第83話 何故末が功労者?
最終回です
「あの……あねぇ? 何故、わたくしが先に?」
おいでおいでと言われ、部屋に用意してくださったものを見た途端……わたくしは少し逃げそうになったのを砂羽のあねぇに止められてしまいました。
「いいのよいいの」
「貴女が今回くらい最初だっていいのよ?」
花嫁になる順番くらい。
と、おふたりに勝手に言われてしまいましたが……順番というものはきちんと決まっていたはずでは? 美桜のあねぇが一番で次は砂羽のあねぇが。
月詠の姫であるわたくしは、どうしたって最後のはず。それを何故、此度は逆とおっしゃるのでしょう? まったく意味が分かりません!!
逃げようにも左右ともがっちりとつかまれ、前には天一様や天后様がとおせんぼとばかりに控えていらっしゃいます。これは、もう……逃げ場がないのと同じです!!
「姉方がお許しされているのですよ?」
「覚悟した方がいいよ、咲夜~?」
「で、ですが!!」
「今回の功労者は一番なのよ?」
「姉と妹で順序決めなくていいの!! 素直に着替えさせて!!」
「そうそ。あねぇがそういうなら、私も同意見!!」
「あねぇ!?」
「「問答無用!!」」
「きゃ~!?」
あれよあれよと着替えさせられてしまい、白と桜色のお衣裳に身を包んだわたくしは……そのまま、釣り殿にいらっしゃるあにぃたちのところまで連れて行かれました。そちらには、騰蛇様もいらして!!
「……さく、や?」
似合っていなくはない……はずですが。茫然とされてしまったので、恥ずかしくなってきました!!
「お? 似合ってんじゃん」
「いい色合いだね。末の姫抜きに、愛らしいじゃないか?」
「おいおい、騰蛇。見惚れてねぇで、さっさと攫っていけや」
「い゛で!?」
直也のあにぃに背中を叩かれた騰蛇様はこちらに来られると、少し眺めてからわたくしをお姫様抱っこしてくださいましたわ!?
「夕餉あたりには、戻る」
「気にしなくていいいわよ~?」
「こっちも適当に帰るし」
「ああ、気にしないでくれ」
「行ってこい」
ふわっと、身体が浮く感覚に……騰蛇様にさっとしがみつけば上から笑いを堪える声が聞こえてきました。
「んじゃ、今日は初夜決定だな?」
「はい?」
「十二神将くらいは察してくれてたと思うが、姉らが許可出したんだ。そろそろ俺に食わせてくれよな? 俺も腹ペコなんだよ?」
「……えーっと?」
「……態と、じゃねぇよな?」
「……いえ。びっくりして……え、え?」
「婚前祝いはたっぷりしただろ? もうお前は俺の嫁さんなんだから……食わせてくれよ」
「……お、お手柔らかにお願いします」
「はは。断言は出来んな?」
「……うぅ」
天孫のさらに子孫らの婚儀は、これを機に各地で行われ。
無事に済ませてから、わたくしは本当に何度も騰蛇様に美味しく頂かれてしまいました。おかげで、わたくしも毎日お腹いっぱいご飯を食べられます!!
【終】
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