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歓迎！　天海号御一行様

3月末に、華々しくペンペンに入港した天海号。

街の人々は熱狂的に出迎えてくれた。

本来なら、そのまま　船の手入れをして、船員達を休ませるはずだったが

興奮した町の人々達が、船に乗りたい！　見学したい♡　船員希望！と

老いも若きも大騒ぎ。

上陸休暇に訪れた船員達は、

　キラキラした目の子供達に取り囲まれて

「船で働くには　どんな技能を身につければよいのですか？」

「採用試験の受験資格を教えてください！」

と質問攻めにあって　眼を白黒。

かと思うと、若い娘さん達がやってきたと嬉しく思えば

「料理係として雇ってください」

「掃除・洗濯には自信があります！　ぜひ乗り組ませてください」

「私　船乗りになりたいんです！」

やっぱり就職志望の女性達に囲まれてしまう。

飲み屋に行けば

「船乗りの給料っていくらなんだ？」

「労働時間はどうなっている？」

「休暇はどれくらいあるんだ？」

とこれまた　労働条件を知りたがる男達に取り囲まれる。

「いったいこの町はどうなってるんだ？

　そんなに仕事がないのか？

　そのわりに　みんな　清潔な服装で血色も良いから

　そんなに生活に困っているようには見えないんだが？」

「そりゃみんな　航海王にあやかって『海に出たい』熱に取りつかれてしまったんだよ」

と店主は　船員達の質問に答えた。

街の宿泊所が、天海号の入港を祝うために近隣から集まった宿泊客で満杯になっていることは

すでにフローラ大臣から知らされていたので、

入港した日に休暇を取って上陸した船員たちも、飲み食いを済ませてさっさと全員帰船した。

ちなみに、当直(ワッチ)の交代を知らせる鐘(かね)＝八点鐘(はってんしょう)とは、

午前4時・午前8時・正午・午後4時・深夜0時に鐘を8回鳴らして知らせることを指す

　しかし、天海号では　航海中は　午前8時・正午・午後4時にだけならし

　寄港しているときは、さらに深夜0時の鐘も鳴らすことにしている。

　　これは　日没後の睡眠を妨げず、一方で上陸中の船員を定刻までに呼び戻す為でもある。

（参考）

海運豆知識　八点鐘

　http://xn--https-jc9p//www.meiwakaiun.com/meiwaplus/tips/tips-vol91/

　明和海運株式会社

　・帆船時代のしきたりから　大型近代船の当直までを含めた　ワッチと鐘の関係を、具体的にわかりやすく丁寧に細かく説明しています。

　・船酔い対策　https://www.meiwakaiun.com/meiwaplus/tips/tips-vol93/　など

実用的な話から関連法案まで幅広く、2011年から今日まで　ほぼ毎月更新されており大変興味深かったです。