餃子、出逢う
「ここが、今日から僕が餃子になる工場か…、でっかいなぁ、豆腐みたいだし豆腐工場と間違えちゃったかなぁ。」
「うーん…ダメだ、やっぱりここだ。どうしよう、連絡はしたから、後は入って受付するだけなのに…」
「何ぶつぶつ言いながら突っ立ってんだよ、邪魔だどけ!」
ドゴォ!!
「痛たたた、餃子の皮を乱暴に扱ったらダメって学校で習わなかったのかあの餃子の皮。 あ、工場の資料がバラバラだよ。はぁ、ついてないなぁ。この先、僕やっていけるのかなぁ。」
「ねぇ、君大丈夫?あ、これ君の資料だよね?はい、拾って置いたよ」
「え?あ、ありがとうございます!」
(うわ!めちゃくちゃキレイな餃子の皮い子だ!白くてモチモチしててなんか清楚なのにどうしよう、いけない気持ちになりそうだ)
「君も今日からここで餃子になるの? あ、ごめんまずは自己紹介しよ?私は、水餃子の皮よ」
(水餃子の皮さん…名前も綺麗だなんて素敵だ…)
「あ、ぼ、ぼぼぼ僕は餃子の皮です!ただの餃子の皮だから、色々勉強して将来どの餃子になるか決めるんだ!」
「そうなんだ、凄いね餃子の皮君。私なんか最初から水餃子って決まってるから勉強とか少なくてラッキーって思ってたのに。 ねえ、友達になろう?お互いにわからないことあったら教えあおうよ!」
「え、あ、はい!喜んで!」
「じゃ、握手ー」
「え?」
ギュッ
(あ~水餃子の皮さんの皮、さわり心地超良い。もう僕この手は洗わない)
「やった、この工場にきていきなり友達出来ちゃった!」
「えへへ、僕もうれし「オラー!そこの餃子の皮!なーにを朝からいちゃついてんだ!仕事に間に合わなくなんぞ!」
「ヤバ!もうそんな時間なんだ!急ご水餃子の皮さん!」
「うん!」
(今日は朝から散々な目にあったけど、水餃子の皮さんに会えたら何だか良い日な気がしてきた!)