第9話 俺の新しい日常①
正直、この回は簡単に読むだけでいいと思います。日常を語った回なので。
あー…帰宅…か。
なんだかこの2日間色々ありすぎたのである。
1日目。まず転移。次に俺の声が謎の声になる。そして急な能力測定でなんか足が速くなってた。んで、この世界のことを知った。その後に自分にもGIFTがあることを知った。そして襲来警戒アラートがなって学校で泊まる。そしてそれが誤報だった。これが1日目の情報量である。正直多すぎ。
そして2日目。朝からなんだか楽しげなお泊り行事を教えられて解散。そして帰宅。まあ、今に至るわけである。
最初は楽しみだった帰宅でも、今となってはあまり楽しみではなかった。もっと驚きのことが色々ありすぎたのである。
でも、まだ父と母復活、そしておば復活の希望は捨てきれない。
帰路につくと、まず疑問が浮かぶ。
どうやって学校から出るのだろうか。そこは、きっと誰かが説明してくれるであろう。
噂をすれば!レオンが来た。
「今日は何月何日だと思う?」
レオンが言う。
「今日は…4月17日だ!」
「了解。ありがとう。」
なんだか愛想がないなあ…
「21の魔法:光月」
レオンがそう言うと、
「レオン、退場。」
そうドアがしゃべった。
そう、ドアがしゃべったのである。
ん?と一瞬思ったが、よく考えると、元の世界の電車のアナウンスでも喋るじゃないか。
ちょっと俺もおかしくなっているのかもしれない。
ってこれ、俺出られなくない?俺GIFT使えなくない?
え…オワタ…帰宅も出来ないじゃないか。
「おい、ラウス、早く来いよ。」
「え?」
「早くこっちに来い!」
「もしかして…ドア抜けられるのか?」
「はぁ?何いってんだ。当たり前だろ。」
そうなのか…まあよかった。
帰れそうである。
その後俺は学校から出て、歩き始めた。
来るときは転移して焦っていたから気づかなかったけど、意外と遠かったんだな、駅まで。
そのまま駅に着く。
少し電車が来るまで時間があるようだ。
俺が転移したのは何か理由があったのであろうか。
それとも、ただの神様(?)の気まぐれ?
なんにしろ、転移してしまったのは確かなのである。考えても仕方がないことだ。
でも、正直元の世界に帰りたかった。
俺はダメダメであったが、それなりに元の世界は楽しかった。慣れた世界の方がよかったとどうしても思ってしまう。
他の奴らはどうしてるかな。もしかしてこことは時間軸がズレているかな?スマホの連絡先に電話しても出たのはこの世界の人々だった。つまり、この世界の人々と向こうの世界の人々は1人ずつ同じような人がいるということだ。つまりこの世界にも「この世界の俺」がいたはず…
そんな事を考えていると、車掌さんに声をかけられた。
「おい、大丈夫かい?早く乗らないと電車、行っちゃうよ。」
優しい車掌さんである。
うん、そうだな。電車に乗らなければ。
そのまま俺は電車に乗った。
その時に思い出したことがある。それはテレパシーのことだ。
「テレパシーとかなんとかってなんなんだ?」
そう喋っても、誰も反応しない。
俺は乗り換えるまでずっと考えた。
そして、俺は見つけたのである。
テレパシーとは、電車の下側にある糸電話の半分のようなものである。これは、緊急時に電車のアナウンスとして使うものであって、すべての個室につながれている。だから、この糸電話が何らかの理由でONになっていて、すべての個室に俺の声が聞こえていたというわけである。
ちなみに、電車の座席の下側にあったため、普通に喋っても聞こえなかったというわけである。
そして乗り換え、また、新四駅についた。
なぜだか懐かしい気持ちである。
いつもとは違う駅舎なのに。
駅を出る。異世界に来て最初の故郷。何も風景は変わっていなかった。とても不思議である。
駅から少し歩くと、俺の家である。
両親がいないため、正真正銘俺の家。
そんな俺の家に、今はじめて俺が入る。
1つにまとめるつもりが、2つになってしまいました。すみません!