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とりあえず朝はおはようから




「おはよう!」

「朝からうるさいわね、おはよう」

「ん~、おはようユイ姉」



 きのうはおたのしみでしたね。

 あ、嘘です。あの後、布団にダイブですぐに夢の中でした。おかげでリコちゃんに朝から悪態をつかれるくらい元気です。

 セージ君は相変わらず朝が弱いのか、まだ寝ぼけているみたいだ。

 ちなみにもう着替えもすんで顔も洗い終わって、あとは朝ごはんを食べるだけだ。



「今から着替えるから、先にいってていいわよ」

「ぼくは自分とこで着替えてくる~」

「いてらー。ううん、まだ時間あるし終わるまで待ってるよ」



 リコちゃんは顔洗ってくると部屋を出ていき、後に続いてセージ君も出て行った。

 特にやることがないので、再度ベッドに倒れこみゴロゴロする。

 

 そういえば今日はまたココ爺の所で話を聞くんだっけ。何の話なんだろう。

 楔梛様は助けられたけど、それで終わりではないのだろうか?

 そういえば、誘拐犯はあれからどうなったんだろう?あれから何も音沙汰がない。リーンヴォックさん達が牢に入れているとは言っていたから、取り調べとかはしてるんだろうけど。



「なに二度寝しようとしてんのよ」

「してないよ!ちょっと考え事」

「……ま、いいわ。朝ごはん行きましょ」

「うん!」



 今考えるのはやめよう、色々考えるのはご飯を食べてからだ。

 さて、今日の朝ごはんは何かな~?





 



  今日の朝ごはんは昨日の残りシチューに、魔猪のベーコン、目玉焼き、パン、デザートに果物といったシンプルなもの。シチューはほとんど具が残っていなかったのでスープ代わりだったけど、具材のうまみがこれでもかと溶け込んでいたので物足りなさは感じなかった。ベーコンは厚切りジューシー、これを目玉焼きの黄身にディップして食べる。とろとろジューシーでパンがすすむ!

 今日もおいしい朝ごはんでした。 



「「「「「ごちそうさまでした/でさぁ」」」」」

「はいお粗末様」



 満足満足と、お茶を飲んで一息。

 そういえば、今日はこのままココ爺の所へ行くんだろうか?



「優維、もうちょっとゆっくりしたら長の所に行こう」

「はーい」

「あっしは少し遅れていきまさぁ。先にいっててくだせぇ」



 シューマさんも一緒に行くんじゃないんだ。

 ああ、お店やってるからそっちによってからくるのかな?まあ、後で来るみたいだから深くは聞かないでおこう。








「「いってきます」」

「「いってらっしゃい」」

「お昼は帰ってくるのかい?」

「ああ、今日は話し合いだけだ」

「わかったよ、気を付けて行っといで」



 セージ君、リコちゃん、ロジーさんに見送られて家をでる。シューマさんはちょうど誰かと通信していたので、手だけ振り返してくれた。


 サクッパキッと、歩くたびに雪と氷の音がする。大分雪は解けてきているけど、日当たりの悪いところは雪が残っている。逆に日当たりのいいところは解けているけど、溶けた雪が夜中冷えて氷になっている。

 雪解けは嬉しいけど、雪と氷が混じっている地面は歩くとき神経を使うのであまり好きではない。クロさんは普通に歩けているのに、私にペースを合わせてくれているのかかなりゆっくりだ。



「クロさん、時間大丈夫?」

「大丈夫だ。このペースでも問題ない」



 それからはゆっくり歩きながら、クロさんとたくさんお話をした。

 昨日の夕ご飯うまかったなとか、よく眠れたかとかそんな他愛ない話。今まで気を張っていたからか、久しぶりにクロさんと緩い会話をした気がする。






「それでな、セージがな——っともうついていたか」

「あ、ホントだ」



 しゃべりながら歩いていると、いつの間にかココ爺の家についていた。かなりおしゃべりに夢中になってたみたいだ。



 コンコンッ



「長、楔梛様、クロと優維です。入ってもいいですか?」



 ガチャッ



 返事の代わりに扉が開いて、楔梛様が顔を出した。



「おはよう。寒かったろう?さあ中へ」

「おはようございます!」

「おはようございます。失礼いたします」



 中に入るとカルヴァロさんやリーンヴォックさん、土竜さん一家はもう来ていた。

 土竜一家は全員眠そうだ。うん、今は寝てる時間帯だもんね、申し訳ない。



「優維~!おはよう!」

「凛さんおはよう!」



 凛さんが勢いよく胸に飛び込んできたので、すかさずキャッチする。

 今日もモフモフで元気だね!



「う~、来たか~。ねみぃ~」

「スルク先生特性眠気覚まし、飲む?」

「うっ。ひ、一口だけ」



 凛さんをモフモフしていると、ダイモンさん達のそんな会話が聞こえてきた。

 特性眠気覚ましが気になったのでそちらに目を向けると、栄養ドリンクのような瓶に入った液体をもったピリカさんがいた。その瓶を受け取ったダイモンさんが恐る恐る口をつけて、本当に一口だけ口に含み、飲み込む。



「ぬお!!」

「わっ」

「うるせぇぞ、親父」

「ダッハッハ!わりぃわりぃ!」



 え、一口であんなに効果出るの!?何入ってんの!?怖いよ!



「大丈夫大丈夫、合法合法」

「本当に?」

「まあ、依存性は多少あるかもだけど、酷い味と匂いにしてるから大丈夫だってさ。あたしも嗅いだけどありゃ酷いね」

「へえ~」



 ああ、だからダイモンさんあんなに恐る恐る飲んでたんだ。

 


「ホッホッ皆そろったようじゃの」

「ありゃ、シューマは?」

「後から来ると言っていたぞ」

「左様。ではクソじ……ゴホンッカパプの呪いについて話そうかの」



 あ、ココ爺もあいつのことクソ爺って思ってたんだ。訂正したけど隠しきれてないよ。








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