定められた未来
頭の中で展開を思い描いても、登場人物が軒並み餃子のせいで意味がわからなくなってくる。
誰だよこんな話書いた奴
「わかってたけど、水餃子の皮さんとは別の教室か…。いや、でも友達にはなれたんだ!だったら堂々と会いに行けば良いだけだよね!」
(そこの廊下を曲がって、ドアに入らず直進。壁に当たったら右方向に歩いて行くとFクラスがあって…)
「F-11、F-12、F-13、あ、ここだ!あー、Fクラスだけ何でこんなに教室の数が多いのかなぁ?Aクラス何か一部屋しか無いのに。まあ、いいや入ろう。」
「いや、良くない、良くないな、わ皮者よ。スタートと言うものは全ての事柄において大切なのだ。踏み切るタイミングを逃せば後悔しても、しきれない程の大事になるんだぞ。まあ、でも今日は君たちにとって何よりも大切な日だ。こうして出席しただけでも大したものなので、先生は今回の件見なかったことにしてあげよう。たーだーし、次は無いから自分に厳しく時間に余裕を持って行動するよーに。」
「は、はい!わかりました!」
(話長いし、早口だし何言ってるかわかんなかったや)
「うむ、よい返事だ。では、席につきなさい。」
(この人は…揚げ餃子かな?結構油のてかりとぎっしり詰まった身で、食べてないのに気持ち悪くなってくるや)
「さて、全員揃ったようなので初めるとしよう。まずは、この餃子工場へようこそ。ここで君たちは、一人前の餃子になるべく勉強し、運動し、仲間との友情を育んで欲しい。
と、前置きはこの辺にして、私が今日から君たち冷凍餃子の担当をすることになったことになる、揚げ餃子だ。」
(え?冷凍餃子?普通餃子じゃなくて?)
「あ、あの揚げ餃子先生?僕一応普通餃子がいいなって思ったんですけど、あ、あとで変えれますよねごめんなさい」
「出来ないぞ?説明会の内容はちゃんと覚えておけ。ここでは、餃子の皮一枚一枚にランク付けをして、そのランクで何の餃子になるかは決まっておるのだ。よって、お前は冷凍餃子になることは決定済みの事実であり、抗えるものではないのだ。まあ、未来が既に決まっているなんて許容できるものではないな…無理に受け入れろとは言わん。
そのうち嫌でも慣れるんだから、な」
(なんてこった、これじゃあ僕の夢が、立派な羽根つき餃子になるって家を出たのに、こんなのって…!)