1 異世界へ
読んでくださりありがとうございます。なるべく早く続きを投稿しますのでよろしくお願いします。
「秒読み開始。発射まで…10…9…」
あぁ。やっとこの時が来た。
8…7…
子供の頃から憧れていたあの場所へ。
6…5…
俺はやっと行けるんだ。
4…3…
どんな世界が広がっているのだろう。
2…1…
さぁ。行こう。憧れの宇宙へ、
「0…点火。」
物凄い衝撃が身体中を襲う。大きな爆音が耳の奥で鳴り響く。
しかし不思議と辛くはなかった。
何故ならこの先に待ち受ける世界がどんなものかと心が踊ってるからだ。
そして気がつくと俺は"宇宙"にいた。揺れは収まり急に静かになる。円型の小窓には青い地球が見える。
そんな光景を目の当たりにして自分の胸の音がうるさく鳴る。
「聞こえるか。真也。どうだ、宇宙は。」
ノイズ混じりの声が聞こえる。
「あぁ。最高だよ。」
俺、真也は応えた。
「それは良かったな。身体には異常はないか?」
「問題ない。強いて言えば胸が高鳴ってる。」
「はっはっは。元気だな。もうすぐでステーションに着く。先輩方が熱く迎えてくれるはずだ。」
そんな会話をしていると船が急に揺れた。
「どうした。宇宙ゴミにぶつかったのか。」
真也が聞く。
「いや、こちらからは確認できない。そっちからはどうだ。」
窓から周りを見渡す。
「…あれは…まさか…」
「どうした。何があった。」
真也の視線上には何もなかった。そう。光さえも。
「ブラックホールだ。船のすぐ横にブラックホールがある。」
声を荒げて言う。
「ブラックホール。そんなのありえない。本当なのかいそれは。」
そう、あり得ないはずだ。ブラックホールは巨大な星が爆発した時にできる超重力の天体だ。こんな地球の近くにあるはずもできるはずもない。しかし彼の目の前には光さえも吸い込むブラックホールがあるのは確かだった。
「ああ。装置で測ったが間違いない。確かにブラックホールはある。それも相当な大きさの…」
「それが本当だとしたら世界規模の大事件だぞ。」
「とりあえずルートをずれてこいつから離れる。」
俺が操縦しようと手を伸ばしたその瞬間。
「あああぁぁぁぁ。」
管制室から叫び声が聞こえた。そして同時に大きな揺れが襲い始めた。
「何が起こってる。管制室。管制室。応答してくれ。」
ふと外を見るとそこには永遠に続く闇があった。
「そんな…」
真也は絶望した。今、目の前で起こっている現実を理解できないまま彼は意識を落とした。
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