なぜ?なに?ハンター協会
「ここに来るのは三ヶ月ぶりか...」
そう呟きながら視線に捉えた先に見えるのは、ディアドラの住人なら誰でも一度は訪れる『ハンター協会』の建物だ。
ハンター協会は、ハンターの登録・戦闘職の認定の手続き・国やその地方の住民からの任務の受注などをハンターとの間で仲介する組織である。
ディアドラでは成人しているものは本職がハンターで無くとも全員何らかの戦闘職になる事が義務付けられている。一見無駄な制度のように思われるが、これは行商人や女性などを守ることに貢献しており実際に行商人が盗賊に襲撃された時そのレベル・戦闘職の相性・スキルの差などで逆に盗賊を返り討ちにしたケースも存在する。
今回僕が此処に訪れた理由は無論、我が国ダレイオスの『勇者選定試験』に応募するためだ。
勇者選定試験の応募資格は非常にハイレベルだ。
まず『ハンター協会規定の戦闘職のいずれか二つがLv70以上であること』これに関しては僕は戦士Lv90、魔法使いLv87、魔法戦士Lv78、弓使いLv89なので問題なくクリアー。
次は『ハンター協会規定のランクが80以上であること』だがこれも今現在の僕のランクは97なのでクリアー。
最後に『ハンター協会規定のSランクの任務を計20回以上こなしている』というものだ。これに関してはまず任務について書かねばなるまい。
任務というのは前述の通り、国やその土地の住民からの依頼をハンター協会がハンターに受注させるものである。従ってハンター協会を仲介せずに受けた依頼は正式な任務とは認められず、そのハンターの戦績に残されることはないという事だ。
そんな任務だが、ハンター協会がその難易度によって六段階に区分している。難易度は下から E D C B A S となっており、Eはハンターの資格を持つ者なら誰でもクリアー出来るレベルでSともなるとランク100以上の猛者がパーティーを組まないとクリアー不可能なレベルだ。
僕は最初から最強だったり、単に他の人に戦う姿を見せたくなかったりで一度も他人と組まずにSランク任務を20回以上こなした。
という訳で僕はこの国の勇者選定試験の基準は満たしている。もう恐れる物は何も無い。
現実世界では大学受験に破れ、ただ何も無い日々を送るだけだった。だけど今の僕には勇者になるという夢がある。この想いだけは絶対に夢で終わらせない!
そんな決意を胸に僕はハンター協会の門を叩いた。
どうも皆様こんにちは、作者です。
今回も最後まで読んで下さり本当にありがとうございます。
別の作品の方では会話中心ですが、この作品では背景の説明に重きが置かれています。
退屈かも知れませんが後々の話を円滑に進める為ですのでご了承下さい。
感想、リクエスト等お持ちしております。
それではまた次回お会いしましょう。
以上、作者でした。