第2話 学校への道のり
思った通りに進まないですね。どうしよう…
目を開けた。
目を開けたその先には見慣れない景色が広がっていた。駅名標には新四駅と書かれている。
しかし、駅の校舎がより豪華に、近未来的になっていた。柵しかなかったところに絵の描かれた壁が。外が丸見えだったところには模様付きの窓が。
何もかもが都会の駅のような形になっていた。
少し悲しく思う。電車が来た。不思議な電車だ。さっき感じた風がもう感じなくなっている。
自分は違う世界に来てしまったのかと心の何処かで悟る。座席は新幹線のようになっていて気持ちがいい。また、個室になっていてさらに気持ちがいい。
あの古きよき電車ではもうなかった。
次の五町駅につく。
個室であるため人がどれくらい乗ってきたのかは知らないが、多くの足音が聞こえる。
少し外へ出てみた。人はいない。
個室はどれくらいあるのだろうか。
埋まる気配がない。駅メロが流れる。
新四駅の駅メロとは違う。まるでAIが作ったかのような音だ。
また次の駅へと電車は走る。「次は赤土駅〜赤土駅〜」さっきは自分はどうなったのか気になって気が付かなかったが、まるで脳に語りかけてくるような感じの声である。
声といえば、自分の声はどうなったのだろうか。自分が廊下に出た感じ音は聞こえなかったので、防音構造なのだろう。
少し歌ってみた。歌ったのはMr.の「旅立ち」だ。昔好きだった曲である。
「!?」やはり声が変化していた。しかしそれだけではなかった。自分の声は外に出しているのではなく脳の内側へと侵入してくるような声だった。
しばらくして、人が自分の個室の中に入ってきた。
「勝手に他の人の脳内で歌うな!歌うなら電車を通じたテレパシーを切ってから歌え!!」
だそうだ。すべてがよくわからないが、聞くのもなんだが億劫なので、聞くのはやめた。
そうこうしているうちに乗換駅の千本木駅に着いた。ちゃんと乗換先は存在している。
なんだかうれしかった。
そしてしっかりと乗り換えをして、と思ったら、改札がない!
それもこの世界の仕組みなんだろう。そう思うとすべて解決したように思えた。
見えない改札を通る。
乗り換えてまた個室に入り、歌の実験をして、怒られて、どうやったらテレパシーなるものを切ることができるのか探る。
窓の外に顔を出して歌う。成功だ。
しかし電車の中で独り言でも喋りたい。
だが、学校の最寄り駅に着いても分からなかった。仕方がなく降りる。
降りてからいつもとは違う風景を楽しむ。
もうこの世界を楽しむことにした。
そして学校に着く。
着いたところでこの世界に来てからもう何度目かわからない驚きを感じることになった…
この物語、当初ともう異なった進み方をしています。僕もどう進むか分かりません。