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【完結】癒しの巫女と十二神将はいつも腹ペコ三昧  作者: 櫛田こころ


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第82話 番う者同士仲良く

 咲夜を一度看取る形で引き離したのが、数百年前。


 ただし、間にいくつかの『呪箱』としてあいつは姿かたちを変えて……この狭間へとやってきた。


『八王』のため。


『裏八王』のためと。


 すべてを捨てて、一巡目を戻さねばならない偉業に俺は末の者として耐えなくてはならなかった。それがまあ、こんな時間がかかり、咲夜の『名』を忘れるほどまでとは思わなかったが。



「忘れてたのは、俺もだぜ? 騰蛇」

「俺もだ。美桜の名すらなにもかも忘れさせられていた」



 何故か今日は。姉妹組はあちらで話し合うことがあるからと。俺らは放って置かれたのか狭間の一室で茶でも飲んでいることになった。朱雀らからは、たまにしか会えないのだから存分に語り合え……と言われても。


 天照の子孫と素戔嗚の子孫とされているふたりと何を話せばいいのか……になれば、互いに番う嫁御の話にしかならん。それぞれ同じ思惑なのか、必然的にその話題にはなったのだが。



「……それほど、か。咲夜は目の前で何度も姿を変えた」

「「変わった??」」

「血を吹いて、泡をまき散らし……栄養が取れないからと、俺は神力を送るしか出来ないでいた」

「傷跡もないが?」

「それくらい、凶将であれ治癒は多少できる」

「……それほど。月詠の役割は酷いのか」

「異形を婿に取る代償……より、そちらが強いようだな。逆に、天照の方の美桜とて『形がない』ようにされていたらしい」

「……んじゃ、俺が一番わかりやすかった?」

「というか。素戔嗚は憧れが『母』と思わせていたとされている。砂羽がそれなら、最近の顔にさせたのではないか?」

「「あぁ……」」



 俺の知る『砂羽』ではなく、今の彼女は間違いなく勝気な部分が目立っている。素戔嗚の娘であり、伊弉冉の孫としての役割を果たそうとするのであれば……あの朗らかな性格もよく理解できた。俺の咲夜は変わらずのままだったから、そこはそこでうまく切り離したのだろう。



「まあ……惚れた女がお互いってこともあったし。これでいいってことか?」

「そうお思うことにしよう」

「ああ。お互いの番いが最上だ」

「「のろけか」」

「お前たちが言うな……」



 結局は逡巡しているようにも思えるが、話題が話題なので仕方がないこと。あと話すと言ってもなにを話題にしていいのか悩むところだ。俺の趣味は、料理とかになるがこいつらにそれが出来るかどうかをたしかめていない。


 むしろ、軍人だったというから徒手の方が……それは、俺が人間ではないので加減が出来んからやめておこう。立ち位置的に俺は末弟なのだから、兄らより優れていても意味がない。


 とりあえず、咲夜たちの方が気になるも……姉ら二人が妹の彼女に何をしているのかが少し気になった。着飾るとかなら、攫ってしまいたいくらいには整えてくれよ?

次回は木曜日〜


最終回です

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