順調にフラグが立っていくよ
誘拐された人たちの解放と、ライル王の解呪を同時に!?
びっくりして皆の顔を見回すと、リコちゃんとエクロクさん以外は特に驚いた様子はなかったけど、さっきより少し険しい顔をしている気がした。
「っと、リコと優維には喋ってなかったな。すまねえ。順を追って説明するぜ」
ダイモンさんの説明としてはこうだ。
まずこの作戦に至った経緯としては、誘拐された人たちの事を追っているうちに城内部の者が絡んでいると判明、それを探ると芋づる式に不正が出てくるわ出てくるわ、その中で王が病に伏せていることが判明、あれヤバいんじゃねってことでどうせだったら一緒に片づけちゃえってこと。
かなり嚙み砕いているけど、大体こんな感じだったと思う。
「まっ同時にって理由は他にもある。むしろそっちがメインだ」
「誘拐の首謀者の館で騒ぎを起こすことで、そこに加担していた貴族の混乱、しいては城内の混乱も同時に起こすことができる。そうすれば、城内の人員は最低限になる」
「そんな簡単にいくんですか?」
リコちゃんの疑問ももっともだ。
例えそこで騒ぎを起こしたとしても、貴族の家で起こった事件で城から多大な人員を割くことがあるんだろうか。
「ん。今、王族派が他の領地に駆り出されていて、王族派は騎士団長とマリウス、一部の侍女やメイドだけ。一時的、反王族派の天下。騎士団長も、上位貴族からの命令は、逆らえない」
「そういうこった。やるなら王族派が帰ってくる前に、だ!」
なるほど、今が私たちにとっては最高のタイミングってことね。
「ん?あの変わった上級魔道士はいないのか?」
「いるにはいるが、ずーっと研究室にこもって出てこないから除外だ。それに、アイツは何考えてるかようわからん!」
「同意」
土竜夫婦がそろって頷いてる。
その上級魔道士って人、悪い人じゃないのかな?それより二人がよくわからんって相当じゃないか?
「あー確かに。ボクも魔法以外のことで話したことないや。ボクも魔法大好きだけど、メイリンは常軌を逸してると思う」
「ふむ、あやつはのぅ………」
「悪い奴じゃないぜ?ただ、魔法のことになると我を忘れるだけだ」
「そうだな、悪い奴じゃあないが………優維の魔法に興味示すかもな。とりあえずメイリンの前では、反射魔法はやらない方がいいな」
「ああ、研究対象って思われるかも知んねぇな!」
「ヒェ……!」
ええ……絶対会わないようにしよう。
あれ、これフラグ立った?
「俺に隠れてれば大丈夫だ」
楔梛様がポンと私の頭に手を置いた。なんでだろう、楔梛様に触れられるとすごく安心する。
うん、フラグはへし折るもの!回収したとしても、折れば問題なし!
「はい」
「気にするな。俺は、君に険しい顔はしてほしくないと思っただけだ」
えっと、遠回しな言い方だけど心配してくれたんだよね。
「ありがとうございます」
「あ、ああ」
楔梛様が照れてる。なんかこっちまで照れてしまったので、思わず下を向いてしまった。
その時、機嫌よく楔梛様の尻尾が揺れてるのには気づく余裕はなかった。
説明パート多いし、長いですね。そろそろ潜入まで行きたいけど、いつになったらいけるでしょうか。