第8話 JulyFestival〈予告編〉
「ん?俺、スマホなんて持ってたっけ?」
…………………………………………………………………………………えー?ぜっっったいもらってないと思うけどな?
まあ転移前に記憶を消されたとかなんとかでわすれているだけなのであろう。持っていれば便利だし。正直考えても無駄である。
さて、今の通知音は先生の携帯からなったのと同じ物。
つまり、これはニュースアプリの速報である。
もしかしてだけど…
「襲来警戒アラート 解除。今回のものは誤報。」
だそうだ。
…よっしゃ!ついに(2日目)この世界の家に帰れるぜ!
みんなの携帯も通知音で目覚めていたので、
「誤報でよかった…」とか、「何でこんなに誤報多いかな…」とかで騒がしい。
その騒ぎを聞きつけた先生が来た。
「おーい どうした?早く寝ろ?(•‿•)」
少々不敵な笑みを浮かべている。
「でも先生、誤報だったらしいですよ。」
生徒の一人が言う。
「そうか、それはよかった。」
「でも、朝まで寝るのと誤報は違うよな?」
先生特有のちょっとよくわからない屁理屈なのかそうじゃないのか分からないやつである。
生徒はみんな怖がっているのが見受けられた。
この先生って怖かったんだ。ちょっと体育会系ぽかったけど。
そうしてみんなまた眠りについた。
そして朝が来る。
「おはよう。」
挨拶の文化は変わらないようである。
またもや携帯の通知音がなる。
「ん?なんだろう?」
みんなが少し強張った表情をしている。
多分みんな誤報が誤報であったことを恐れているのであろう。やはりみんな帰りたいのである。
「誤報の原因の詳細 悪のエネルギーが…」
もう少し詳しく見ようとその通知バーをタップする。
「ここから先は指紋認証が必要です。」
あー。なるほど。まあそりゃそうか。
今まではロック画面に表示されるやつで見ていたのである。 本来ホーム画面から見るやつをみようとしたのだから、当然っちゃ当然か。
指紋認証でよかったなどと思いながら、指を一つずつ当てていく。すると、右の薬指がヒットした。
しかしなんで薬指?
そんなことはどうでもよく、ニュースに目を向ける。
「誤報の原因の詳細 魔力発電所に使われている悪のエネルギーが少し暴走したと思われる。そのため、国は「魔力発電所の安全が確認されるまでは念の為近づかないように」と言っている。」
少し前の世界の口調が違う。違和感を持ったが、もう慣れてしまったため、ツッコんだりはしない。
そんな中、学校の放送がかかった。
「1年の生徒諸君は至急教室に戻るように。」
だそうだ。
そしてみんな教室に戻り始める。
みんな教室に戻ると、「あー家に帰りてえー」とか言っている人がちらほらいた。
そこへ、あのちょっと怖めな先生が入ってくる。
「よおみんな、元気かい?今日は話が2つある。」
「まずはじめに襲来警戒アラート解除のお知らせをしようとしたんだが…もうみんな知ってるのでやめる。」
「じゃあ2つ目は何かって?少し考えてみろ。」
その瞬間、みんながざわざわし始める。
「新しい校舎とか?」「なんか事件があったんじゃないの?」「僕たち1年がなんかやらかしたかな?」
「正解は………JulyFestivalだ。」
「先生、何ですかそれ!」「なんか楽しそう!」
生徒たちがワイワイ騒いでいる。って俺もだがな。
「JulyFestivalとは!日程表にも書かれていない、
毎年行われるこの校舎の外でのお遊びタイム!夏休み中の何処かで行われる。参加したい人は、まず参加表を提出し、一定の課題を終わらせる。まあ、課題はいつもの夏休みのドリルだけどな。みんなそのドリルを学校にやりに来るだろう?そして、いつかはわからないが学校にドリルをしに来たあとにそのまま行くのさ!どこで開催なのかは俺もわからないが、2泊3日だ!」
「では今から参加票を配る。」
「みんな参加するかい?」
「もちろんだ!」みんなが声を合わせる。
俺も行きたい!なんだそのワクワクな行事は!?まるで修学旅行じゃないか!
ここは多分日本の東京都である。遠くても静岡とかだろうか。まだ1年だし。
そんなこんなで、この世界の楽しみが一つ増えたのであった!!!!
JulyFestivalは楽しい!…と思います。