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第三十五話 前夜

 内心激しい憤りを抱えこのストレスを何かにぶつけたいサラだったが、そこをグッと抑えて森の中を進んでいた。


 現在位置は(ゲート)から約50㎞北西に進んだレベル3の森の中に位置にいる。

 これだけの装備を着込んでも半日かからず、しかもまともな道も無いのにここまで進んで来れたのは偏にレベルのおかげなのだが、無駄に高レベルなのが仇となりこうして厄介な任務に当たらせられると思うと過去の自分を責めたくなる。


 そうしているうちにサラは森を抜け広大な草原へと足を踏み入れていた。草原からは移動の速度を落とし慎重に周囲に気を配りながら進んでいる。


 この森は抜けるとその先に草原が広がり先の方に連なった山々が見えのだが、ちょうどこの森と草原の境目がマナの境目にもなっている。つまり森を抜けるとレベルが4に上がる。


 サラのレベルは4後半なので適正レベルに思うかもしれないが、いくらマナの総量が同じでもスキルの差や元々ある生物としての差があるため、この地域内でサラがまともにやり合える魔獣は非常に少ない。


 したがって、このエリアではいやでも慎重にならざるを得ないのだ。


 本来ならサラの保有する隠密系スキルを使いたいのだが目的地はまだまだ先、しかもあの山を越えた先にある元々レベル5のエリアだった場所をを抜けて前人未踏のレベル6の鼻先まで行かなくてはならない。


 その場所で何が起こるか分からないためマナ温存のため、無暗にスキルを使えないのが現状だ。そのため今まで培ってきた経験と知識、そして自分の五感をフルに使って今は進むしかない。




 段々と日が傾いてきた。


 これまでのペースが嘘かのように時間がかかったがようやく予定していたポイントに到着した。この地域はレベル4のためあの現象前から何度か調査が行われていたためこうした野営地がいくつかがすでに用意されていた。


 まだ絶対安心とは言えないが束の間の休息にホッといやストンと胸を撫で下ろす。


 テントの中で休息の準備をして最後に定刻を待つ。

 異世界では無線による通信があまり有効的ではない。おそらくマナによるものと言われていてその証拠にレベルの高い地域に行けば行くほど通信障害が激しくなる。そのため、いくつかの中継地点を作りバケツリレー式に通信をしている。


 彼女の後続が今頃いくつかの通信拠点を構築中だ。本来ならここまで進みながら人員を指定地点に配置していくのだが、急を要することもあるが、現在彼女以外にレベル4がおらずさらにレベル3以下では彼女の足に追いつけないためここまで孤軍奮闘してきた、というわけだ。


 定刻となり通信機で連絡を入れると彼女にとって聞き覚えのある野太い声が聞こえてきた。


「よう、調子はどうだ」


「ライルふざけてないでまじめにやってよ」


「いいじゃねえかよ、俺とお前しか聞こえてないんだからよ ま、イライラすんのもわかるけどな」


 相変わらず軽薄な態度に思わず舌打ちをしてしまう


「別にイライラしてないし、むしろあんたのせいでイライラすんだけど? ていうか早く向こうに連絡入れろ何かあったと思われんだろが」


「オーケーオーケー そんな強く言うなよ、そんなんだから・・・」


「おい」


 途中で遮るがそのまま別の話を続ける。


「というか、この前の返事を聞きたいんだが?」


 この場でデカい声は出せないので、押し殺しつつも怒りを込め通信機を睨め付けながら一言。


「黙れ」


 流石に観念したのかそそくさと話題を終えた。


「わかったよ、それじゃ通信終了」


 サラはライルの自分に対してどこか舐め腐った態度に結構イライラしている。

 通信ではわかりづらいが部隊に配属されてからも一々馴れ馴れしいし、ていうか下心とか下種な考えが見え見えで法が許すならサラはライルをぶち殺してるところだ。


「あの腐れチン〇野郎が・・・ てめえの逸物刻んでピクルスにして、下の口から食わしてやるからな」


 寝る直前にさっきの通信の事を思い出し思わず口に出してしまう。




 相変わらず口が少し悪い。

一日でエピソードを複数投稿する奴がいるけど、そいつのほうがよっぽど化け物だと思うんだけど気のせいか

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