バッキ―のパン (画像あり)
本日の昼食は パン尽くしであった。
・小麦粉・酵母・食塩・水でできたフランスパン
パリジャン(太くて長い)
バゲット(棒パン):パリッとした焼きあがり
バタール(ずんぐりさん):モチっとした食感
クッペ(太短か・上に切れ込みが1本)
プール(丸型・表面に従事の切れ込み):パリッとした皮の中にしっとりとした生地
「ねえ、おばあさんが作ったバタールには、ほーんのちょっぴり砂糖が、
プールには少しだけバターが使われているのではないかしら?
それ以外のパンは おばあさんのパンとバッキ―のパンに、違いがないような気がする。」
「焼き加減の違いだけだと思いますよ」フローラ
「うーむ バケットは バッキ―の方が色が濃く焼けていますが それがまた食欲をそそる香りを醸し出していますね。
バターと砂糖については なんとも判断致しかねます」セバスチャン
「バッキ―は エピやフィセルも焼くのね」
「えっ これ形が崩れたパンではないのですか?」フローラ
「惣菜パン用ではないの?」
「惣菜パンってなんですか?」セバス
「具を挟むパン」
「お嬢様 耳が早いですね。
バッキ―は ちゃんとした形に焼けなかったパンに 肉や野菜を挟んで売りつけたって笑われていることをご存知だなんて」フローラ
「えっ そうなの?」
「そういう噂を聞いたことはございます」セバス
「ほかにも 味の変わったパンも平気で売りつける厚かましい孫娘だともいわれていますよ」フローラはパン・ド・カンパーニュを指さした。
「そういえば これらのパンは バッキ―作だけね」私
「こちらは おばあさんにしかできないパンです」とセバスが指さしたのは
シャンピニオンとタバチュール・フォンデュ を指さした。
「シャンピニオンとタバチュール・フォンデュはどちらも 成形するときひと工夫することによって 1個のパンでカリカリともちもちを楽しめるようになっているのです」
セバスチャンの説明を聞いて考えた。
もしかしたらおばあさんが偉大すぎてバッキ―はものすごく損しているのではないだろうか?
彼女の進歩的なチャレンジが、あざけりの種になっているなんてかわいそうすぎる。
・・・
「それよりも ウマイヤの件を早く決めていただきたいのですが。
このままでは ウマイヤもおちつかないでしょうから」
セバスチャンが話を切り替えてきた。
フローラが用意してくれた紅茶を飲みながら答えた
「3か月の試用期間を経て正式採用としたらどうかしら?」
「それはいけません。
もし3か月後に解雇したら ウマイヤはこの城下で暮らしていけなくなります」
セバスとフローラが反対した。
「彼が有能だったとしても これから雇うほかの使用人と気が合わなければ困るし
ほかにもっと有能な人が出てきたときに 配置転換しにくくなると困るわ」
「そういうことなら・・・
手当や役職については3か月後に決めることにして
とりあえず 臨時雇いとして時々来てもらうと言うことにしましょう」セバス
「ねえ 臨時雇いと試用期間は どこがちがうの?」
「試用期間というのは 信用ならない者をとりあえずタダ働きさせて様子を見るというものでございましょう」セバス
「ちがうちがう 私そんな意味で言ったのではない。
それに臨時雇いしたからって 本採用にするとも限らない」
「お嬢様 優秀な人間はどこでも引く手あまたなのでございます
先の約束もなしに 長期間とどめおくことはできません」フローラ
「二人とも 私の意向とは関係なくウマイヤを雇うことに決めているなら
私に同意を迫らないでよ。
勝手にやとったらいい
気に入らない時は 私が勝手に首にするから」
「お嬢様!」二人は大声をあげた。
・・
「ごちそうさま」一声かけて席をたとうとしたら
「申し訳ございません」
いきなりセバスが 直角に腰をまげた。
「実は 城の蓄えが少なく 雇人に払う給金が大変低いのです。
それゆえ 名誉を与えることでしか 人をつなぎ留められないと考えまして・・」
「相場価格と うちが支払える給金を言いなさい」
「領内では 職種に関係なく労働者の賃金は同一価格です。
仕事の出来栄えに応じて支払うボーナスをいくらにするかは雇用者の気分次第
そしてまたマル秘事項なのでわかりません。
公表したら ボーナスが高止まりしてしまうことになりますから。
一方役職手当につきましては 配下にする者達に支払われる賃金の1割相当が
上位の者に収められることになっています。」
「それって 1人余分に払えば 雇用費が1.1人分ふえるということ?」
「違います。配下の賃金が0.9人分 上司の賃金が1.1人分になるので、
二人雇った時こちらが支払う賃金は2人分です。」セバスチャン
「それはおかしい。そういう形での雇い方はしません」
「慣習を変えようとなさったご両親が そろってお若いうちになくなったことを忘れないでくださいませ」フローラがとりなすように言った。
「わかりました。しかし 決めるのは私です。
夕食まで一人で過ごします」
私は二人に退出を促した。
画像引用元
https://tg-uchi.jp/topics/3793 「覚えておきたいフランスパンの種類」