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異世界での和食は癒し



「優維、本当に何ともない?」

「私も不思議なくらいなんともないですね~」



 あの後、もう今日は休んだ方がいいということで解散になって、凛さんと一緒に家に帰っているところです。因みに楔梛様も誘ったけど、さすがに急に行くのは悪いということで断られた、残念。



「ふーん。あ、ちょっとだけ結界出してみて、ちっこいのでいいから」

「ん、いいけど?」



 言われた通り目の前に小さい結界を出してみる。

 いつも通り透明…………じゃない?



「なんか青い?」

「ふむ…………もしかしたら吸収した魔法が残ってるのかも。クソ爺の時はあの時放出したから残らなかっただけで、そのまま吸収した魔力ごと残るのかもしれないわ」



 そういえば、凛さんと鬼ごっこしてるときも結界が少し青くなってたような?あーでもあの時もぶっぱしたから、その後結界作っても色はついてなかったな。



「本当に何ともない?酔った感じとか、気持ち悪いとかない?」

「うん、本当になんともないよ」



 凛さんは魔力酔いはしていないか色々聞いてきたけど、本当に何ともないんだよね。むしろ今朝より調子いいまである。



「本当不思議だね~。でもあんまり溜め過ぎると良くないとは思うから適度に発散してね」

「発散たって、私もあんまりやり方分かってないんですが……」

「まあ、出るって感覚は分かるんだからそのうち自分でできるようになるよ(bグッ)」

「え~」



 その言い方なんか嫌だな。出るって吐くみたいなニュアンスに聞こえる。間違っちゃいないんだろうけどさ。












「「「「いただきます!」」」」

「はい、たんとお食べ!」



 今日の夕食は凛さんのリクエスト通りの卵焼きの他、川魚の焼き物、野菜炒め、みそ汁と滅茶苦茶和風だった。味噌もあるのか、この世界何でもあるな。聞けば味噌はこの地域で作られたもので、古くから保存食として親しまれていたそうだ。ありがとう、名も知らぬ現地の人。



「すっごい日本食………懐かしいな~」

「私もびっくりしました」

「ユイ姉たちの世界だと、こういうのが普通なの?」

「普通というか、昔からの食事って感じかな?」



 異世界転生って色々不便だと思ってたけど、異世界人が定期的に迷い込むせいなのか結構現代の技術が伝わっていたりする。特に食に関しては現代とそん色ないものが伝わっていることが多く、調味料がその一つだ。日本食が多いのは転生者に日本人が多かったのかな?なんにせよ、先人たちありがとう。



「ロジー、おかわり」

「はいよ。アンタたちもしゃべってると、クロに全部食べられちまうよ?」

「お父さん、それぼくが狙ってた魚!」

「ウッハッハ!早い者勝ちだ!」

「大人げないよ、クロ」



 凛さんは呆れながらもちゃっかり自分の分の卵焼きは確保していた。私もとっておかないとクロさんに取られると思ったので、少し急ぎ目で自分の分を確保した。

 

 その後は皆とわいわい夕ご飯を食べた。味?もちろん全部最高でした。














 ———————————セージ視点———————————————


 

「凛ちゃん」

「お?どしたんセージ君」



 夜、ソファでくつろいでいる凛ちゃんに意を決して話しかける。

 因みにユイ姉はもう寝てる。今日もぼくが知らないところで色々あって疲れてるだろうからね。



「お父さんからちょっとだけ聞いちゃった。また、ユイ姉どっかいくんでしょ?今度はリコちゃんも一緒に」

「……………うん」



 凛ちゃんは悪戯がバレたような感じで、苦笑いをしながら肯定した。



「ぼくに何かできることないかな?」

「うーん、笑顔でいってらっしゃい、かな?そんで、帰ってきたら思いっきりおかえりってしてあげて」

「それだけでいいの?」

「いい!っていっても納得してないね~」



 だっていってらっしゃいもお帰りもいつもやってることだし、それ以外ぼくにできることは本当にないのかな?



「んー…………じゃあさ、こういうのはどう?」

「なになに?」



 凛ちゃんから耳打ちされた。

 それならぼくにも出来そう!



「ありがとう、凛ちゃん!」

「どいたま~。あ、セージ君」

「なに?」



 ぼくが部屋に戻ろうとしたら、凛ちゃんがソファから降りてとてとてとぼくの所まで歩いてきた。

 なんだろう?



「—————————(帰る場所があるって当たり前のことじゃないんだよ)」

「え?」

「”君がここを守れる騎士になれますように”」

「ん?うん」



 最初の言葉は小さくて聞こえなかったけど、ちょっとだけ寂しそうに見えたのは気のせいかな。



「おやすみ~。成長期なんだから、夜更かしはだめだよ~」

「あ、うん、おやすみなさい」





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