



「シチューばかりじゃなく、野菜もちゃんと食べな」

「「「はーい」」」



 シチューの中にも野菜が入っているが、他に生野菜のサラダも用意されている。内容はキャベツとマメ、タマネギ、ニンジンだ。ドレッシングは塩とハーブとごま油、シンプルながら野菜の味が引き立ちおいしい。






「「「「ごちそうさまでした」」」」

「お粗末様でした」

「ロジーさんの作るご飯はどれもおいしいね。お城のシェフにも匹敵するくらいだよ」

「そりゃ~褒めすぎさね。でも、ありがとね」



 あ、珍しくロジーさんが照れてる。

 それくらいおいしいから仕方ないね!



「明日も演習場か?」

「う、そう、です」

「ん?なんか行き詰まってんのか?」

「よくわかんないけど、魔力のコントロールが上手くいってない気がして」

「まだ1日目だから、しょうがないよ」

「うーん・・・」

「・・・ふむ、優維は称号のこともあるしな~。あ、クロちょっと相談」

「なんですか?」



 なんか鬼ごっこしてるときに魔法使ったときと、普段魔法を使うときの感覚が違うっていうか、ムラがあるっていうか。

 うーん、わからん!

  

 因みに、小学校低学年の平均球速が40~60キロくらいだそうです。それくらいのイメージですが、目の前に迫ってくる玉ってそれ以上の速度に見えますよね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ