いろいろティータイム
ふー、堪能しました。楔梛様のモフモフ最高!
リコちゃんと何話してたか気になるけど、まあ内緒ならしょうがない。
「二人とも、お茶の用意が出来たぞ」
「ああ、今行く」
「あ、楔梛様ありがとうございました。降ろしてください」
「……………」
あれ、なんで無言なの?なんでそのまま立ち上がって皆の方に行こうとしてるの?
「あの、楔梛様?私自分で歩きますよ?」
「気にするな」
「あ、でも」
「俺がもう少しこうしていたいだけだ。ダメか?」
そんな困り顔でコテンって首傾げないでください。可愛いです。
その仕草が飼い猫のライオン丸と重なって、これ以上断れなくなる。
「楔梛様がいいなら………」
「ありがとう」
そのまま楔梛様に肩車されながら、お茶が準備されているテーブルまでいく。
リコちゃんはちょっとあきれ顔、土竜一家とココ爺、カルヴァロさんからは微笑ましい感じで迎えてくれた。リーンヴォックさんは特に気にしていない様子で、普通にお茶を飲んでいた。
「楔梛~やるね~(コノコノ ≧_≦)σ」
「凛おばあ様、揶揄わないでください」
「あの~楔梛様?降ろしてくれませんか?」
「おお、すまんな。俺のわがままを聞いてくれてありがとう」
「い、いえいえこちらこそ!」
皆に見られてなんか恥ずかしくなってきたので、楔梛様に頼んだらお礼を言いながらゆっくり降ろしてくれた。リコちゃんの隣が開いていたのでそこに座って、楔梛様はクロさんの隣に凛さんを膝の上に乗せて座った。
ふう、モフモフ充電は出来たけどさっそくちょっとだけ減っちゃったよ。お茶飲んで落ち着こう。
「ふぃ~」
「……美味しいわね」
「ははっそりゃよかった。今日はオレが淹れたんだ」
「ディグ、アンタ器用すぎんのよ」
「お褒めに預かり光栄だよ」
今日のお茶はディグ君が淹れたらしい。確かにおいしい。
慣れ親しんだ紅茶のような味だけど、蜂蜜でも入れたのかほのかに甘い。クッキーはそんな紅茶に合わせるかのように甘さ控えめだけど、ナッツが色々入っているおかげか物足りなさは感じない。
「ん、このクッキー、おいしい」
「どれ…カリッ…ふふっうまいな」
「あ~ねみぃ~」
「む、少し寝てろ。己が起こしてやろう」
「あーいや遠慮しとくわ」
「何故だ?」
「リーのは寿命が縮むんだよ」
「確かに~。リー、寝てる人に刀向けちゃダメだよ?」
「む、しかし一発で起きるだろ?それにちゃんと鞘に入っている」
「それでもだよ……」
各々他愛ない会話をしていて、すっかりリラックスムードだ。ずっと気張ってるのも疲れるもんね~。
「楔梛様」
「どうした、クロ?」
「まだ優維は10歳です」
「?そうらしいな」
「……………」
「クロ?」
「クロの気持ちはわからないでもないけど、見守ってあげるべきじゃないの?」
「そうします」
クロさんは複雑そうな顔をしていたけど、楔梛様は終始キョトン顔だった。
クロさん、その心配は杞憂だと思うよ?楔梛様なら、私なんかよりもっといい人いるってマジで。