表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/32

幕間:メグちゃんの独白

 私は風華学園高等部一年一組の落合恵おちあいめぐ、先輩や友達からは、名前そのままにメグちゃんと呼ばれている。

 私は歴史部という部活に所属している。部員は五名、一年生は私だけで、後の四名は二年生だ。

 はっきり言ってこれといった活動はしていない。一見泡沫の文化部の様で、実際そのとおりなんだけど、でも、先輩たちのキャラがとても濃い。


 まずは、アリッサ・セントメリー先輩。米国からの転校生で金髪美女、そしてとんでもないダイナマイトボディの持ち主だ。


 神楽坂弥生先輩、神社の娘で巫女装束が似合いそうな和風美人である。


 そして何といっても喜屋武宇宙先輩、紅顔の美少年ながら腕っぷしもめっぽう強い。

 私が不良学生に絡まれたときも、すぐに駆け付けてきてくれて、あっという間に四人を倒して私を助けてくれた。

 あの瞬間、私は、恋に落ちたのだった。喜屋武先輩、大好き。

 

 そんな個性豊かな歴史部をまとめている部長が久我姫乃部長。成績は学年でもトップクラスの才媛で空手の有段者でもある。


 でも、私は、最近、歴史部の先輩たちに、不満に思っていることがある。

 私を仲間外れにして、四人でこそこそ何かをやっているのだ。部活は月曜と木曜日の放課後だが、それ以外の日や、休みの日に四人で集まっているのを私は知っている。


 先日、アリッサ先輩が地元の不良どもとトラブルを起こした時も、危ないからって私を置いてきぼりにして、無事解決したみたいだけど、聞いても言葉を濁して何も教えてもらえなくて。

 それにどうみてもめちゃめちゃヤバそうな、首に刺青をした相手の親玉の大男と、いつの間にか仲良くなっているし。


 文化祭の件だってそうだ。神楽坂先輩の神社を調べてみようってみんなで決めて、実際に、あの夏のくそ暑い中で調査だってしたのに、いつの間にか「別のテーマにする」ってことになっている。


 私をハブにする理由は分かっている。喜屋武先輩だ。

 私の喜屋武先輩に対する気持ちは先輩方も知っている。私の初めてをあげる宣言までして、諸先輩たちをけん制したから。


 アリッサ先輩と喜屋武先輩は付き合っているという噂がある。もうできているとか、お互い下の毛を剃り合っているとか。

 でもそれは嘘、そばで見ていれば、あの二人がそんな関係ではないのは分かる

 ただしあのダイナマイトボディで迫られたらと思うと、油断はならない。


 それより、久我部長だ、クラスも同じ、宇宙そらくんなんて下の名前で呼んでるし、本人が自覚しているかどうかは別として、あの喜屋武きゃん先輩を見る目は間違いなく恋する乙女の目だ。


 三角関係? この三人のことは、彼らの担任の安田先生も気にしているようで、昨日いきなり声をかけられて、部活での三人の様子をいろいろと聞かれてしまった。

 まだどちらとも付き合っているわけではない。少なくとも、先生が心配するような、身体の関係? そういうのではないと説明しておいたけど。

  

 だって、先輩とそういう関係になるのは、この私だもの。きゃっ。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ