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禁忌の果実と攻略眼  作者: 御中御庭より


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第六話 お助け

旅を始めて二日目。


俺達は二つ目の街に着いていた。

街の名前は、覚える必要もないだろう。


今日も森に入って日銭を稼ぐ。


「エリオ!そっちに行ったわ!」


「トカゲ!?こんなのもいるのかよ」


地面を這う魔獣の首を斬る。

首を斬られた後も動いていたが、やがてそれは止まっていった。


「ふーこれで四体、ね。この森魔獣ほぼいないし、今日は引き上げ」


「きゃあぁぁぁ!」


森の奥から甲高い悲鳴が聞こえた。


「エリオ」


「あぁわかってる」


急いで声の方向へと走り出す。


数多の木々を越えた先、人影が見えた。


何かを囲うように剣を持った鎧を着た人が数人立っていた。

中央には少女。

赤い髪の少女と、誰かが横たわっている。


「なにを…」

「なにしてるんだ!!」


通る声が木霊する。

セリフはヴェルに取られた。


鎧を着た人達がこちらを向く。


相手の言葉を聞く前に手が動く。


炎の槍(ファイアーアロー)!」


正面二人をノックダウン。


少女は泣いていたが、どこにも怪我は見当たらない。

横たわってる人は、後で埋葬しよう。

取り巻きは、残り六人か。


「ここで何をしていたんだ」


「……ヘッ、見りゃ分かるだろ。邪魔すんじゃ…」


六人。俺とヴェルの二人でかかればどうってことのない数だった。

最初に倒した奴の剣を奪い鎧の上から顎を叩く。

殺してはいない。

ただ倒しただけ。


「あ、あ」


少女はこちらを見て目が潤んでいた。

見るからに幼い、リリと同じくらいの背丈だ。

俺は肩膝をつき腕を広げた。


「ん゛ー!」


胸に飛び込んできた。顔を埋めて。


「ヴェル、あの人たち運ぶから、土魔法で縛っておける?」


土魔法を使いリアカーを作る。

少女の護衛をしてたであろう人も乗せる。

乗らない人はヴェルが肩に乗せた。

少女は森を出るまで俺の胸に掴まって離れなかった。



とりあえず、ギルドに報告することにする。


街の門に着くと一人の男が現れた。

黒服……身なりからして執事か?


「お嬢!一体どこに行っていたのですか!この者たちは誰なのですか!護衛のものはどうしたのですか!」


「…」


「森の中に居ました。この人達に襲われていまして。護衛の方は、残念ですが亡くなられました」


「左様ですか…む、この方々…」

「…とりあえず、お礼をしたいのですがいかが致しまし」


「およめになる!」


静寂が流れた。

少女の顔を見る。


「おれいはわたし!」


少女は凛々しい目でそう告げた。

執事は困った顔をしていた。


「いえいえ、大丈夫ですよお礼なんて」

「とりあえず、この子と彼らをお渡ししますので護衛の方を…」


「ム゛ー!」


____


「あー大変な目にあった」


宿のベットに顔を埋める。


あの後、ヴェルが少女を何とか引き剥がした。

何か叫んでいたが執事に抱かれてから少し大人しくなっていた。

運んでいた彼らを引き渡しとりあえず落ち着いた。


「お嬢からのプロポーズ、受けておくべきだったんじゃない?」

「……冗談よ怒らないで」


「…ま、とりあえず何とかはなったけど、今日の報酬無しはきついな」


「名刺貰ったでしょ?後で聞いて見ましょう。小さい街だしすぐ会えるでしょうし」


「そうだろうけど、さ…」

「ヴォフ」


ヴェルが俺の背中に腰掛けてきた。


「ヴェル!お前」


「エリオ、気づいた?あの護衛の人」


「え?」


「胸に付けてたのよ。バッチ」

「貴族とかって、ペンダントで身分を見せるでしょ?だからあの護衛の人、桃源郷の人だわ」


「…」


「話はするべきだと思うのよね。あの黒服の人に」


「…」

「いつまで俺の背中に座ってんだ降りろケツ星人」


「んなっ!」


右頬をしばかれる破裂音と共に俺は、今日という日の幕を閉じた。

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