デメテル神緊急来日!
日本の神々は世界の神々についても知りたがり。世界の神々も日本にはよく遊びに来ると言う。しかし、お忍びで来たり、バカンスできたりなどなのでほとんどがいつ来たのか知られずにいる。
日本に住む神々に向けての情報誌、天界通信ではその緊急来日の記事を書くため、ある二神組が動いていた。
緑の布のようなものを被っている黒髪の少女、エビスは高天原にある天界通信本部の庭の掃除をさせられていた。
今は夏も過ぎ、少し肌寒くなってきた時期である。紅葉が色づきハラハラと散っている。
「うわあ~エビちゃん、きれいだね~。紅葉まっかだよ~。」
丸太に座って焼き芋を食べている金髪の少女、レールが不機嫌そうなエビスに笑顔を向けた。
「あのねぇ……あんたも座ってないで落ち葉掃くの手伝ってよ!なんで芋なんて食べてんの!っち……うまそうだな……。」
エビスはレールをじろりと睨みつけながら落ち葉を箒で頑張って掃いていた。
レールはどこかの国で出会いの神をやっている。どこの国かはわからないが今は日本でのんびりとエビスの仕事を手伝っていた。元は白猫であった。
「エビちゃんも食べる~?甘くておいし~よ?」
「そんなことをしている暇はないの。みればわかるでしょ!落ち葉落ち葉落ち葉!履いても掃いてもすぐ落ちる!」
エビスはなんだか虫の居所が悪いようだ。落ち葉を掃く手も心なしか早い。
「エビちゃん~?なんで怒ってるの~?」
レールは焼き芋を食べ終わり大きく伸びをしながら聞いた。
「取材の仕事したいのにここで落ち葉を掃いているなんてもうヤダわ。こんなのね、どうせ落ちてくるんだから全部落ちてから掃除すればいいのよ。めんどくさい。」
「でもエビちゃん~?掃除のお仕事って上司からやってって頼まれたんでしょ~?」
「そうだけど……もうめんどくさいわ。やめる。それよりレール、外国神、日本に来てないの?私のアンテナだと誰か来ているんだけど。」
エビスは持っていた箒をポイっと捨てるとレールにほほ笑んだ。
「掃除、やめちゃっていいの~?まあ、いいけど~。ええっと……今は実りの神デメテルさんが来ているみたいだよ~?」
レールがスケジュール帳を開くと実りの神デメテルのスケジュールが勝手に書き込まれていった。
「何しに来たの?」
「う~ん?観光かな~?お米アートを見てからおいしいもの巡りをしているみたいだね~。色々なお店に行っているみたいだけど~……なんでコンビニにも行っているんだろ~ね~?」
レールのスケジュール帳にはおいしいと有名なラーメン店とコンビニ名が沢山書かれていた。
「ラーメン屋さんとコンビニばかり……。ていうか、デメテルって人に見える神なわけ?」
「さあ~?わかんないね~。もしかしたら食べてないかもしれないよ~?」
「食べてないって何よ?ラーメン屋行って何を楽しんでるの?食べている人の観察とか?ていうか、なんでコンビニなんて行っているわけ?」
レールの発言にエビスはおかしそうに笑った。
「わからないけど~。」
「よし!じゃあ、取材に行こう!」
ぼうっとしているレールの手を掴み、エビスは元気よく走り出した。
「ああ~エビちゃん~待ってよ~。」
レールは半ば引きずられるようにしてエビスの後に続いた。




