表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/129

斯く斯く云々って便利な言葉だね

 開けましたおめでとうございます。

 今年も不定期ですが、ぼちぼち書いていこうと思います。

 話の進行は亀ペースですが、今年もよろしくお願いいたします。



 話したらすっきりしたな~。まだ話してないことはあるけど。

 もう、この際話してしまおうか?



「あの、まだ話してないことがあるんで、あるんだ」

「ふむ、ギリギリセーフだな。で、なんだ?」

「うん、夢の中で私をここに呼んだ張本人にあったっていいまし、いったよね」

「おう、オレ達が知っている人なのか?」

「初代王妃、凛さんでした」

「「「………はあああぁぁああ(ガウウゥウウン)?!」」」



 うん、まあ滅茶苦茶驚くよね。もう死んでる人だし、この人達にとっては伝説的な人だろうし。

 凛さんと話したことを、私の称号も含め、全部話した。

 隠し事は苦手だし、知っててもらった方が気持ち的にも楽だしね。


 かくかくしかじか、しかくいしか。



「———————ということでした」

「はああ~。不思議なこともあるもんだね~」

「ちょっと待て、オレはまだ頭の整理ができてない」

「ボクも~」



 ロジーさんは案外すんなり。

 クロさんとセージ君は頭を抱えてしまった。この二人の反応が普通だと思う。ロジーさんの理解力が異常だと思うんだ。



「そんなことはないさ。ただ、優維は嘘をつくのが下手くそだから、これが嘘じゃないことくらいわかるさ」

「それはオレ達もわかっているが、凛様のインパクトが強すぎて………」

「しっかりしなさいな」

「「ガウゥゥ」」



 ロジーさん強い!いろんな意味で!



「………ヨシ!もう大丈夫だ。それで、優維ちゃんはどうしたい?」

「私は、助けたいと思ってま、思ってる」

「よし!じゃあ、明日長とかにも相談しないとな」

「ボクも一緒に行ける?」

「相談には参加できるが、実際に行くのは難しいだろうな」

「グルルゥ」



 話はまとまった。

 でも、なんか歯になんか挟まってる感じのすっきりしない感じがあるな。



「ん?まだ、なんか心配事でもあるか?」

「え?いや、凛さんも回りくどいことをするな~って」

「そりゃあ、もう精霊になっている人だし………あれ?」

「そう、いくら結界の中に入れないからといっても、仮にも上位精霊なら助言なり何なりできるよね。でも、今までそんなことはなかったんだよね?」

「おう、まず上位精霊になっているってこと自体初耳だしな」



 そうなんだ。今まで全く干渉してこなかったのだ。

 ほかのことはわからないが、封印の件に関しては今までノータッチだったんだ。

 まあ、適した称号を見つけるまで時間がかかったからと言ってしまえばそれまでなんだけど。

 助けてほしいとは言ってたけど、それ以降が決まっていないみたいだった。まるで、助けた後はもう一切干渉しないかのような、そんな感じがしたんだ。最高精霊にならないにしても、上位になっているなら話したり、見える人なら見たり触ったりできるはずなんだ。

 


「まあ、凜様にも事情があるんじゃないかい?」

「う~ん、事情があったとしても、家族に話すことはあるんじゃないのかな?それに………もう、自分にこの先がないみたいな、そんな感じがしたんです」

「敬語」

「すみません」

「今は多めに見よう。でも、そうか~」



 皆でう~んと考え込んでしまった。

 凜さんは助けたいと思っている。それは彼女の本心だろう。

 でも、助けた後は?

 彼女は何も言わず、何もしないで、そのまま終わり?

 すごくモヤモヤする。



「これは憶測でしかないけどね………」

「なんかわかりました?」

「凜様はただ、話すのが気まずいだけなんじゃないかい?」

「は?気まずいだけって……?」

「ああ~、それはあるかも知れないな」

「どういうこと?」

「チキサニ国の建国の時の話でな、その因縁のせいで楔梛様が封印されてしまったんだ。もっとも、きっかけにはなったかもしれないが、これに関してはやつの自業自得だ」



 クロさんは建国時の話をしてくれた。

 昔、チキサニ国の建国前の王様は傲慢が過ぎたせいで、市民の怒りが爆発。初代王を筆頭とした反乱軍に倒されて、前の王は国外追放された。処刑はされずとも社会的地位は剥奪されたも同然だったし、初代王の心情的にも殺すことはできなかったと。

 その後、前の王は自分の別邸で暮らしていたらしい。元々悪い王ではなかったらしいから、頭を冷やしてほしかったんじゃないかって。

 まあ、こんなことが起こったから頭は冷えなかったんだろうね。

 

 要約すると、建国時の前の王の怨みのせいで楔梛様が封印されたと。



「じゃあ、凜さん何も悪くなくないですか?」

「おう、だからただの八つ当たりなんだよ。でも、凜様はそうは思ってないのかもしれない」

「うう~、気持ちはわかる気がするけど、納得いかない!」

「ふむ、確かにな」

「ユイ姉、その気持ちを凜様に直接伝えてみたら?」

「ふえ?」

「だって、これはボクらの想像だもん。わからないなら、直接聞いた方がいいんじゃないかな?」



 突然のセージ君からの申し出。

 子供故の真っ直ぐさ、うらやましいね。今私の体は子供だけど、頭脳は大人だからね、嫌な方で。



「ウハハ!そうだな、ここで考えてても答えはでんな!」

「セージ、いいこというじゃないか」

「え?えへへ~」



 確かに、ここでぐだぐだ考えても仕方ない。

 そうなれば、善は急げだ。



「ありがとう。今から凜さんに伝えてくる」

「うん、ユイ姉がんばって」

「そういえば、どうやって会うんだ?」

「えっと、寝る前に凜さんを呼べばいいみたい」

「は~、そんなことでいいんだね~」

「それじゃあ、もう遅いし寝るか」

「そうだね、おやすみ」

「「おやすみ(なさい)」」



 凜さん、凜さん、貴方に話したいこと、聞きたいことがあります。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ