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第四十八話

 古くからこの地に根を張り、迷い込んだ者たちを惑わし、狂気させ、一匹残らずその地の養分に変えて来た。そこに生える植物は皆一様に複数の眼を持ち、その眼と目が合った侵入者は皆例外なく正気を失い、その森を彷徨い続け、やがて骸を晒しこの森の一部となる。


 空を悠然と我が物顔で飛ぶ熱と空の支配者、何人も決して触れる事のできぬ神々しい毛皮を携えた一角獣、太古に鉄と知恵を授け混沌をもたらした6枚の黒鉄の翼を持つ伝承の悪魔。

 かつて存在したそれぞれの時代の支配者も、例外なくこの森の一部となり今やその存在の痕跡は完全に消え去った。


 森の先に何があるのか、楽園か、黄金か、神秘か、時間が流れるにつれ秘密は姿を変え知恵ある者を魅了したが、その先に惹かれる者たちが消え失せたのも当の昔。今やこの森に足を踏み入れる者はおらず、ただ静かに退屈に眠るだけだった。


 だが、ある日この森に足を踏み入れる愚か者がやって来た。大きめの足音、獲物を待つあからさまな雰囲気に何の躊躇いも無く侵入してくる、まさに絶好のカモ。


 森の草木は瞼の裏で目を血走らせる。


 もはや年という単位では計り知れないほどの待ちに待った獲物、じっくりと味わうために何年も何年も掛けてゆっくりと嬲り殺しにしてやろうと思っていた。


 ドス…… ドス、とゆっくり着実にこの森の奥深くまで進んできている。入り口付近ではもしかしたら逃げられる可能性もゼロじゃない、久々の狩で獲物を逃がすことが無いよう獲物が森の中心まで来るのをじっくりじっくりと待つ。


 獲物を見るのは楽しみに取って置く、そいつがどんな奴でどんな風に狂って逝くのかを楽しむためだ。

 足音の振動や息遣いの感じからそれなりに大きい獲物だと分かり森は歓喜する。小さい獲物だとすぐに死んでしまってつまらない。大きいとその生命力の分、長く悶え苦しむ様を眺めてられる。


 獲物がその場所まで近づいてくる。あと少し、あと少し……


 木々が風も無いのに騒めき始めその時が来る。森は一斉に狂気の目を開け、ソレを見る。


 久々の獲物にはしゃいでいつもより目一杯、見開かれた眼に映し出されたのは…… 化け物だった。


 自分たちの狂気が霞んで見えなくなるほどの恐怖を身に纏い触れる物全てを死滅させんばかりの得体の知れない化け物が闊歩していた。


 森は静かに目を閉じる。嵐が過ぎ去るのをただ祈りながら。






 ・・・






 あのうまい実をつける木が指した方向に進んだ進んだはいいものの、昼にしては薄暗さが広がるだけの代り映えのしないただの森が広がるばかりで正直期待外れって感じだ。


 まあ、強いて言えばこの森の木は、突っつくとダラダラと樹液を滴らせるぐらいだ。試しに舐めてみたりもしたが味は無い。



 俺は来た道を戻るのも何だか勿体ない感じがしたので、せかっく此処まで来たのだからとトボトボと歩きながらため息を吐いた。


 その瞬間周りの木々がビクッと動いたような気がするが、たぶん気のせいだろう。

画面切り替えたり、別タブに切り替えると書いてた文章がめっちゃコピーされるの何なん?

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