お見舞い申し上げます
僕は急いで救護所へと向かった。
扉を開けるとそこには、全身に多大なダメージを受け痛々しい姿のアリスちゃんがいた。
「アリスちゃん!大丈夫!?しっかりして!」
思わず強く揺さぶってしまい、近くにいた看護師さんに
「何してるんですか!?この娘を殺すつもりですか!?」
と言われてしまった。流石に反省して、優しく頭を撫でる程度にした。
しばらくすると、アリスちゃんも目が覚めたようだ。
「う....ん、あれ、サトルさん?」
「あ、アリスちゃんやっと起きた!良かったぁ...」
自分でも言った後にはしゃぎすぎだとは思ったけど、本当アリスちゃんが生きてて良かった。
「怪我とか大丈夫?」
「えっと...多分どこか骨折してると思いますけど、生きてますよ!」
何か良いんだか悪いんだかよく分からない返答だな...とりあえずは命があるだけ良かったって所かな。
「あの、サトルさんに伝えておきたいことがあるんです。」
そうアリスちゃんが切り出した。
「ん?何かな?」
「私が負けたあの白い男の子の事です。」
白い男の子、アリスちゃんの機動力をもってしてでも勝つことが出来ないあの青年のことである。
この国の選定試験はどこかスピード勝負になりがちな所があるが、あの青年はその中でも別格だろう。
皆クロッ●アップなのに一人だけハイパークロッ●アップを使っている感じだろう。
おまけにダ●バ並の力の強さを誇っているとくれば敵なしのようにも思えるが...
「あの子と戦って分かったんですけど............」
「何!?アリスちゃん、それは本当なのか?」
「はい、間違いないです。戦ってるなかで気付いたんです。」
それは、彼に唯一勝ち得る可能性がある逆転の秘策を紡ぎ出す道標になるのだった。
どうも皆様、作者です。
逆転の秘策は、彼との戦いまでは明かさないつもりです。もっとも、思い付いていないというのが主な理由ですが。
それでは、今回はこの辺で失礼させて頂きます。
以上、作者でした。