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第41話 鵺の道の中
我は鵺の尾たち。
蛇がひとつとふたつ。
舌の先は蜘蛛の糸筋。
何かが流れてくるのはわかるのだが。
穢れは流さねば。
洗い清めねば。
我らは唸るのみ。
顔の先。
さらに先の熊でも狼でもない。
我らの『主』は、龍の先。
八俣と散り散りになった、王の配下たちなど気にもしない。
穢れを寄越したのは誰だ。
我らを散り散りにしたのは誰だ。
『鵺』と与えたのは誰だ。
蠱毒の一滴を与えたのは……誰だ。
我らの主を引き離し。
仮の名を与えて、上と下の境目にと王の座を置くとは……誰だ。
『道』に意思がないと……誰が言い切った?
だからこそ、解せんのだが……制御しようにも出来ぬときた。
上と下を一旦引き離しておかねば、修復が不可能と言えんくらいに穢れと清浄が同時に起こりすぎて……我は、我らは!!
『狼王!?』
『白蛇!!?』
我ら、鵺の『口』をもっと洗い流してくれ!! 玉砂利の穢れが酷過ぎて気持ちが悪い!!!




