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寝起きでヤンキーはキツイ

 今年最初の投稿です。優維が起きました。

 今年もよろしくお願いします!

 



「あ゛あ゛!?!?」

「っほわぃ!?」



 声に驚いて起きたら、ヤンキーに睨まれてました。

 なにこれ!どういう状況!?なんでこの人睨んでたの!?



「ダイモンさん」

「ハイ!!」

「私は、さすがにいかに破天荒なあなたでも常識をわきまえていると思って止めなかったのよ~?なのに、寝てる人の顔の前で大声をだすとはどういうことかしら~?」



 あ、スルク先生激おこだ。いや、激おこ通り越してガチギレしてる。

 スルク先生にダイモンさんって呼ばれてた人、よく見ると土竜の獣人さんだ。それにさっきの目、ヒミちゃんが鑑定してた時の目と一緒だ。もしかしてヒミちゃん達の家族?



「悪気はなかったんだ!ただ鑑定の結果に驚いちまって……」

「あらあら、意外な結果がでても諜報員が声をだすのは訓練が足りないのではなくて~?」

「む、それはよくない」

「ピ、ピリカ!?」



 ダイモンさんの後ろからまた違う土竜さんが出てきた。

 その人が、こちらに音もなく近づいてくる。



「ダイモンが、うるさくてすまない。私は、ピリカ、怒られているのがダイモン。ヒミとディグが、いつも世話になっている」

「あ、ご丁寧にどうも。優維と申します。もしかして、ヒミちゃんとディグ君のお母さんとお父さんですか?」

「ん(グッ)」



 サムズアップしてる。やっぱりヒミちゃん達のお母さんだったか。

 ヒミちゃんはお母さん似なんだね、喋り方も一緒だ。

 そしてその後ろでスルク先生に正座させられているのが、お父さんのダイモンさんか。

 なんかダイモンさんは、ヒミちゃんにもディグ君にも似ていない気がする。



「うちの親父がすまねぇ。具合はどうだ?」

「あ、うん。寝たら少しよくなったよ」

「お水」

「ありがとう」

「ん!」



 ディグ君が苦笑いで謝ってきて、ヒミちゃんがお水を持ってきてくれた。

 起きたばっかりで水分が欲しかったのでありがたい。ごくごくと一気に飲み干してしまった。



「ぷはー」

「ワンモア?」

「ワンモア!」

「ん」 



 ヒミちゃんに空のコップを渡すと、パタパタと部屋の外に出て行った。



「ディグ君、ここどこ?」

「長の家だよ。優維が寝た後、とりあえずみんなで一旦休もうってなったんでここに来たんだ。んで、ずっと起きねぇからベットに寝かせてたんだ。あれからそんな時間は立ってねぇよ」

「そうだったんだ」



 私2時間くらいは寝てたのかと思ったけど、案外寝てなかった。大分楽になってるから、あと一晩寝ればいい感じがする。

 ディグ君とそんな話をしていると、コップいっぱいの水を持ってヒミちゃんが戻ってきた。



「ん」

「ありがとう」



 ヒミちゃんが持ってきた水は、さっきより少し冷たい水だったので、今度はゆっくり飲んだ。

 


「あー、さっきは驚かせちまってすまねぇ」

「あ、いえ。ただ、いきなり大声はやめてくださいね」

「すまねぇな」

「もう謝らなくていいですって」



 お水をちびちびと飲んでいたら、スルク先生のお説教が終わったのかダイモンさんがこちらに来て静かに謝ってきた。見た目はなんかジャラジャラと派手だけど、根はいい人なんだろう。



「ありがとな。そういえば、自己紹介してなかったな。オレ様はダイモン!ヒミとディグの親だ!」

「私は優維です」

「そんで?お前がうちの王様、助けてくれたんだってな!」

「あ、いや、それは私だけでは「ありがとう!!」土下座しないでください!」



 なんて素早い土下座、私じゃなきゃ見逃しちゃうね。

 じゃなくて!なんで皆お礼する時土下座するの!?



「いいや!!これだけじゃ足りねぇくれぇだ!ありがとう!!!」

「え、え?ディグ君、ヒミちゃん止めて!?」

「ちょっとこれは無理だな。わり」

「わたし、も、無理」

「ええ………」



 二人とも止めてよ!ありかめっ諦めないで!?



「あーダイモン。もうそれくらいにしておけ。優維が困っている」

「王様!だけどよぉ!」

「ダイモン。礼なら他のことにすればいいだろう?」

「……おお!さすが王様!!そうするぜ!!」



 ダイモンさんは、楔梛様の一言でやっと土下座をやめてくれた。

 ダイモンさんは立ち上がった後、すぐに横にずれて楔梛様が私のベットの傍までくる。

 封印場所で見たときも思ったけど、やっぱり綺麗だ。瞳も基本的には緑だけど、きらきらと宝石みたいだ。

 


「挨拶が遅れてすまない。俺は元王、今はただの楔梛だ」

「あ、こちらこそ遅ればせながら、優維です!」

「優維、俺を助けてくれてありがとう」

「あ、いやそれはあそこでも言いましたが——————」

「ははっ本当に謙虚だな、君は!でも、今は素直に受け取ってくれないか、小さき姫よ」



 ひ、姫!?

 私が驚いていると、楔梛様はゆっくりと私の手を取ってその甲に鼻をすりっと…………はいぃ!?!?



「ほわぃっ!?」

「あら~」

「やるぅ」








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