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DOGEZA再び、てか、感謝でもするもんなの?!

 おはようございます、神無呂優維(かむろゆい)です。誰に向かってのあいさつだろうね。

 てなわけで、久々のおうちのオフトゥンでのお目覚めですよ。やっぱりおうちっていいね!まだここに来て1ヶ月弱しか立ってないけど、ここは第二の実家だよ。でも、そろそろ元の世界に帰る方法探した方がいいのかな?こういうのって帰れないこと多いけど、若返ってはいたけど姿は昔に見慣れた自分だったしいけるかな。それに、クロさんの話からしても何人か異世界人は来ていたようだし、その中には自分の世界に帰った人もいたかも知れない。ふむ、まずは本で探してみようかな。しばらく、安静にしてろって言われたしね。うん、そうしよう。



「おはようございます!」

「「おはよう」」

「おう!朝から元気でいいことだ!」

「クロさんも元気ですね」

「ウハハッ!オレは元気なのが取り柄だしな!」

「何言ってんだい。優維ちゃんがいないときは元気なかった癖に」

「うっそれは~そのだな」

「はいはい、ご飯が冷めるから早く食っちまいな」

「「は~い、いただきま~す」」

「………最近、子供達もロジーに毒されてきている気がする。いただきます」


 クロさんがちょっとしょんぼりしてるけど、気にせず朝ご飯だ。今日の朝ご飯は昨日の残ったローストビーフと野菜をサンドしたパン、トマトスープだ。うん、二日目でもローストビーフはうまい!サンドしてある野菜も、昨日よりマリネ液がしみていてそのままだとしょっぱいけど、パンと肉と合わせるといい塩梅だ。


「「「「ごちそうさまでした」」」」

「お姉ちゃん、今日は何する?」

「う~ん、魔法関連の本を読もうと思うんだけどここ、図書館ってある?」

「図書館?本がいっぱいあるところ?」

「うん、あるかな?」

「う~ん、本屋はあるけど、買わなきゃいけないしな~」

「魔法関連の本なら、長の家にいろいろあったはずだ。行ってみたらどうだ?」

「あ~、そういえばココじいの所にいっぱいあったね。行くなら、ぼくが一緒に行くよ!」

「本当?じゃあ、お願いします!」

「まっかせて!」



 今日の予定が決まり片付けを手伝ってから、長?ココ爺でいいや、のところに一緒に行くことになった。


「ココじいの家はね、家からおっきい木が1本生えてるんだよ」

「へ?家の中から木が生えてるってこと?それって大丈夫なの?」

「うん、特に隙間があるとかじゃないみたい。もう家と木が一体になってる感じだよ。なんでも、その木はココじいが一晩で生やしたって聞いたことあるよ」

「ふ、不思議な家だね」


 有名な黄色い熊の家を想像したけど、なんか違う気がしてきた。てか、一晩で木を生やしたって、ココ爺はとなりのなんとやらみたいな存在なの?うわーってやったら芽が出て、どんどん大きくなって大木になったやつ。あれできたら森林問題一発で解決できるじゃんって思ったけど、本人意外と気まぐれだから無理か。子供以外姿見れないしね。



「ここだよ」

「おお~、本当に木が家をぶち抜いてる!」

「すごいよね。ココじい~、セージです!入りますよ~!」

「鍵は開いてるから入りんしゃい」

「ココ爺、不用心だよ」

「ホッホッホ、親子そろって同じことを言うわい。と、初めての客人じゃな」

「お邪魔します。初めまして、ココ爺さん、優維と申します」

「ホッホッホ、ココ爺でよいわ。あと敬語もいらんぞ」

「あ、はい。じゃなかった、うん」


 ココ爺の見た目はミミズク、好好爺という言葉が似合う感じだ。目は黄色で耳のように頭に毛が立っているのが特徴的だ。


「ホッホッホ、今日はどうしたんじゃ?」

「そうそう、ココ爺、魔法関連の本ってある?」

「本?いっぱいあるぞ。なんなら、好きなのを持ってってもいいぞ」

「え、いいの?」

「いいとも、もう全部呼んだしの~。置き場所にも困っておったし、他の場所にもあるんじゃよ」

「「これ全部?!」」


 す、すごい。見える分だけでも本が壁かってくらいの量があるのに、これを全部。それにこれで全部じゃないの?一体どれだけの時間があれば読めるんだろう。探すのも大変だな、アーカイブとかないか?ないよね。


「して、どったら本を探しておるんじゃ?」

「あ、え~と、む、無属性関連の本を……」

「無属性?なすて?」

「なすて?」

「どうしてって意味だよ。」

「ああ………」

 

 どうしよう、転移魔法って分類になかったから無属性ってことなんだと思ったけど、でも魔法習いたてだったら五大属性のどれかだよね。しくった~!絶対怪しまれてるよね?なんて理由つけよう?正直に言う?いや、さすがにだめだろう!


「ホッホッホ、それなら右端にあるのが全部無属性関連じゃよ」

「え、あ、ありがとうございます」

「じゃあ、ぼくは水属性関連がみたい」

「それは左の一番下の段にあるぞ」

「は~い。」


 とてとてとセージ君は行ってしまった。私も自分の本探そう。


「優維ちゃんや」

「はいぃ!」

「ホッホッホ、別にとって食ったりせんよ。探す前にジジイと少し話をしてくれんか?」

「あ、はい」


 なんだろう?そういえば、最初の頃にクロさんが長に報告に行くって行ってたっけ。忘れてたよ。じゃあ、私が異世界人だって知ってるのかな?


「……お主、本当に顔に出やすいのぅ。どんな本を探していると聞いたときも、焦っておったろ?で、今は納得したような顔」

「あ、はい、そうです。昔から顔に出やすいんです」

「ホッホ、別に悪いことではないぞ?ただ、嘘がつけんのじゃなと。見ていておもしろいの~」

「は、はぁ」


 初対面の人でもわかるくらいか。やっぱり、ポーカーフェイスは私には無理だ。できる人はすごいな。


「クロから話は聞いている。大変じゃったな。無属性の魔法を調べるのは、転移魔法について調べるためかの?」

「……そうです。ありますか?」

「あることはあるが、難しいかもしれんの。時空を超えるためには莫大な魔力が必要になる。何人も協力者が必要じゃし、その協力者もただではすまんじゃろうな」

「そう、なんですね」

「まあ、たまに精霊の気まぐれで元の世界に戻ることもある。気長に待つことじゃな」



 異世界転移は自力では難しいんだな。そういえば、元の世界で見た異世界ものだと大概神様が関わってたり、宗教で魔術師がたくさん集まってたり、生け贄使ってたり、とにかくそれくらい大掛かりだったな。確実に帰れるわけではないけど、精霊の気まぐれとやらを待つしかないか。誰かの手を煩わせたい訳でもないし、今すぐ帰りたいわけでもないしね。



「ありがとうございます」

「ホッホ、これくらいしか力になれんですまんな。お主には町の同胞を救ってもらったのにの」

「え?」

「村の長として、改めてお礼を。町の子供を助けてくれて、ありがとう」

「え、あ、いえ、そんな、成り行きでそうなっただけですし!頭を上げてください!」


 いきなり町の長に土下座された!本当にあれは成り行きだったし、自分も無我夢中だったし!と、とにかく頭を上げてください!

 

 なすて?のすの発音は、しとすの間です。方言を文字に起こすのは難しいです。

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