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第4話:「キスイベントカードが勝手にポケットに入ってるってどういうこと!?」

 ――放課後。

 机の上のプリントを片づけて、さあ帰ろうかというそのとき。

 私は、ふと制服のポケットに何かが入っていることに気づいた。


 「……ん? なんだこれ」


 指先に触れたのは、固めのカード。

 取り出してみると、縁に金の箔押しがされた、妙に豪華な名刺サイズの紙だった。


【キスイベントチケット】


ご利用ありがとうございます。

このカードを提示すると、“白鷺ルナ”とのキスイベント(初級)が自動発動します。

使用期限:本日中

※逃げてもある程度自動発動します


 「いや、待って待って待って待って???」


 いきなり脳がバグった。

 何この世界観!?どこでそんな課金要素発生した!?

 ていうか、私そんなの申し込んだ覚えないし!ポケットに入れた覚えもないし!!


 そのとき――背後から、ふわっと香るお花の匂い。

 振り返ると、そこには予想通りの彼女がいた。


 「気づいたのね」


 白鷺ルナ。

 攻略対象(物理)・イベント強制型・バグ持ち転校生。


 「……これ、なんで私のポケットに入ってるの?」

 「仕込んだの」

 「即答かよ!!」


 ルナは、それはもう自然な微笑みで言った。


 「今日のルート、全体の進行度からして、そろそろ1回目の“接触イベント”が必要かなと思って」

 「え?それってつまり……」

 「キスイベントね。」

 「やっぱりぃぃぃぃ!?!?」


 私は慌てて廊下に出て、全力で逃走モードに突入した。


 「なにこの世界!!恋愛強制!!自由意思の尊重どこ行ったの!?」


 階段を駆け降り、昇降口に向かおうとしたその瞬間。


 「逃げるの、イベント条件に含まれてたわ」


 ふっと現れたルナが、私の前に立ちはだかった。

 ていうかどこから来た!?ワープ!?モブ避けスキル搭載してるの!?


 「ふぅ……まったく、逃げ足だけは速いのね、ほのか」

 「やかましい!!それ以上近づくと発動するんでしょ!?発動条件踏ませる気なんでしょ!?」

 「ええ、だって今日の分、あと3枚あるから」

 「増えてる!?!?」


 ルナが一歩踏み出すたびに、私の脳内に効果音が鳴る。

 ピロリン♪ピロリン♪ピロリン♪(緊急回避不能イベント接近中)


 そしてとうとう距離がゼロになると――


 「はい、イベント発動」


 と思ったら、ふいにルナが目を細めた。


 「……冗談よ」

 「え……?」

 「そんなに嫌がるなら、無理にはしない」

 「…………」

 「でも、イベントは“引き延ばしただけ”ってこと、忘れないでね?」

 「こわッ!!!!」


 帰り道、私はポケットの中身を再確認した。


 結果――

 カード、2枚増えてた。


 しかも1枚は「手をつなぐイベントチケット(強制タイプ)」って書いてあった。

 なんで“強制”って書いてんの!?それ明らかにアウト寄りじゃない!?


 この日、私は誓った。

 ルナのイベント圏内には、今後決して近づかない。

 (※この誓いは、次回1分で破られます)



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