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貧乏領主になりました  作者: 木苺
     島だ!探検しよう!
72/123

岩ノリと樽の木 (画像あり)

島を囲むように取り巻く岩礁には、びっしりと岩ノリが張り付いていた。


「うーん 岩にはりついている海苔をはがすのは、なかなか大変そうだなぁ」タンタン


「このあたりは 波があるから、岩のそばにボートを停泊させるわけにもいかぬし、岩に乗り移るのもたいへんだぞ」コチ


「そもそも 岩のてっぺんまで海苔が生えているから、踏むのはもったいなし、踏んだらすべりそうです」タンタン



島の海岸線は リアス式海岸だった。


湾の中には、ゴマメや煮干しの元がたくさん泳いでいた。


「ここで 海苔を養殖したらどうでしょうか?」タンタン


「島に水があればな」コチ



  (↓おまけ画像 岩ノリの採取)

挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


海岸は 岩ノリの生える岩場と シュロのようなちょっと違うような木々が生えた場所に分かれていた。


コチは 木の生えている側の岩のないところにボートを停泊させた。


木は浅瀬から波打ち際まで生えていた。


「これは 樽の木ではないか?」

コチは 幹の下部の膨らんだところを叩きながら言った。


「樽みたいに膨らんでいるから 樽の木ですか?」尋ねてみた。


「どうだろうな。

 キョーシロー、ここに穴をあけて、くだを指してくれ」

コチの指図(さしず)に従って、キョーシローが 管を差し込んだ。


(あの管、どっから出てきたんだろう?)


管の下にコップを差し出すコチ。


コップの中に注ぎ込まれる水?


コチは 管に栓をしてから、コップの中の液体を覗き込み 臭いを確かめ

指先に着けて少しだけ味を見てから ぐっとのみ込んだ。


「ああうまい。水だ。お前たちも確かめてみろ」コチ


セバスとシノが「お毒見 つかまつります」と味見をした。

「間違いなく 水ですね。

 少しだけ芳香がありますが、毒はないと思います」


コチは 自分のコップの中の液体の香りを再度たしかめた。


「君たちさすがだな。俺には臭いが感じられないよ。」コチ


「お嬢様も飲んでみますか?」

セバスが 新しいコップに 樹液?を入れてくれた。

(そもそも そんなに コップが出てくるなんて どこに収納していたんだ?)


「執事のたしなみです」すまし顔のセバス


「ちがうちがう。樽の木が生えているかもしれんと思って あらかじめ用意してたんだ」

キョーシロー&コチ


「このあたりは 海底火山の跡地だと言われているので、

 島に水はないはずだ。

 なのに 木が茂っていれば それは樽の木である可能性が高い。


 樽の木というのは 海水を吸い上げて、幹の中に樹液を蓄える性質がある。


 その樹液が 砂糖のように甘いこともあれば、

 発酵して酒のようになっているものも、

 普通の水になっているものもある。


 どうして そんな違いができるのかも、

 どうやって海水の塩分を除去した樹液になるのかも不明だが、

 水樽の木が多い島なら、1日か2日上陸して過ごすことは可能になる」


コチが種明かしをしてくれた。


「樹液の違いはどうやって見分けるの?」


「勘が半分。

 一応 緑の濃い葉の生えている木は水樽の可能性が高い。


 葉先が白ければ、樹液が甘くて 煮詰めれば砂糖がとれることもあるといういいますが、

 俺は そこまで甘いものと巡り合ったことはありません。


 というか 樽の木は、話にきくだけで 見たのは今回が初めてです」キョーシロー


「その話をキョーシローにしたのは わしだ。

 水樽の木も、少しだけ甘い樽の木の液も舐めたことはあるが、

 酒樽の木は本で読んだだけだな」コチ



その日は 島に1泊しても良かったが、暮れてしまうと何もできないので

母船にもどって、翌朝・早朝に再び上陸することにした。


船に戻る前に、私たち5人の手形を、上陸記念として 樽の木の根元に埋めた。

 この手形というのは、初めての島に上陸した時の記念に埋めようと、

 あらかじめ、粘土に手形を押し付けて、船のかまどで焼き上げたものだ。


 これは 乗船してすぐに 作ったものだけど、まさか本当に使う日が来るとは思わなかった!


 にしても 私たちが手形を作れるようにと、船に粘土を用意してくれていたコチってすごい!

  深慮遠謀の策士なのかしら??


※ 土日休日は 朝8時 

  月~金は  朝7時の1回投稿です


(画像引用元)

https://colocal.jp/topics/lifestyle/shakotan/20180201_110232.html

  個人のサイトからお借りした写真なので、念のためにお顔を消しました。


※ 天然ものは 超貴重であり、絶滅の危険もあるので、

  地元の方の許可なく 触れないようにしましょうね!


 地元の方の思いの詰まった記事は 楽しく拝読するだけにとどめしょう♡ m(__)m


(サイト紹介)

・ノリの養殖について

https://kodawarin.jp/owari-maruhachi/onizakinori-yousyoku/


https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00320406/index.html

 佐賀県 水産課


https://arao-jf.com/nori/

 荒尾漁業組合 動画あり


https://www.aizawasuisan.com/%E3%81%93%E3%81%A0%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%AE%E6%B5%B7%E8%8B%94%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%82%8A2018/%E3%81%93%E3%81%A0%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%AE%E6%B5%B7%E8%8B%94%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%82%8A2016/

  漁師日記←わかりやすい



・海水温24度に耐える海苔の養殖を目指して

瀬戸内海 笠岡の水産会社:ノリの二期作

 https://www.sanyonews.jp/article/1329422


せのお水産の挑戦!(瀬戸内海)

https://www.senoo-suisan.com/about/genshisai-story

  10数年かけて養殖イワノリ種を作り出し、水質・水温の変化に耐える養殖を続けている


  (何かといえば 不漁だ、補助金をくれと言い騒ぐ輩は 恥を知れ!

   先を見通し対策する不断の努力もせずに 金くれくれと金儲けの為だけに騒ぐのは、

   真面目に努力する人間を踏みにじる卑劣な行ないである!!)


三重県の場合

 https://adaptation-platform.nies.go.jp/articles/case_study/vol15_mie.html


千葉県の場合

 https://www.pref.chiba.lg.jp/gyoshigen/suisanshigen/kousuion.html


農林水産技術会議

 https://www.affrc.maff.go.jp/docs/project/seika/2020/r2_seikashu_06.html


愛知県

 https://www.pref.aichi.jp/soshiki/suisan/0000066508.html





海苔について

https://www.env.go.jp/water/heisa/heisa_net/setouchiNet/seto/g1/g1chapter1/ikimono/nori.html

  瀬戸内ネット


・タネガシマアマノリについて

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsap/13/2/13_133/_pdf/-char/ja


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