第7話「緊急会議その2」
ふっかーーーつ!
あいあむふりーだーむー
時刻は遡り、てんやわんやとなった召喚の儀式からおよそ3時間後。
学園のとある一室では、おおよそ一カ月ぶりの緊急会議が開かれていた。
……もっとも、飾り立てのない円卓に着席しているのは、いわば暇人と称していい十数名。彼らは一応会議という名目を借り、この場に集まってはいる……が、会議は会議でもその実態は主婦の井戸端会議のようなものである。各々好き勝手に今日の感想をくっちゃべるその会議は、およそ名門王立学園とは思えない無秩序で混沌に満ちたものだった。
「今度はドラゴンですか……なんというか、まあ……」
「本人は『昔助けたことがあって、その縁で来たらしい』とか言っていましたよね」
「しかし、人型を取った時は幼女の姿だったらしいが、遠目から見た限りあのドラゴンは明らかに数百年の時を生きているように思えましたぞ。それが、そう簡単に助けを必要とする状況に陥るものなですかの?」
「さあー? 橋の下で拾ったと聞きましたが、詳しい状況は知りませんし」
「拾ったって……橋の下に落ちていたんですか!?」
「……なかなか想像しづらい状況ですな」
「あれ? 私は川をどんぶらこと流れてきた、と聞きましたが?」
「……幼女が? それともドラゴンが?」
「いやいや、どっちにしろおかしいでしょう」
「なんだか支離滅裂ですし……どうにも嘘くさいですねぇ」
同意するように何人かが頷く。
しかし、いくらそれについて議論を重ねたところで、結局堂々巡りに過ぎないことを出席者たちは理解していた。いずれにせよ、肝心の本人がこの場にいなくては、真相などわかりようもないのだ。
……いや、むしろこの際経緯はどうでもよかった。ハインレンス王立魔法学園の教師及び研究者は、総じて過去よりも未来を。これまでよりもこれからを重視する傾向を持っている。そんな、よく言えばポジティブ、悪く言えば考えなしの彼らの興味が、他のものへと引き寄せられるのに、さほど時間はかからなかった。
「まあ、ここでそんなことを話しあっても埒が明かないでしょう。そんなことより、ドラゴンとの正式契約は確認されている範囲において人類至上初の快挙なのですよ! ここは素直に喜びましょう」
「確かに。契約自体はディレイド家の嫡男が結んだようですが、それもまたおもしろい。極めて特殊な契約ですし、研究しがいがありますよ」
「……そうですね。せっかく集まったのだから、どうせならもう少し建設的な話合いをしましょうか。……そういえば、その彼女の成績はどうなんですか? 大体一カ月経ちましたよね」
新たな議題に対し最初に声をあげたのは、穏やかに会議を見守っていた重鎮だった。
「精霊魔法に関しては、素晴らしいの一言に尽きよう。まだ精霊のコントロールが完璧ではないが、それさえマスターすれば、王国一の使い手も夢じゃなかろうて」
貫禄たっぷりに言い放った精霊魔法の権威パウル老は、想像以上の逸材の発掘にご満悦の様だった。「将来が楽しみじゃ」と顔を綻ばせるその姿は、まるで孫の成長を見守るおじいちゃんのようである。 生徒のみならず教師さえも虜にするそのほんわかとした言動に、場は緩い空気に包まれる。
……が、次の瞬間生ぬるい空気を切り裂くようにしゃがれた声が会議室に木霊した。
「神聖魔法は全然だがな! やる気すら感じられん!!」
パウル老とは正反対の性質を持った、もう一人の重鎮グナイド教諭が声を荒げたのだ。
こちらは期待していただけに、その失望も大きかったようだ。“怒れる神父”の本領発揮と言わんばかりの怒声に、その場にいた若者は、自分が怒られているわけでもないのに平身低頭で「すいません」と謝りたくなった。
一方のグナイド教諭は、勢いそのまま「そもそも『一生使える気がしません』とはどういうことじゃ! 信仰心が足りんわ! まったく、これだから近頃の若者は――!!」と、老人特有の面倒くさい話を始めた。
無論、これには会議メンバーも黙っていない。なにせ、このままではグナイド教諭の“ありがたーいお説法(1時間コース)”に突入することは確実である。
長くなりそうな気配を敏感に感じ取った彼らは、目だけのやりとりを通じ、即座に話を変えることを決定した。こういう時の団結力は無駄に強いのである。
「まあまあ、落ちついてください。あんまり激怒しては血管がはち切れかねませんよ。それはそうと言語学についてはいかがですか、カイルス先生?」
「え、ええ、そうですね。まあ、やはりと言いますか、我が国の言葉以外は全く話せないようです。隔絶された場所で生活していたようなので、当然といえば当然ですがね。妙に古めかしい表現を使うのもそのせいでしょう。………ただ」
カイルスがそこで言葉を切ったのには、理由があった。
それは1週間ほど前の授業のことである。彼女が教科書に載っていた超古代文字を指さし、『このヴィシア語の訳、間違っていますよ。正確には――です』と指摘してきたのだ。
……たしかに、その部分は研究者の間でも解釈をめぐって何度か争いがあったところである。しかも彼女の主張は、この国で最も権威ある言語学者の説と同じものだったのだ。もちろん、一般的には普及しておらず、それこそ、その道の者でなければ到底知り得ない領域のもの。彼が驚くのも当然だった。
しかるに、『どうしてそんなことを知っているんだい?』というカイルスの疑問はもっともだったろう。しかし、彼女は急にハッとした後、『え? あ、あー、昔チラッと勉強したんですよ』と視線を逸らしながら答えただけだった。
――怪しすぎる。
そう感じた彼が追求の声をあげる前に、彼女は光の速さでその場を去っていた。
あとに残されたのは、手を伸ばしたまま硬直した哀れな教員一人と、どうにも煮え切らないもやもやとした感情が一つ。
そんな出来事が、彼の中で妙に印象に残っていた………のだが、所詮はそれだけのことである。わざわざここで言うことでもないか、と思い直した彼は、結局「なんでもありません」と首を振るに留まった。
「歴史学も似たようなものです。ここ最近の歴史は全く知らないようでしたよ」
「そうですか。なぜかマナーはできていましたけどね……ところどころですけど」
なにがそんなにおかしいのか、前髪をいじりながらヘラヘラしているのは、歴史学担当のケイン。その甘いマスクが女子生徒に人気の、25歳の若手教師である。
そして、その向かいで釈然としない様子で呟いたのは、上級クラスの必須授業マナー講座担当のフィリスだ。彼女もまた24歳と若いが、その穏やかで上品な物腰は男女問わず憧れの的である。そして、男子生徒の“理想の女性”投票(結婚バージョン)において3年連続首位に君臨する彼女は、ただいま新婚ほやほやでもあった。それこそ悔し涙を飲んだ男は数知れず、とかなんとか。
上級クラスを卒業して魔法士になれば、それなりにお偉い方と面会したり、公式の場に出る機会も多くなる。そんな時のためのマナー講座だ。
もっとも、上級クラスの人間はそのほとんどが貴族であり、彼らにとっては教養のようなものである。そんな復習がてら受ける貴族とは違い、平民は大抵苦労するのがこの授業のどうしようもない特色でもあった。
だが、どういうわけか噂の転校生はいくつかの点で、教師さえも目を見張る完璧な淑女っぷりを披露したのだ。特に舞踏会でのダンスやマナーにおいては、古式ゆかしい正統派の作法を完全にマスターしており、それこそ文句のつけどころもなく、むしろこちらが見習いたいくらいであった、というのがフィリスの言である。
その後も次々と噂の彼女、アリア・セレスティの評価がなされるが、ほとんどは最高と最低の極値へと二分化された。
「実技に関しては皆さん既にご存じかと思いますが、やはり他の追随を許さない傑出した才能を持っています。なにせ我々と同じように詠唱をしても、彼女の場合威力が数倍になって発動しますからね。精霊魔法と同じくこちらもコントロールが今後の課題とはなりますが、そちらの才能も鑑みれば、それこそ我が校始まって以来の逸材、といっても過言ではないかもしれません」
「ええ。火と闇の属性両方において、今までほぼ固定されていた順位を塗り替えましたしね。彼女に触発されて他の生徒もやる気を出しているようですし、いい影響でしょう」
「まあ、筆記科目全般に関しても知らないことは多いみたいですが、あの様子ならすぐに追いつくでしょう。幸いそれほど頭は悪くないみたいです」
編入試験時の筆記テストにおいて、歴代最低得点を叩き出したことはまだ記憶に新しい。当初教師たちの間では『知識が足りないのか、それとも頭が足りないのか』という非常に失礼な疑念が横行していたほどである。
だが、それも一カ月経った今では綺麗に払拭されていた。砂が水を吸うように、どんどん知識を吸収する彼女は、むしろ教えがいのある生徒として教師たちの間でも評判になっていたのだ。
「それでも、魔法具について存在すら知らなかったことには驚きましたけどね。ひどく感心していましたよ『最近は便利なものがあるんだな』って」
「…………なんだか、おばあちゃんみたいな発言ですね」
「「「「………」」」」
この場合の沈黙は、すなわち同意を示していた。
確かに、彼女はまだ年若いのに時々時代についていけない老人のような発言をする。それを不憫に感じていたのは、どうやら一人ではなかったようだ。
「で、でも、そういったわからないところも優秀な友人達からいろいろ教えてもらっているようですし……」
「まあ“優秀”、というよりは“有名”の方が正しいでしょうけど」
「たしかに」と苦笑気味に賛同する声が、ところどころからあがる。
第二王子に公爵家のツートップ、特殊体質の平民に伯爵家の女好き次男坊。それに加えてどこかずれている美少女転校生とくれば、もはやこれ以上ないほど目立つメンバーだ。類は友を呼ぶとはきっとこのことだろう。
「しかし、この前の飛び降り事件といい……まったく、話題に事欠かない子だ」
「あら、でもあれは事故だったと聞きましたが?」
「本人いわく、ね。大事がなくてよかったですけど……まあ、基本的には真面目な子なのですけどね」
「だからこそ始末に負えないのかもしれませんよ」
「なにせ真面目に問題起こしますからね。……ホント、びっくり箱のような子ですよ」
「なるほど、言い得て妙ですなぁ」
「ふふ、確かに開けてみないと中身がわからないし、心臓にも悪いですわ」
「それでも憎む気にはなれないのが、不思議なところじゃのぉ」
そんな風に、愚痴と擁護が半々ではあるが、一様に長閑でまったりとした会議ともいえない会議が続けられた。
だがその数分後、コンコンというノックとともに現れた新たな役者の登場により、場の空気は塗り替えられることになる。
「失礼する」
「学園長? それに――」
「「「「殿下!?」」」」
慌てて立ち上がり礼をしようとする一同。
それを手で制し「いや、いい。学園では一生徒として扱ってくれ」と言ったのは、この学園内で最も高い位を抱く人間だった。
しかしながら、その立ち姿は、一生徒として扱うにはあまりにも堂々としすぎている。若いながら生粋の王族としての威厳を持つ彼を、一般生徒と同じように扱えるのは、それこそ学園長と彼の担任、後は老人組くらいである。
「そ、それで、本日はどのようなご用件でこちらへ?」
唐突に現れたこの国の第二王子レストシアに、一同を代表するようにカイルスが尋ねた。
その問いに最初に答えたのは学園長だった。「アリア・セレスティについてだそうよ」と前置きをした彼女は、そのまま後方の若者を促す。それを受けたレストはひとつ頷いて、話を切り出した。
「ドラゴンを召還したこと自体は、たしかに素晴らしい実績といえるが……それでも今回は少し目立ち過ぎた。ここあたりで手を打っておかないと、他に引き抜かれる可能性も出てくるだろう。早急に対策を立てるべきだ。今日はその提案をしに来た」
「……なるほど」
カイルスの呟きを筆頭に、他の参加者もすぐにその意図を理解して、同意するように頷いた。第二王子の名に恥じない聡明さを持つと評判の彼に、感心する者も少なくない。
要するに彼女の存在なり実力なりを、隠すべきだといっているのだ。
「といっても古代魔法のことは、すでに広まっていますよ」
「ああ。だが、詳細な容姿についてはまだ知れ渡っていないだろう。特にあの目の色については」
目の色。確かにあれだけでも貴族の良い餌だ。
一般市民には、いまやそれほど意識されていないが、聖女の伝説を信じている貴族の間では、紫の瞳は今でも特別な意味を持っている。いわゆる“神の娘”云々というやつだ。
それでも、いまや上級クラスの貴族は、よほどの馬鹿でない限り、第二王子や公爵家の嫡子と仲の良い彼女に手を出すことはないだろう。
だがそれ以外の者は違う。
古代魔法の使い手がこの学園にいることは、既に“魔法士協会”も知っていることだ。つまり、事によっては他国にまで情報が出回っている可能性もある。
そんな状態で、今回のドラゴン召喚や紫の瞳のことまで周知されたら、一体どうなるだろうか。答えは目に見えている。
これは確かに等閑にしていい問題ではない。
彼女は風変わりなトラブルメーカーであると同時に、この学園のかわいい生徒でもある。まして、その魔法の才は国の宝と言っていいほど稀なもの。そんな才能の塊が、貴族に取りこまれた日には、目も当てられない事態になること間違いない。
きっと子供を産むため、もしくはその家を繁栄させるためだけの道具として利用され、その才を埋没させることになるだろう。それはこの学園にとっても、そして国にとっても大きな損失になる。
……もっとも、アリアが権力に阿る人間でないことは、既に周知の事実だった。それはこの1カ月、彼女の友人たちに対する態度を見ていればよくわかる。だから、きっと“そういう”打診が来ても、彼女は一刀両断するに違いない。
だが、それでも彼女は平民だ。いつ何時権力の荒波にのみこまれても不思議ではない。そして、そんな生徒を守るのも教師の役目である。
顔を見合わせた面子は、ようやく会議らしく引き締まった表情をつくった。やる時はやるのが、彼らの長所だ。現にこうして目標を定めた後は、湯水のごとく次々と意見が出されていった。
「さて、どこまで抑えられるか……」
「人の口に戸は立てられないものですよ」
「ならば強制的にやるしかなかろう」
「学園の門に簡単な錯覚を起こす、幻惑系の魔法をかけるのはどうでしょうか?」
「……できないことはないわね。対象は彼女の目の色と今回のドラゴンの召喚者についてかしら?」
「うん。一度術式を彫って定期的に魔力を補充すれば、それほどの手間でもないよ」
「だが本人にはどう説明する? あの娘は魔力の気配に敏いようだし、おそらく気付くぞ」
「素直に教えてしまえばいいのでは?」
「でも、あまり素直に教えて必要以上に警戒させるのも……やっぱりのびのびと育ってほしいですし」
「うむ、確かにのぉ。子どもは元気が一番じゃ」
「とりあえず適当に言えば大丈夫でしょう。世間知らずな子ですから、きっとコロッと騙されますよ。彼女を取り巻く環境については、期を見て話しましょう」
何気にひどいことを言ってはいるが、それも生徒への愛故……と彼らは勝手に解釈していた。そうして術式や当番を決め、ある程度議論が煮詰まったところで、会議はお開きとなる。
レストが、満足そうな顔で「では、よろしく頼む」と出ていくと同時に、会議の参加者もそれぞれ席を立つ。
「そういえば……どうしてわざわざ殿下がいらっしゃったのでしょうね? たしかに彼女とよく話しているのを見ますけど……」
フィリスの疑問に答えたのは、相変わらずにやけ顔を貼り付けたケインだった。
「そりゃあ、あれでしょ、青春でしょ」
「……ああ、青春ですか。いやぁ、いいですね」
「というか、殿下もちゃんと青春していたんだ。なんか安心ですー」
「ふむ、若い者はいいのぉ」
去りゆく第二王子の後ろ姿を、生温かい目で見送る大人たち。
そして同じく孫を見守るように目を細めていた学園長も、「さて、戻りますか」と呟き腰をあげようとしていた。
その時「ああ、学園長」と思い出したように声をかけたのは、上級クラス5年を受け持つバッシュ・フラストだ。それまで何か探るように会議の行く末を見守っていた彼は、実にさりげない動作で彼女に近づいていく。
「これ、今月の修理費です」
そうして彼女に手渡されたのは、薄っぺらい紙一枚。
「修理費?」と聞き覚えのない単語に眉を顰めるも、結局彼女は何の心構えもなく、不用意にその紙を覗いてしまった。
……そして、当然の如く白目をむく。
そのままふらりと倒れかかる彼女を、近くにいた教師が慌てて支える。ニーナはその介助を受けながら、ふらふら覚束ない足取りでバッシュのもとまでいき、珍しく声を荒げた。
「な、なんですかこの額は!?」
紙を持つ手がぶるぶると震える。もし紙が声を持っていたら、悲鳴をあげているところだろう。
だが、今の彼女に、引きちぎられそうな紙の行く末に心を割けるほどの余裕はなかった。なんの修理費かは知らないが、どう考えてもゼロが二桁ほど多いのだ。
何度確認しても、悪夢のような数字は消えてくれない。
一方、そんな彼女の剣幕を軽く受け流したバッシュは、いけしゃあしゃあと言い放った。
「いやぁー、うちにはかわいい顔をした破壊魔がおりまして」
その言葉に、退出しようとしていた教師たちが「ああ」と顔を見合わせる。名前を言わなくてもわかる。そう、犯人はさきほどから話題にあがっていた“彼女”だ。
毎日校舎のどこかで聞こえる爆音は、もはや日課となっている。最近では『今日はまだ聞こえないぞ』、『そろそろだろ』、『あれが聞こえないと最近落ち着かないんだよな』という、わけのわからない評判にもなっていた。
もちろん、そんな呑気な感想が出回っていたことを、驚愕に震える学園長は知らない。基本デスクワークや客人の相手が多い彼女は、爆音と結界が壊れていることは知っていたが、それ以上に物的被害が出ていたとは、思いもしなかったのだ。
“素行の良い問題児”というなんとも扱い辛い生徒。純朴な娘であり、二―ナ自身もそんな彼女が決して嫌いではなかった……のだが、さすがにこの時ばかりは五寸釘を打ちたくなった。
そうして、数秒間の複雑な葛藤を経て、やがて全てに達観した彼女は、遠い目をしながら静かに呟く。
「………特別予算、王宮に頼もうかしら」
今すぐにというわけではないが、いずれにっちもさっちもいかない状況になるのは覚悟しておかなければならない。
その時は王宮の財務担当との折衝、という名の激しいバトルが待ち受けている。憂欝で仕方ないが、最終手段として殿下のコネを使うという方法もある。どうやら随分と彼女のことを気にかけているようだし、うまく働きかけてくれることを期待するばかりだ。
生徒を頼りにすることを情けなく思いながら、ため息まじりに空を見上げる。
夕刻を告げる薄紅色の空が、ひどく綺麗だ。
――学園長ニーナ・シンク・ヒーストン。
彼女の頭の痛い日々は、まだまだ始まったばかりだった。
3週間もお休みしてごめんなさい(土下座)
でも、ようやくやることも終わって、小説書く時間もできました。
これからはもうちょい早めに更新できると思いまーす。