特殊能力、開放!
「さぁ、遠慮無く私に掛かって来い!」
「あぁ、言われなくてもそうするさ。」
そして次の瞬間、僕はその場から消え去り、神の如き速さで彼女の背後に回り込み、問答無用で彼女の頭に剣の柄で一撃を叩き込んだ。
例え手練れの上級ハンターであったとしてもこの状態の僕の動きを見切ることは容易ではないだろう。
「.....うぁっ!!」
彼女は小さく呻き声を上げ地面に伏した。
「これが僕の真骨頂その壱、『神速』だ。」
この世界に入る前に設定したスキルの一つだった神速。具体的には通常の1000倍の速さを得られるというもので、5●5に出てきそうな設定だ。しかし5●5と決定的に違う点は、時間に縛られないということだ。自分が使いたいと思った時に発動する優れものである。
「中々やるじゃないか、そうでないと面白くない...」
先程の一撃が相当効いたのか、彼女も既に足取りがおぼつかない。だが僕はまだ力の半分しか出してい
ない状態だ。流石に100%フルで出すとこのコロシアム自体が危ないので程々の力で戦わなくてはならない。
「それじゃあ次は...必殺技いってみよっか?」
「また何かのスキルか?...おいおい、普通スキルなんて複数持てるものじゃないぞ。一体どんな星の下に生まれ落ちてきたのやら...」
ミルドレッドが皮肉のような言葉を掛けてくるがお構い無し。
「選ばせてあげようか、痛い方と痛くない方。どっちが良い?」
「そりゃあ...断然痛い方だ!」
何かミルドレッドがMっ気出してるような気が...いや、気のせいか。
それじゃあお望み通りにしてやるか。
「そんじゃ、とびっきり痛いので。...『覇神 轟撃破』!」
そう言ってその場で4~5mのジャンプをし、片手で持っていた剣を両手に持ちかえ、地面に降り下ろすという実に単純な動作。それを行った数秒後、コロシアムの地面、直径40m四方が『陥没』した。
「あちゃ~、ちょっとやりすぎちゃったかな。お~い、ミルドレッド生きてるか?」
「........うぅ」
ミルドレッドは生きていた。僕の轟撃破を喰らって生きていた始めての人間だ。しかし、その体は既にボロボロだった。
「もう終わりだ。どちらにしろもう戦えないだろ?」
「ぐっ!!...あぁ、もう立つことさえ出来ん。私の完敗だ。」
「試験官さん、結果お願いします。」
「あ、あぁ...勝敗は決した!東、ミルドレッド殿戦闘続行不能!よって西、サトル殿の勝利!」
「ミルドレッド、肩貸してやるよ。救護所行って医療魔法掛けて貰おう。」
「あぁ...すまない。」
まぁ遅かれ早かれ僕の力はいつか周りに見せなきゃいけないとは思ってたけど、こんなに早く見せることになるとはな...こりゃ後の戦いがキツくなるぞ。
そんなことを思いながら、僕はミルドレッドが救護所に行く手助けをしたのであった。
どうも皆様、作者です。
最近展開が先走り過ぎているというか、僕も予期し得なかった方向に進んでおります。
作者が何を言ってるんだ、とツッコミを入れられる所ではありますが本当に私でもビックリな展開です。
女の子たちの姿は妄想補完でお願いします。
私は絵が下手くそでして、絵師様が降臨されるまでは耐え抜くしか...
そんな感じで今回はこの辺で失礼させて頂きます。
以上、作者でした。




