ー私の花が枯れるまでー
彼と出会って、付き合って、結婚して、新しい種を見つけて………他にもたくさんのことがあった。
種が産まれて、芽が出て蕾になって、外へ出て花を咲かせて帰ってきり。
その花にも、新しい種が見つかったり。
私たちの花は、段々と枯れてきたり。
私の花は、もう上を向けないほどになっている。
隣で泣いて、水をくれる彼に微笑む。
「大丈夫よ」
私は枯れて散ってしまうけれど、あなたはもう少し頑張ってね。
私は最後の力を振り絞って笑った。
あなたに私の香りが届くように。
あの桜の木の下で咲いた、私の花の香りは、いつまでもあなたのものだと伝えるためにーーーーー
別れがあって、出会いがあって。
誕生があって、失命があって。
そんな人生の中で、一つの花が枯れていくーーーー