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ただ生きて側にいて。

作者: 器 凛

物語は全て実話です。




初めてペットショップで

アナタを見た時。


心から愛しいと思い内緒で連れて帰えりました。


アナタは、あの日の事

覚えているかな?


まだ小さいアナタの体を

ただただ愛おしく思いました。


アナタの成長は早く、健康で私の中でもペットでは無く、家族としてアナタを見る様になりました。


アナタが居る事が当然で当たり前の日々に。


神様は、生き地獄を私達に用意していましね。


朝10時。


4才になったアナタを検診で動物病院に連れて行った時、いつもと同じ様にキャリーケースに入ってアナタは私の手に戻って来ましたね。


キャリーから出た

アナタは、足が座る事も動かす事も出来ず


伸びたままでした。


前足だけで体を支えていた事を昨日の様に


思い出します。


朝11時。


動物病院に電話をするとキャリーに入れるまでは大丈夫でした。と言われました。


夕方まで様子を見て、

治って居なければ再度来て下さい。と凄く冷たい声が受話器越しに響いていました。


夕方6時。


私の直感で足はモウ治らないんだと思いました。


アナタを、なぜながら、涙が止まらす。


アナタに申し訳無い気持ちで押し潰されそうでした。


病院の先生は

アナタは元々、今日こうなる運命だったと冷たく言いましたね。


朝は全て問題なく健康と診断したのに?


現実は認めたく無くとも

そこにあり変える事も出来ないなら。


せめて真実を知りたいと1時間程やり取りをし


先生は逃げない様に助手が足を強く握り締めていた為、脊髄の損傷で内蔵より下が完全に麻痺し戻る可能性も無いと言いました。


そして私に

じゃあ正しい抱き方があるのなら私に教えろよ!

そう言っていましたね。

悔しくて悔しくて。


初めて怨むと言う感情を知りました。


同じ動物でも人間は嘘を付く事を平気でするんだ。アナタは水も餌も受け付けず、日に日にグッタリと衰弱して行きましたね。


私はアナタに

ただただ生きていて欲しかった。


アナタに出会った時は、姿に愛おしく思ったいたのに。


今は姿など、どうでも良いから生きて側に居て欲しかった。


毎日祈りながらアナタに無理やり水を飲まし。


アナタが好きなイチゴやチョコレートを砕いて食べさせましたね。


アナタは死ぬつもりでしたか?


私の行動は自然に反する事でしたか?


迷惑でしたか?


アナタが話せたら、何と言ってましたか?


2週間が立った頃アナタが自ら水を欲しがりましたね。


私はアナタが生きる選択をしてくれた事に


怨む感情など、無かった事の様にアナタは希望をくれました。


初めは暗闇に微かに見える程度の光に何時、途絶えるのかと震えていました。


アナタは、日に日に煌々と光輝く希望となり。


あの日を境に3年間の

寿命と言う命を全うしてくれましたね。


最後の別れの時。


アナタは苦しみもせず、私の手の中で逝ってしまいましたね。


こんなに苦しかったんだと伝える事も無く。


今の私でもアナタの器には勝ててはいません。


アナタは、弱い私に沢山の事を教えてくれましたね。


命の重み。


生きている有り難さ。


どんな苦難も生きていれば乗り越えれると言う事。


嬉しい事も辛い事も

今ある事が現実で逃げれない事。


地獄の様な日々にも自らが探せば、必ず小さな光はあり


その光を途絶えさすも

輝かす事も自分次第だと言う事。


アナタと出会い私は沢山の事を理解しました。


アナタが話せるのなら

あの時、こう諭したのではないですか?


そしてアナタは私といて幸せでしたか?


私はアナタといて幸せでした。


初めて書いたアナタへの手紙に天国への地図を書きました。


アナタなら笑っていると思います。


一生をかけてアナタが教えてくれた事。


私は一生をかけて受け取ります。

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