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第三十六話 過酷だった道のり これからも

 クソ! どいつもこいつもあたしの事を舐め腐りやがって……



 内心悪態をつきながら山を登るサラ。起床してからすぐに準備を済ませ早速山を登り始めて早々にサラは命の危機に瀕していた。


 全長が二階建ての建物と同じくらいの巨大熊と遭遇していたからだ。気付いた時には真横まで接近されていて目が合うものの急いでスキルを起動し息を殺してやり過ごせたのである。


 頭の中で何か別の事を考えてないと頭上から聞こえたあの荒い鼻息を思い出してしまう。そのため懸命に上層部に対して、これまでの事に対して罵詈雑言を頭の中から浴びせる。



 しかも、こんな命がけの任務に無理やり就かせるなんて上層部の頭湧いてんじゃねえのか? 一回頭かっぴらいて虫眼鏡で覗いた方が人類にとって有益なんじゃねえのか。


 こんな事ならレベルなんか上げずにいた方がよっぽどマシじゃねえか。はあ…… いや、レベルとかの問題じゃない。そもそも(ゲート)に入るべきじゃなかったんだ。



 ふと昔の事を思い出してしまう。



 偶々見つけた門に入ってレベルアップして、偶々マナ変質が起きてこんな髪色になったと思ったらスキルが使えるようになって、最初は幸運だと思った。


 力を得たあたしが真っ先にしたのは報復で、最初の標的はクソ親父だった。


 身の上話を簡単にすると、あたしが生まれてすぐに母が死に幼いあたしに暴力を振るった…… 別の暴力も振るった。


 親父にも思わず同情してしまうような悲しい過去があるのだろうが、あたしには関係ない。親子の絆とか情とかそんなもの一切ない。


 あるのは、ただただいつかこの恨みを晴らす。あたしにこんな惨めな思いをさせたすべての連中に復讐する。それだけだった。


 最初に発現したスキルは、調べるとニンジャスキルというダサい名前のスキルだったがこれが結構使えるスキルだった。効果は単純、存在感を薄めるというものだ。


 これがもう便利も便利。


 親父を殺してから数日経つとさすがに警察に追われるようになった。普通の何の後ろ盾も無い一般人ならもう逃げられないだろってくらいの状況だったが、このスキルのおかげで逃げ続けることができた。


 あたしのこのバカみたいなピンクの髪はいやでも通行人の目を引いてしまうがあら不思議、ニンジャスキルを使うと白昼堂々、何なら警察の目の前を通ってもあたしに気付かない。

 マナの総量がまだレベル1で少なく長い時間は使えなかったが万引きして住処に帰るくらいなら余裕だった。


 あたしはこのスキルを駆使し今まであたしの事を虚仮にしてきた連中に報復してったってわけだ。まあそこからおいおい色々あって、なんやかんやヘマして紆余曲折してここにいるわけだが。


 改めて考えるとため息しか出ない。あたしの人生は生まれた時からひどい有様だ、このままいくと最後までかもなあ。



 大分落ち着きを取り戻し、山の頂上付近に着くころにはさっきまで煮えくり返ってた怒りも鳴りを潜め今では冷静に任務に集中できている。



 もう一山越えた先か。



 昨日駆け抜けた森を抜け草原に入るとレベルが4になる。そしてその草原をさらに進み見える山を二つほど越えると()()レベル5だったエリアが見えてくる。


 今回の任務はそのエリアをさらに抜け隣接しているレベル6のエリアを調査すること。


 調査といっても今のレベルで入ると確実に精神圧死が起きるため、やることは二つ。

 一つは服に備え付けられているカメラに映像を収めること。もう一つはマナの境目ギリギリからスコップなどでレベル6エリアの土とか木とか、もう何でもいいから採取してくること。


 なんでもいいから採取って、入ったら死ぬっつってんのに馬鹿なんじゃねえかと思うが任務なのでやるしかない。


 気合を入れなおし、ここから先はほとんど未知の領域、何が起きても動揺しない覚悟でサラは山を下る。それからペースを若干上げ、警戒しながら進むこと4時間。

 ついに辿り着く。





 そして驚愕する。





 眼前に広がる、灰色の森に

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