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城の構造ってイメージしにくい




「そこの二人、まだ会議中よ」

「す、すまない」

「ご、ごめんね」



 リコちゃんに指摘されて、楔梛様と同時に謝る。しかも声被った。



「仲いいわね。ま、私しか気づいてなかったからいいけど」

「う、気を付けよう」

「そうしなさい、特に楔梛様は無意識みたいだけど」

「……控えたほうがいいか?」

「バレないようにしなさい」

「わかった」



 リコちゃんはため息をつきつつも助言をしてくれるあたり、改めていい子だと思う。

 それになんか言い方が…… 



「アネゴォ……」

「誰が姐御よ!」

「なんとなくだよ、気にしないで」

「なんなのよ」



 本当になんとなく思っただけなんだよ。私より年下だけど、なんかたまに姐御って思うんだよ。



「ふむ、話題が逸れてしまったの。どうも昔のことを話すと止まらんの」

「ねー」

「ダッハッハ!ちげぇねぇ!」

「親父………」

「ボクも否定はできないね~」



 あっちはあっちで昔話に花を咲かせていたようだ。

 こんなんで大丈夫なのかな?



「それで具体的にはどうするんでさぁ?」

「段取りは大方決めてるぜ」



 まず早朝にエクロクさんがここを出発して王都に戻り、リコちゃん達を攫われた人たちの中に紛れ込ませる。エクロクさんはリコちゃん達を降ろしたら、すぐに王都を離れウパシまで戻る。その後、スルク先生が診断して地下に待機しているピリカさんにそれを伝える。因みに王都には、凛さんたちの時代に作った土竜の道が複数通っている。それを知っているのは土竜一族と当時の王族、一部の幹部だけ、楔梛様はもちろんクロさんやカルヴァロさん、リーンヴォックさんが知っている。あとココ爺も知っているらしい。

 攫われた人たちの状態が確認でき陽が落ちてきたころに、自警団員数人で土竜の道を使いウパシ付近まで連れ出す。リコちゃんとスルク先生もその間に一緒に脱出。脱出前に陽動としてクロさん、リーンヴォックさんが突入し屋敷で暴れる。その間にヒミちゃん、ディグ君は主犯格の封じ込めをする。シューマさんは脱出サイド、カルヴァロさんは陽動サイドのサポートを担当する。

 クロさん達が暴れたことにより、城から騎士団を派遣せざるを得ない状況を作り、警備が手薄になったところで私と楔梛様が塀から忍び込む。

 


「城の見取り図はこれだ。ライル王は王宮の3階、東側端から二番目の部屋だ」



 城は周りが堀で囲まれていて、真ん中に王宮、西側に大臣たち役人がいる離宮、東側に騎士館、その隣に魔法研究館がある。門は南側に正門、西側に第二門、北東側にお忍び用の小さい入り口と小さい橋、南東側に騎士団用の門があるが、私たちはお忍び用近くの城壁から侵入する。

 見取り図ちゃんと見て思ったけど、これ城壁まで結構距離ない?


「おい、ここの堀オレたちの時より広がってねぇか?優維達飛び越えられねぇぞ?」

「大方当時の王が警戒して広げたんだろうな。城門までは団員と一緒だ。空が飛べる者を配置し、二人を運ばせる。王と優維だけで行かせるわけないだろ」

「ハイタカとハクトか?」

「ああ。ハイタカは問題ないが、ハクトは……」

「ハクトは人間嫌いだからな~。まあ、楔梛様がいるから大丈夫だろう」



 クロさんから後で聞くと、ハイタカさんは演習場を使わせてもらうときに会ったタカの獣人さんで、ハクトさんは会ったことないけどワシの獣人さんらしい。ハイタカさんはフレンドリーな感じだったけど、ハクトさんは人間が嫌いらしいから楔梛様に任せよう。嫌な思いはさせたくないしね。



「そうだ優維、お前さんどこまで結界張れるんだ?」

「え?」

「そうね、今の楔梛を囲えるくらい大きくできたらいいんだけど…………」



 確かに!楔梛様と一緒に結界を突破するってことは、一緒に私の結界で覆わなくちゃいけないんだ。

 封印場所の時は凛さんが子熊サイズだったから自分の周りだけでよかったけど、楔梛様は成人?成獣?サイズだから、今の私の2.5倍くらいかな?



「やってみます」



 立ち上がって気合を入れる。



「集中して。一気にやろうとしないで、風船を膨らませるみたいに少しずつ大きくしてみて」

「はい」



 師匠(凛さん)からのアドバイスを受けて、目を閉じて集中。

 まずは自分の周りを覆うくらい、それから少しずつ大きくする。



「……………………………ぶはっ!」

「優維、息は止めなくていいんだよ」

「集中、してたら、無意識で」

「う~ん、これじゃあ獣形態でも無理かな?」



 カルヴァロさんに言われて出来た結界を見て見ると、私を中心にドームみたいになってはいたけどギリギリ私がもう一人入るくらいの大きさだった。



「これじゃあ楔梛様は入れませんね………」

「優維………そうだ!」



 楔梛様はひらめいたという風にソファから降りて、すぐに獣形態になった。と思ったら、どんどんと縮んで子ライガーくらいのサイズになった……………………………ん?



「子ライガーサイズ!?」

「そういえば楔梛様は成人してたな」

「なーんか小さいころから一緒にいるから、そのこと忘れちゃってたね~」

「うむ」



 クロさん達3人は納得してるし、他の皆もそういえばみたいな顔してるし!驚いているの私とエクロクさんだけ!?

 てかチビ楔梛様めっちゃかわいいんですけど! 






 城の大雑把な見取り図書いたけど、調べていくうちにわけわかんなくなったので結局西洋風になりました。王宮と離宮の外観や内装は、日本の西洋館みたいなのをイメージしていただければと思います。

補足:堀は空堀の箱堀、水は張っていない(寒いから)。大雨が降ると水堀になるが、余分な水は下水に流れるためある程度までしかたまることはない。堀の底、側面に排水口がある。

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