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第五十話

いやーーーーーーーーーーーーーー、50話まで続けるとは思ってなかったと自分に驚く自分がいる。

 石畳を踏みしめ、そよ風を感じ心地よい日の光を浴びながら豪華な屋敷向かって歩く。視界に映る物全てが煌びやかに見え、右、左と首を忙しなく振って景色を目に焼き付ける。


 あの薄暗い森を抜け橋を渡った時からまるで絵本の中に入り込んでしまったのかと錯覚してしまいそうだ。


 長い道を歩くと豪華な門扉が見え、それは固く閉ざされていた。何やら凝った装飾とそれに絡まった緑から咲く花が見事に調和し一つの作品のような出来栄えだ。


 しばらくそれを眺めて楽しんでいたが、もちろん門扉が勝手に開くはずが無いため仕方なく俺は門をこじ開けることにした。


 門扉に触れると静電気のようにパチッと指先に刺激が走り思わず手を離す。恐る恐るもう一度触れるが何事も無く門扉に触れられたのでそのまま力任せにこじ開ける。


 手入れが行き届いているように思えたが、錆び付いているのか、グガガッという鈍い音を出しながら門扉を開けた。


 入ってすぐに見える丁寧に切り揃えられた植え込みはまさに職人技で見ていて気持ちが良いし、誰が彫ったか知らないがいかにも高名な者が彫刻した像がいくつも置いてあり景観が一々オシャレだ。


 なんちゃらミュージアムとかなんちゃら美術館とか子供のころ行ったことがあるけど、つまんなかった思いでしかなくて何が面白いのかその時は分からなかったけど、今は何となくだけど…… すごいなっていう…… うん、まあ、ほら、何ていうかね、そういう、このー…… うおっと!?


 見慣れないモノに心躍らせながら庭園を散策している途中、背の高い植え込みを曲がると何かにぶつかる。


 黒くて長いスカートのワンピースに白いエプロンの女性の作業着、そういう場所に行かないから実物は見たことが無いから初めて見たがフィクションでは死ぬほどお目にかかるメイド服を着た女性が倒れていた。


 俺は地面に倒れたこのメイドさんを助け起こそうと近づいてみるとあることに気付き驚愕する、何と頭がついていなかったのだ。


 頭が無い!? いやでも手はあるし、足もある。そういえば遺跡の地下にも頭が無いやつがいたな、もしかして同じ種族か何かか?


 まじまじとメイドさんを観察しているとようやくあることに気付く。


 やべえ、メッチャメイドさん震えてる。やっぱり俺って怖いのか? そうだよなぁ、遺跡の連中は俺を見るなり攻撃してくる野蛮人ばっかで分からなかったけどこれが普通の反応なんかな。ああもう、そんなこの世の終わりみたいな雰囲気を出さないで、ね! 何もしないから!


 頭が無いため表情や声色から感情を読み取れないはずなのにその身振りだけで何となくメイドさんの気持ちが伝わってくる。


 どうしよどうしよ。そうだ! 『俺は客だ! 案内されてここに来たんだ!』


 咄嗟に暗示スキルでメイドさんの誤解を解く…… いや誤解してもらう。


 そう俺は今日ここに来るように言われて来た。だから不法侵入でも何でもない! ハズだ。


 メイドさんがキョトンとしたようにこちらを多分見ている。数秒後、『そうだったんですね!』と言わんばかりに立ち上がり服の汚れをはたいてから、上品な動作で俺を案内し始めた。


 こちらですって感じか? 取り合えずついて行くか。いやー一時はどうなるかと思ったけど何とかなったなあ。


 俺はそっと胸を撫で下ろしメイドさんの後に続いた。

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