ディアドラでの最初の半年間
日本人が小、中、高と何年掛けて習っても英語を上手く話せない理由は、英語が話せなくても生きていけるからだそうです。
逆を言えば、どうしても英語を話さねば生きていけないという状況に陥った場合一年や二年など掛ける必要もなく数ヵ月もあればペラペラに話せるということです。
何が言いたいのかというと、それはこの世界でもそう変わらないという事です。
僕がこの右も左も分からない世界で、美少女にこの世界の言葉を教えて貰い完全にマスターするまでに掛かった時間はおおよそ三ヶ月でした。
残りの三ヶ月は文化を合わせるのに必死でした。
衣食住の文化をこちらの世界に合わせるのに相当な時間を要しました。時折、道端を歩いていると盗賊に出くわす事もありました。大抵お引き取り頂く様にお願いするのですが、話の分からない方々は力ずくで対処しました。
初期設定の三つのスキルが非常に強力で、今までに五つ程盗賊団を潰してしまいました。
そのお陰かレベル制であるこの世界で、かなり早い段階でLv.90台に到達しました。
そろそろ転職も考えて良い頃かも知れません。
今までの『戦士』も強いには強いのですが、テクニックに欠ける面が露呈していたので、ここらで『曲芸師』を取るのも手だと思います。
そしてこの世界の情勢にも随分と変化がありました。
この世界、『ディアドラ』の南では『魔王軍』なる軍が挙兵。
近隣の市町村を次々と侵略していきました。
見かねたディアドラ最大の軍事大国『タナトス』が全兵力の2/3を割いて出兵するも大敗し、大きく国力を削がれる結果となりました。
魔王軍侵攻の不安感からか各地で反乱が相次ぎ、滅亡した都市、国家も少なくありません。
そのため各国では『勇者』を求める動きが加速し、我が国でも勇者募集が大々的に行われています。
さながらテンプレのRPGですね。
これは...僕が勇者になるしかない。
そう思い立ったが吉日、僕は我が国『ダレイオス』の勇者募集に名乗りを挙げることにしたのでした。
どうも皆様、作者です。
第三話を読んで頂き、誠にありがとうございます。
今回までが大まかな流れとなります。
後、変更点...と言うほどのものではないのですが今までは敬語で読者に語りかける口調でしたが本編に入るということでタメ口になる場面が増えます。
ご了承下さい。
それではGWを楽しんで過ごせるよう祈っております。
以上、作者でした。