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第四十七話

 俺、何やってんだろ……


 行けども行けども、森、森、森、川、川、川、山、山、山、アレ? 異世界って案外退屈な場所…… イヤイヤ、そんな事は無い。


 どうも感覚が狂って来てるな、俺が最初に居た所なんて化け物しかいなかったから、この静けさこそが本来の異世界の姿かもしれない、いやきっとそうだ。


 あの遺跡、俺にとってはもう第二の故郷みたいなあの場所を出てから一向に生き物と鉢合わせ…… 正確には俺の丹精込めて作った槍をパクって行った魔物がいたが、アレは、まあ、除外するとして、一向に出会わない!


 別に戦いのようなスリルの有る刺激を求めてるんじゃない、俺は確かに遺跡を出てから向こうの世界の友達にメッセージを伝える目標はあるけど、この異世界を見て回るっていう目標もあるわけで、ここまでの、こう、なんて言うかさあ、広大な自然とか豊かな大地みたいなもんは、もう、ね!!!


 しかも遠くの方に見えた謎の巨大な何か、ぜんっぜん近づけねえし、ずっと薄っすらとしてるし、大きさ変わんねえし。


 ただひたすらに時間だけが過ぎてる気がする。


 まあ別に、今の状況が嫌だってわけじゃない。見ての通りの人間とは程遠い姿だけど心というか気持ちと言うか内面の部分が最初の頃より前向きになっていい方向に向かってると思う。



 はあ、とその前向きな心を皮肉るようなため息を心の中で吐く。


 すると横からスッとリンゴの形をした真っ青な実が付いた枝が伸びてくる。


 見ると、そこには他の樹木より若干青みがかって幹が湾曲した木が生えていて、それがこちらに実を差し出していた。


 言葉によるコミュニケーションというかこの体では唸り声しか出せないため『ありがとう』と感謝の念を送る。



 一方的ではあるけどどんな奴ともコミュニケーションを取れるんだから、このスキルホント便利だな。



 そう思いながら一口で実を口に入れ数回の咀嚼で呑み込む。



 うお!? メッチャ、サイダーの味がする、ていうか果汁も炭酸みたいにシュワシュワだ、マジかもっとゆっくり食べればよかった。この手の植物は何度か見かけたけど、なんていうか瑞々しいんだけど、味が…… 瓜っていうか、スイカの皮に近い所っていうかで、うん。


 もっと食いたいけど見た感じさっき食ったやつしか実は生ってなさそうだな、いやでもまた食いたいな…… そうだ!!



 俺は生成スキルを使い早速とある物を作った。



 出来た! だいぶスキルの扱いにも慣れてきたからか作るのが早くなったな。これぞ成長の証だ。



 俺が作ったもの、それは剣だ。長く厳かな肉厚でスラッとした両刃の刀身に主張のないシンプルな持ち手と柄。まさにゲームに出てきそうな剣だ!


 ロングソードだとかバスターソードだとか、ツヴァイだのクレイモアだの正直この作った剣がどこにカテゴライズされるかどういう名称が正しいか知らんが、まあ、剣だ。


 俺にとっては片手剣だけど俺より小さいと両手剣って感じかな、まあ関係ないけど。



 俺は作り出した剣に暗示をかけ、俺に実を差し出した木の傍の地面に深く刺しこむ。



 良し! これで何処に居てもこの場所がわかる、ついでにこの剣に木を守るように暗示をかけたから誰かがこの木に危害を加えようとしても大丈夫だ。



 すると木が僅かに揺れ動く。


 え、もしかして余計だったか? 俺は心配になり咄嗟に剣を引き抜こうとする。すると


 枝やツタがシュルシュル伸びてきて俺の手を制止する。手を離すと伸びて来たものが剣の纏わりつき決して離そうとしない。



 気に入ってくれて良かったけど、何ていうか感情表現豊かな木だな、もしかして意思疎通とか意外といけるのか?



 俺は試しにこの周りで見慣れないモノは無いか、暗示でそう尋ねてみた。冗談半分で聞いたことだが何と木はある方向を枝で指し始めたのだった。



 マジかよ……



 俺は早速その方向に驚き止む間もなく歩みを進めたのだった。

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