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夢の中で

 


「ちょっと落ち着くためにお茶入れていい?」

「時間かかります?」

「少しかかるけど、大丈夫!この部屋の時間は、現実世界より流れが遅いから。大体現実の1分が、ここでの1時間くらいだから」

「そういうことは先に言ってください!怒り損じゃないですか!」

「はっ!そしたらあたしも怒られ損じゃない?!」



 この人、本当はバカなんじゃないかな?



「まあいいや、紅茶入れるね」



 いつの間にか、机と椅子、ティータイムセットが用意されていた。

 手慣れた感じで紅茶を入れている白ワンピの人。そういや、名前聞いてなかった。



「あの~、貴方の名前なんて言うんですか?」

「ん、ああ、名乗ってなかったね。あたしは凜、君と同じ異世界人だったよ」

「凜さん?……………もしかして、初代王妃様?」

「ありゃ、知ってる?そうだよ、正確にはチキサニ王国の初代王妃、だけどね」



 凜って名前最近聞いたと思ったら、本当に初代王妃だったよ!

 やっべ!相当失礼なこと言っちゃったし、からかって遊んじゃったよ!



「あの、不敬罪とかになります?」

「ならない、ならない。あたしもう死んでるし」

「え、じゃあ幽霊?!」

「う~ん、当たらずも遠からずって感じかな」



 どういうこと?とりあえず、幽霊じゃないのかな?



「この世界では死ぬと精霊になるって信じられている。まあ、一度自然に帰るって感じだからあながち間違ってないよ。実際そうだし。その後は、また巡り巡って生まれ変わるよ。ここら辺は、元の世界の輪廻転生と一緒ね」

「はあ、その精霊ってなんなんですか?」

「精霊は空気であり、火であり、自然のすべてに宿ってる存在だね。まあ、八百万の神っていう概念に近いかな」



 そこの考えは日本的なんだ。

 精霊には位があるらしく、下位は漂っているだけの存在、中位は少し意思疎通はできるくらい、上位は意思疎通ができてさらに見える人にはその姿が見えるらしい。

 最高精霊は動物の姿を模していてその土地を治めているため、その精霊がいなくなると土地が枯れるとまで言われているらしい。



「じゃあ、話を死後に戻すね。その中で輪廻転生しないで、そのまま精霊になる存在があるの。その中で最高位が、各地で信仰されている最高精霊っていうものだね」

「へえ~。この世界は精霊信仰なんですね」

「そうそう。っていっても、それ以外に女神信仰があるけど、大半が精霊信仰だね。んで、その最高精霊になりかけがあたし」

「へえ~……………え?ワンモア?」

「あたし、今、精霊、その最高精霊になりかけてる」

「え゛えええええぇぇぇ!!!!!」



 さらっと爆弾発言しおったよ、この人!!あと、最高精霊ってそんなポンッとなれるもんなの?!



「いやいや、簡単にはなれないよ?」

「さらっと心読まないでくれます?!」

「まあまあ、お茶でも飲んで」

「あ、はい、いただきます」



 なんか大きい声出して疲れた。

 紅茶おいしい~。



「ぷはぁ、落ち着きました」

「よかった。じゃあ、ここからが本題」

「あ、はい」



 そういえば、なんで凜さんが私なんかの夢に出てきたんだろう。



「まず、先に謝らせて。貴方をこの世界に呼んだのは私なの。ごめんなさい」

「はあ………」

「それでね、かなり言いにくいけど……元の世界での貴方、もう亡くなってるんだ」

「…………………………え?」



 私が、元の世界で、死んでる?


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